データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] リヤード宣言

[場所] リヤード
[年月日] 1976年10月18日
[出典] 外交青書21号,120−121頁.
[備考] 
[全文]

1.21日午前6時よりレバノン全域におけるすべての当事者の停戦を実施し,戦闘を完全に終了する。

2.アラブ武装軍を30,000名の範囲内で増強し,レバノン大統領の命令を受ける抑止力とする。その任務は次のとおり。

 (1) 停戦及び兵力引離しの実施確保

 (2) カイロ協定及び右付属の実施

 (3) 武装者の1975年4月13日以前の場所への引揚げ監視

 (4) 各派の責任の下における重兵器(大砲,臼砲,ミサイル等)の取締り及びその監視

 (5) レバノン政府が公共施設の管理を引き取ることの援助及び公共施設の警備

3.レバノンを1975年4月13日以前の正常状態へ復帰する。

4.本首脳会談等アラブ諸国の保証の下でのカイロ協定及び付属を実施する。

  サウディ,エジプト,シリア及びクウェイトより成る委員会が設置され停戦発表後90日以内にレバノン大統領と右協定の実施につき調整を行う。

5.PLOはレバノン主権及び領土的一体性の尊重及び内政への不干渉を再確認する。レバノン政府はPLOの存在及びカイロ協定の範囲内でのレバノン領内での活動を保証する。

6.アラブ諸国は共同してレバノンの主権,領土的一体性を尊重する。

7.アルジェ及びラバト両アラブ首脳会談の合意を再確認し,PLOに代表されるパレスチナ抵抗運動に対する支持を確認する。

8.(1) すべての関係者による敵対宣伝の停止

  (2) 停戦及び平和の実現並びに協力と兄弟愛のための情報活動

  (3) 公式の情報の統一のための努力

9.付属プログラム(省略)が上記諸決定の実施のために決定の不可分の一部を成す。