データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ロシア連邦政府との関係について(平成3年12月27日閣議外務大臣発言要旨)

[場所] 
[年月日] 1991年12月27日
[出典] 内閣府
[備考] 
[全文]

 ソ連邦においては、本年8月の政変後、各連邦構成共和国の権限強化の動きが強まっていたが、12月21日、アルマ・アタにおいてグルジア共和国を除くすべての共和国の「独立国家共同体」協定への参加が決定され、ソ連邦の解体は決定的なものとなった。我が国としては、かかる状況の下で、ソ連邦を構成してきた各共和国との関係の処理について早急かつ適切に対処して参る所存である。

 特に、我が国に隣接するロシア連邦については、我が国は、ロシア連邦がソ連邦と継続性を有する同一の国家であり、我が国とソ連邦との間で締結されたすべての条約その他の国際約束が我が国とロシア連邦との間で引き続き有効に適用されると理解している。そこで、本27日、宮澤総理大臣よりエリツィン大統領にあて書簡を発出し、その中で、「独立国家共同体」の創設に対する祝意を表明するとともに、以上の我が国の理解を明確にし、更に、ロシア連邦との間で北方領土問題を解決して日露両国関係の飛躍的改善を実現したい旨伝達することと致したい。