データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 緊急人道支援の供与を目的とした択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島への査証なしの訪問に関する在ロシア連邦日本国大使館の口上書

[場所] 
[年月日] 1998年9月18日
[出典] 日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料集(2001年),外務省
[備考] 
[全文]

 在ロシア連邦日本国大使館は、ロシア連邦外務省に対し敬意を表するとともに、日本国民と択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島(以下、「諸島」という)の住民の相互訪問を一層円滑化することをはじめ、相互理解の増進へ向けた一連の措置を採るとの日本国政府とロシア連邦政府の合意を記した1993年10月13日付けの日露関係に関する東京宣言並びに日本国民の諸島への訪問並びに諸島の住民による日本国の諸地域への訪問に関する1991年10月14日付けの日本国外務大臣とソヴィエト社会主義共和国連邦外務大臣との間の往復書簡、上記の訪問の手続きの一部修正及び補足に関する1993年4月20日付けの在ロシア連邦日本国大使館とロシア連邦外務省との間で交換された口上書に言及し、人々の生命や健康に対する脅威の発生といった緊急事態の場合を含む緊急人道支援の実施、及び当該支援に関連する技術協力を目的とする、日本国民の諸島への訪問及び諸島の住民による日本の諸地域への訪問は、上記往復書簡及び口上書に規定された手続きにより実施されることを通報する光栄を有する。

 本件手続きにより行われる訪問及び協力は、これら訪問及び協力に関連するいかなる問題についてもいずれの一方の側の法的立場をも害するものと見なしてはならない。

 大使館はこの機会を利用し、ロシア外務省に対し改めて深甚なる敬意を表する。