[文書名] 北方領土についての海外広報活動に関するソ連側口頭申入れに対する日本側反論要旨
自国の領土に関し、ある国の地図に正確な記載がなされていない場合にその訂正を当該地図出版社に申し入れることは当然であり、またわが国がその主張、立場を国連の場を含め国際的に広報することも当然の行為である。
日本は、サンフランシスコ平和条約の諸規定を厳格に遵守しているところ、わが国が返還を求めているのは同条約第2条(c)に従ってわが国が放棄した千島列島に含まれないわが国固有の領土たる北方領土——具体的には歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島であり、これらの諸島をソ連はなんらの法的根拠なしに不法に占拠している‐‐なのであって、かかるわが国の行動が「領土保全及び国家主権の尊重という一般に承認されている規範に矛盾しており、その本質において、第二次世界大戦の諸結果の変更と戦後日本が負った義務の放棄に向けられたものである」とのソ連側の非難には何らの根拠もない。