データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] チェコ介入(1968年)を批判したソ連政府の声明

[場所] 
[年月日] 1989年12月4日
[出典] 日本外交主要文書・年表(4),857頁.1989年12月5日付,ソ連共産党機関紙「プラウダ」所載.
[備考] 
[全文]

「チェコスロバキア社会は、自国の政治的、経済的発展の経験の批判的再解釈の時期にある。これは自然なプロセスであり、多くの国々がいずれにせよこれを通過している。残念なことに、不断の社会的自己刷新と生じている出来事の現実的評価の必要性は、常に当然のことであったわけではない。そうした出来事が矛盾した形でからみ合い、時代の挑戦に対する勇気ある回答を必要とした状況下では特にそうである。

 1968年に当時のソ連指導部は、客観的に機の熟していた問題をめぐるチェコスロバキア国内の論争において、一方的態度をとった。友好国の内政に干渉するそのようなアンバランスで不適切な態度を正当化する理由として、当時の東西間の激しい対立が考えられた。

 われわれは、1968年における社会主義5カ国軍のチェコスロバキア領内侵入には根拠がないし、その決定は現在明らかとなった事実に照らして誤りであった、とのチェコスロバキア共産党中央委幹部会およびチェコスロバキア政府の見解を分かち合うものである」。