データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インド及びパキスタンの核実験及び北朝鮮ミサイルの発射に関する資料,インドによる第二回核実験実施を踏まえたわが国の措置に関する村岡官房長官の談話

[場所] 
[年月日] 1998年5月14日
[出典] 外交青書42号,361−362頁.
[備考] 
[全文]

1.13日、インドが新たに2回の核実験を実施したことは極めて遺憾であり、わが国としてはこれを重大に受け止め、インドに対し改めて核実験及び核開発の停止を強く申し入れたところである。この新たな事態に鑑み、13日の自分のコメントにもあるとおり、我が国政府としてはODA大綱の趣旨を踏まえ更なる措置につき検討せざる得ない状況に至ったが、今般、更に以下の措置を取ることとした。

(1)インドに対する新規円借款の停止。

(2)国際開発金融機関による対インド融資については慎重に対応する。

2.なお、わが国は、この新たな事態を踏まえ、今後の対応を協議するため平林駐インド大使を一時帰国させることとする。また、わが国政府は来るバーミンガム・サミットの場において、インドに対し不拡散体制への参加に前向きに取り組むよう強く働きかけるよう呼びかけることとする。