データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] S.V.キリエンコ・ロシア連邦首相の日本国公式訪問に関する共同新聞発表(抜粋)

[場所] 
[年月日] 1998年7月14日
[出典] われらの北方領土 資料編,外務省
[備考] 
[全文]

1.S.V.キリエンコ・ロシア連邦首相は、日本国政府の招待により、1998年7月13日より14日まで日本国を公式訪問した。

 日本国滞在中、S.V.キリエンコ・ロシア連邦首相は、天皇陛下に拝謁した。

2.橋本龍太郎日本国内閣総理大臣とS.V.キリエンコ・ロシア連邦首相は、友好的かつ建設的な雰囲気の下で、詳細な話し合いを行った。日露関係の諸問題及び双方にとって関心のある幾つかの国際問題が、小渕恵三日本国外務大臣との間においても話し合われた。また、堀内光雄日本国通商産業大臣との会談が行われた。

 更に同首相は、日本国経済界の指導者と会見した。

3.日露双方は、近年、特に1997年11月及び1998年4月に、それぞれクラスノヤルスク及び川奈で行われた橋本龍太郎日本国内閣総理大臣とB.N.エリツィン・ロシア連邦大統領との間の日露首脳会談を経て、両国間の信頼関係が深まり、様々な分野にわたる関係が着実に進展してきていることを高く評価した。

4.この関連で双方は、今後とも首脳級を含むハイ・レベルの交流を通じて、両国間の「間断なき対話」を継続し、政治、経済、文化、その他の各般の分野における交流を更に深めていくことで一致した。双方は、また、1993年に署名された東京宣言に基づき2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすとの両国首脳のクラスノヤルスク合意を実現していく上で一層の前進を図ること、また、そのための共同作業を加速化していくことが重要であることを確認した。

5.双方は、日露関係の重要な柱の一つである貿易経済分野における両国間の協力の現状と今後の発展の方向性に特別の注意を向けた。この関連で双方は、1993年10月13日、エリツィン大統領の訪日の際に署名された「日本国とロシア連邦との間の貿易経済及び科学技術の分野における関係の今後の展望に関する宣言」を踏まえ、経済分野における両国間の協力関係を強化していく意向であることを確認すると共に、クラスノヤルスクにおける首脳会談において橋本龍太郎日本国内閣総理大臣とB.N.エリツィン・ロシア連邦大統領によって作成された「橋本・エリツィン・プラン」が両国間の貿易経済関係の発展のために有する意義を高く評価し、引き続き同プランの拡充と着実な実施に努めていくことで一致した。

(以下、省略)