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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 両国国民の相互渡航のための査証制度の簡素化等に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の覚書

[場所] 東京
[年月日] 2005年11月21日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 日本国政府とロシア連邦政府(以下「双方」という。)は、

 2003年1月10日に両国首脳により採択された「日露行動計画」において、「両国は、両国国民の間で最大限幅広い交流を行うための環境を整備することを目的として、査証発給手続の簡素化の可能性につき、領事当局間で検討する。」とされていることにかんがみ、

 領事問題に関する二国間の定期協議の成果に留意し、

 両国国民の相互渡航のための最も良好な環境を確保することが、日本国民とロシア連邦国民との間の友好の強化及び相互理解の深化の重要な要素であり、両国間の互恵的な貿易・経済関係の発展にも資することを確信し、

 査証制度の簡素化等を実現するため、日露間で新たな取決めを作成する可能性を含め、必要な措置をとるべく協議を継続する意向を確認して、

 以下の共通の認識に至った。

1.双方は、査証発給手続の簡素化に関する以下の措置の実施について検討する。

○3年間有効の数次査証の発給による方法を含めた両国のビジネスマンの相互渡航の条件の簡素化

○両国の教育、学術、文化及び青年・スポーツに関連する機関による両国の交流に参加する他方の国民に対する有効期間1年間の数次査証の発給及びその更新手続の簡素化

○観光旅行者に対する査証発給手続の簡素化

○両国の報道関係者に対する渡航の制度の簡素化

○受入国側の省庁及び組織が、招待状を提示することなく直接の通報を行うことに基づく査証の発給

2.双方は、外交旅券を所持する両国の外交機関及び領事機関の職員並びに当該職員の家族の構成員でその世帯に属するものに対して発給される数次査証の有効期間を3年間にまで延長する可能性を検討する。また、双方は、2003年4月4日付けの日本国外務省と在日本国ロシア連邦大使館の口上書第1項において言及されている数次査証の有効期間を延長する可能性及びその査証の発給対象者となる両国の外務省職員の人数を拡大する可能性を検討する。

3.双方は、将来、外交旅券所持者の相互渡航の査証免除措置を導入するための条件を整備する作業を継続する必要性を確認する。

4.双方は、滞在登録に関する手続の簡素化及び滞在登録が不要である滞在期間の延長に向けた協議を継続する。

5.双方は、1965年2月26日に交換された書簡により成立した査証料の相互免除に関するソヴィエト社会主義共和国連邦政府と日本国政府との間の合意に基づき、将来的に査証発給の際の実費を含めいかなる査証手数料をも徴収しないことを実現する旨確認する。

6.双方は、緊急時において両国国民が両国の領域を通過する際の手続の簡素化について検討する。

7.双方は、両国の関係省庁の代表者が参加する査証・滞在問題に関する作業グループを設置し、上記の諸分野に関する協議を行うことを委ねる。また、作業グループの会合をモスクワと東京において交互に開催し、第一回会合を2006年初めにモスクワにおいて開催する。

日本国政府のために

ロシア政府のために

東京 2005年11月21日