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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 対ロシア政府派遣経済使節団小泉総理発プーチン大統領宛親書(骨子)

[場所] 
[年月日] 2001年6月8日
[出典] 内閣府
[備考] 
[全文]

 8日夕(日本時間)、対ロシア政府派遣経済使節団団長である今井経団連会長がプーチン大統領を表敬した際、小泉総理発プーチン大統領宛親書を、今井会長からプーチン大統領に手交した。

 親書の骨子は以下の通り。

1. 経済使節団の受け入れにあたり、大統領を始めとするロシア側の配慮に感謝。

2. 近年、日露関係は、首脳間の緊密な対話を通じ、着実に進展している。政府としては、こうした日露関係全体の発展の流れを維持し、その中で、経済関係についても引き続き後押ししていくべく、できる限りの努力をしたいと考えている。

3. 今回の使節団には、総勢二百名近くが参加しており、これはロシアに対する日本経済界の関心の高さを示している。政府としても、その意義を重視し、この使節団を特に政府派遣とすることとした。

4. この使節団が、ロシアの変化を肌で直接感じることにより、日露双方の経済界が新たな視点からビジネスを考え、両国間の経済交流が活性化する契機となること、さらには日露関係全体の一層の発展に繋がることを期待。

5. 今井団長が貴大統領に対して行うであろうロシアの投資環境についての率直な問題提起について、真摯に応えて頂けるものと確信している。

6. 「痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず」を基本的な姿勢として、「聖域なき構造改革」を断行しようとしている私自身にとっても、新しいロシアを創り出すべく、リーダーシップを発揮し、困難な改革に取り組んでいる貴大統領の姿に共感する。