データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インド及びパキスタンの核実験及び北朝鮮ミサイルの発射に関する資料,インドの核実験実施に対する我が国の措置に関する村岡官房長官の談話

[場所] 
[年月日] 1998年5月13日
[出典] 外交青書42号,361頁.
[備考] 
[全文]

1.11日、インドが核実験禁止の流れに逆行して、核実験を行ったことは極めて遺憾である。わが国は、12日、小渕外務大臣よりシン在京インド大使を招致し、この遺憾の意と共に核開発の早期停止をインド側に申し入れたところである。

2.今般のインドによる核実験実施は、核兵器の無い世界を目指す国際社会全体の努力に対する挑戦であり、全く容認できないものである。インドに対しては核実験の即時停止と、NPT及びCTBTへの早期加入を改めて求めたい。

3.このため政府としては、ODA大綱原則に鑑み、以下の措置を講ずることとした。

(1)対インド無償資金協力については緊急・人道的性格の援助及び草の根無償を除き新規の協力は停止する。

(2)対インド円借款については、今後のインド側の対応を見て、我が国政府の具体的方針を決定する。

(3)本年6月30日〜7月1日に対インド支援国会合(IDF)が世銀主催の下に東京で開催されることが予定されていたところ、わが国政府としては、東京開催招致を見合わせたい旨世銀に申し伝える。

4.また、インド向けの大量破壊兵器関連品目等の輸出については、厳格な審査を堅持していく。