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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インド祭開会式における竹下内閣総理大臣の挨拶

[場所] 東京・国立劇場
[年月日] 1988年4月15日
[出典] 竹下演説集,226−227頁.
[備考] 
[全文]

 ラジーブ・ガンジー首相閣下、令夫人並びにご列席の皆様に対し、一言ご挨拶を申し上げます。

 まさに春たけなわの佳き日に、ラジーブ・ガンジー首相閣下ご夫妻とそのご一行を我が国にお迎えし、「インド祭」の開会式を盛大にお祝いできますことは、私にとりまして、この上ない喜びであり、大変光栄なことでごさいます。

 このたびの「インド祭」は、ガンジー首相が初めて我が国を訪問された時の両国首脳による合意が実を結んだものであり、日印両国にとりまして歴史的意義を有する大型の文化交流事業であります。

 これから約六か月にわたり、日本の全国各地で、インドの古い歴史と輝かしい伝統を紹介する多彩な行事が繰り広げられ、大きな感銘を与えるものと信じます。

 このような画期的な試みは、日印両国の長い交流の歴史においても、かつて例を見ないことであり、その実現に献身的な努力を傾けてこられたジャヤカール顧問、小山委員長はじめ日印両国の関係各位に対し、改めて深い感謝と敬意を表する次第であります。

 申すまでもなく、我が国は六世紀前半の仏教伝来以降、インドから多くの精神的、文化的恩恵を受けてまいりました。

 私は、衆議院議員として国政にたずさわってまだ間もない一九六一年、インドをはじめとするアジアの国々を歴訪した経験があります。

 この時、初めて接したインドの大きさ、奥深さ、あるいは、たくましい生命力には、圧倒される思いがしたことを、いまなお懐しく感じております。

 その意味でも、今回の「インド祭」は、私たちにとりまして、直接、インドの古い歴史や伝統はもとより、現代から未来へとつながる文化の息吹、そして、人類社会の前途を照らす悠久の哲学や精神に触れることのできる絶好の機会であり、日本国民のインドに対する親近感も一層深まることと確信するものであります。

 すでに、最近の日印関係は、きわめて良好に進展しており、各分野においてますます緊密の度を加えておりますが、「インド祭」が初期の目的を達成し、両国関係が二十一世紀に向けて、さらに大きく発展する礎となるよう念じてやみません。

 私自身も、ガンジー首相と互いに手を携え、力を合わせて、新しい日印友好関係の構築と国際社会の平和と協調のために尽くすという共通の目的に向って誠心誠意努力していきたいと願っております。

 ガンジー首相閣下、令夫人並びにご列席の皆様

 この「インド祭」の主役は、申すまでもなく日印両国の国民であり、お互いの心温まる交流こそ最大の喜びであります。

 私は、その成功と成果を確信し、「インド祭」の開幕を心からお祝いする気持を、この一言に込めてご挨拶を終わります。  

 バーラット ジャパーン キー ミトルター アマルラヘー。

 日印両国の友好よ永遠なれ。