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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とパキスタンとの間の友好通商条約・議定書

[場所] 東京
[年月日] 1960年12月18日
[出典] 外交青書5号,281−282頁.
[備考] 
[全文]

 日本国とパキスタンとの間の友好通商条約に署名するに当たって、下名は、さらに、同条約の不可分の一部と認められる次の規定を協定した。

1 第一条の規定は、日本国に対し、パキスタンが英連邦諸国の市民に対して与えているか、又は将来与える権利及び特権の享受を要求する権利を与えるものと解してはならない。

2 第一条の規定に関し、いずれか一方の締約国の国民で特定の目的のため他方の締約国の領域に入ることを許されるものは、その入国許可の条件として法令により明示的に課される制限に反して営利的職業に従事する権利を有しない。

3 各締約国は、外国人がその締約国の領域内で営利を目的とする活動(事業活動)に従事する企業を設立し、又は当該企業における利益を取得することができる限度を定める権利を留保する。ただし、いかなる場合にも、最恵国待遇よりも不利でない待遇を与えることを条件とする。もっとも、いずれか一方の締約国がその領域内でそれらの活動を行なうことを外国の国民又は会社に許す限度について新たに行なう制限は、その実施の際その領域内でそれらの活動に従事している企業で他方の締約国の国民又は会社が所有し、又は支配しているものに対しては、適用しない。

4 第五条1の規定に関し、いずれの一方の締約国も、不動産に関する権利の享有についての待遇が相互主義に服すべきことを要求することができる。

5 この条約のいかなる規定も、著作権に関して、いかなる権利をも許与し、又はいかなる義務をも課するものと解してはならない。

6 第四条の規定は、いずれか一本の締約国の領域内で収用され、又は使用される財産で他方の締約国の国民及び会社が直接又は間接に利益を有するものについても適用する。

7 第八条の規定は、輸入及び輸出に関する差別を排除することを目的とするものであって、国際収支上の理由に基づいて、ある通貨による取引に対し他の通貨による取引よりも有利な待遇を与える特別の取扱いを排除することを意図するものではない。

8 第七条及び第八条の規定はパキスタンが英連邦諸国及び隣接国に与えている特恵又は利益で、この条約の署名の日に存在するものについては、適用しない。

9 この条約のいかなる規定も、パキスタンに対し、日本国が(a)千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第二条の規定に基づいて日本国がすべての権利、権原及び請求権を放棄した地域を原籍とする者に対し、又は(b)同平和条約第三条に掲げるいずれかの地域に対する行政、立法及び司法に関し同条後段に掲げる事態が継続する限り、同地域の原住民及び船舶並びに同地域との貿易に対して与えているか、又は将来与える権利及び特権の享受を要求する権利を与えるものと解してはならない。

 以上の証拠として、下名は、この議定書に署名した。

 千九百六十年十二月十八日に東京で、英語により本書二通を作成した。

  日本国のために

     池田勇人

     小坂善太郎

  パキスタンのために

     モハマッド・アユーブ・カーン