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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 橋本総理発エリツィン大統領宛親書の骨子

[場所] 
[年月日] 1998年2月23日
[出典] 内閣府
[備考] 
[全文]

 小渕外務大臣は、23日午前(モスクワ時間)に行われたエリツィン大統領表敬の際、橋本総理発エリツィン大統領宛親書を手交したところ、その骨子は次の通り。

・私は、クラスノヤルスクでの貴方のおもてなしに報いるためにも、「ネクタイなしの会談」にふさわしい、風光明媚で、くつろいだ雰囲気の下でお互いに胸襟を開いて語り合える場所を時間をかけて選んだ。今回の小渕外務大臣の訪露に際して、4月の会談の場所が川奈に決定したことをお知らせすることができ嬉しく思う。来る訪日を機に、昨年のクラスノヤルスクにおいて培われた我々の信頼関係が更に確かなものとなることを確信している。

・小渕外務大臣の訪露は貴大統領訪日準備のための極めて重要な機会と考えており、小渕大臣が貴方を始めロシア政府要人と会談する際には、我々のクラスノヤルスクでの諸合意が着実に実施に移されていることを改めて確認することができると思う。

・特に橋本・エリツィン・プランが既に目に見える形でいくつかの成果を生み出しつつあることは私の喜びであり、貴方も同様に評価して頂いているものと思う。今回の小渕外務大臣の訪露に際して同大臣より我が国による金融支援(注:輸銀アンタイドローン)を表明できることになったことは喜ばしい。

・懸案の平和条約の締結については、1月の次官級協議において、平和条約締結問題日露合同委員会の枠組みが設定され、今回両国外相を共同議長として最初の会合を行うこととなった。東京宣言に基づき2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすとのクラスノヤルスク合意を実現するためのプロセスが着実に進んでいることを高く評価している。

・昨年12月30日に実質妥結した北方四島周辺水域における日本漁船の操業枠組みについても、今回小渕外務大臣とネムツォフ第一副首相との間で本件協定に署名する運びとなった。この協定は、両国関係者の信頼の賜物であり、今後の協定の運用においても、同様の精神により、我が国漁民の安全操業が確保されることを切に望んでいる。

・桜の花が咲く季節に貴大統領をご家族とともにお迎えし、親しくお話しできることを楽しみにしている。