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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定を修正補足する議定書 (略称)インドとの租税(所得)協定修正補足議定書

[場所] ニュー・デリー
[年月日] 1969年4月8日
[出典] 外務省,条約集
[備考] 訳文
[全文]

昭和四十四年四月八日 ニュー・デリーで署名

昭和四十五年五月七日 国会承認

昭和四十五年十月十三日 批准の閣議決定

昭和四十五年十月十六日 東京で批准書交換

昭和四十五年十月三十日 公布

(条約第二二号)

昭和四十五年十一月二日 告示

(外務省告示第二二一号及び二二二号)

昭和四十五年十一月十五日 効力発生

 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定を修正補足する議定書

前文

 日本国政府及びインド政府は、

 千九百六十年一月五日にニュー・デリーで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定を修正補足することを希望して、

 次のとおり協定した。

 第一条

協定第一条(1)(a)の修正

 協定第一条(1)(a)中次の改正を行なう。

1 「千九百二十二年のインド所得税法(千九百二十二年の第十一号)」を「千九百六十一年の所得税法(千九百六十一年の第四十三号)」に改める。

2 「、附加税」を削る。

3 「(以下「インドの租税」という。)」の前に「並びに千九百六十四年の法人超過利潤税法(千九百六十四年の第七号)に基づいて課される超過利潤税」を加える。

 第二条

協定第二条(1)(i)の補足

 協定第二条(1)(i)(iii)の次に次のように加える。

補足

(iiia) 一方の締約国の企業は、営業又は事業におけるもつぱら準備的又は補助的な活動としての広告、情報の提供又は科学的調査を行なうことのみを目的として事業を行なう一定の場所を保有する場合には、他方の締約国内に恒久的施設を有するものとされることはない。

 第三条

協定第三条の補足

 協定第三条(4)の次に次のように加える。

(4A) 一方の締約国の企業が他方の締約国からの輸出を目的として行なう単たる商品の購入に限られる活動によつては、いかなる利得も、当該一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設に帰せられることはない。

 第四条

協定第五条の修正

1 協定第五条の規定を適用するにあたり、軽減率は、五十パーセントに代えて五十五パーセントとする。

2 協定第五条(3)中「この協定の署名の日に有効である千九百二十二年のインド所得税法(千九百二十二年の第十一号)第四十四条のA及び第四十四条のB」を「この協定を修正補足する議定書の署名の日に有効である千九百六十一年の所得税法(千九百六十一年の第四十三号)第百七十二条」に、「この脇定の署名の日に有効である前記の所得税法第四十四条のO」を「同議定書の署名の日に有効である前記の所得税法第百七十二条」に改める。

 第五条

協定第十条(a)の修正

 協定第十条(a)の初めに「第三条(4A)の規定を留保して、」を加える。

 第六条

協定第十条(3)(b)の修正

協定第十条(3)(b)を次のように改める。

(b) (a)の控除の適用上、インドの経済開発を促進するための特別の奨励措置であつてこの協定を修正補足する議定書の署名の日に実施されているもの又は現行の措置の修正若しくはこれへの追加としてインドの租税に関する法令に将来導入されることがあるものに従つて軽減又は免除が行なわれなかつたと仮定した場合に支払われるべきインドの租税の額は、納税者によつて納付されたものとみなす。ただし、両締約国の政府が前記の措置により納税者に与えられる特典の範囲について合意を行なうことを条件とする。

 第七条

協定の附属議定書の廃止

 千九百六十年一月五日にニュー・デリーで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定の不可分の一部をなす議定書は、廃止する。

 第八条

批准、効力発生、有効期間及び協議

1 この議定書は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかに東京で交換されるものとする。

2 この議定書は、批准書の交換の日の後三十日目の日に効力を生じ、かつ、

(i)インドにおいては、千九百六十七年四月一日以後に開始する各賦課年度について、

(ii)日本国においては、千九百六十六年一月一日以後に開始する各課税年度について、

適用するものとする。

3 この議定書は、協定が有効である限り効力を有する。ただし、第四条1の規定は、協定が有効である限り、この議定書の適用が開始する日から五年の期間中適用される。この期間の満了にあたり、両締約国の政府は、この期間を合意によつて延長するため相互に協議する。

末文

 以上の証拠として、両締約国の政府の代表者は、各自の政府から正当に委任を受けて、この議定書に署名した。

 千九百六十九年四月八日にニュー・デリーで、英語により本二書二通を作成した。

日本国政府のために

 法眼晋作

インド政府のために

 P・O・セティ

(参考)

 この議定書は、一九六〇年一月五日にニュー・デリーで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とインドとの間の協定(条約集第一四一四号参照)を修正補足するものである。