データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日印平和条約,交換公文

[場所] 
[年月日] 1952年6月9日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),522−523頁.条約集,30−41.
[備考] 定訳
[全文]

 インド大使から外務大臣にあてた書簡

 書簡をもつて啓上いたします。

一 本日署名されたインドと日本国との間の平和条約の第二条(b)に附された第二の但書に関して、本使はインド政府が、前記の条約で日本国に最恵国待遇を与えるにかかわらずコモンウェルス諸国及び隣接国に将来なんらかの特恵又は利益を与えることによつてインド政府がコモンウェルス諸国及び隣接国以外の国に同様の特恵又は利益を与えることを要するときは同一の特恵又は利益を日本国にも及ぼすものであるとの了解の下に、コモンウェルス諸国及び隣接国に将来特恵又は利益を与える権利を留保するものであることを貴大臣に通報する光栄を有します。

二 本使は、この書簡及び前記の留保を確認される貴大臣の返簡が、前記の条約に関して、インド政府の日本国政府との間の協定となるべきことを提案する光栄を有します。

 以上を申し進めるに際しまして、本使は、貴大臣に敬意を表します。

  千九百五十二年六月九日

         K・K・チェトゥール 

 日本国外務大臣 岡崎勝男殿

 外務大臣からインド大使にあてた書簡

 書簡をもつて啓上いたします。

一 本大臣は、次のように述べられた本日付の貴使の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

  (印側公文省略)

二 本大臣は、日本国政府が、インド政府の行つた留保に同意すること並びに、また、貴使の書簡及びこの書簡が、前記の条約に関して、日本国政府とインド政府との間の協定となるべきことを確認する光栄を有します。

 以上を申し進めるに際しまして、本大臣は、貴使に敬意を表します。

  千九百五十二年六月九日

            岡崎勝男 

 在日本国インド大使館

  特命全権大使

      K・K・チェトゥール殿