[文書名] 日印首脳共同声明 〜共通の成長・繁栄・強靱性のための戦略的方向性を共有する信頼のパートナーシップ〜
1 ナレンドラ・モディ・インド首相の招待により、2026年7月1日から3日まで、高市早苗日本国総理大臣は、第16回日印年次首脳会談のため、インドを公式訪問した。高市総理には、政府高官、企業の代表取締役、産業界のリーダーを含むハイレベルの代表団が同行した。これは高市総理にとって初のインドへの公式訪問となった。
2 両首脳は、前回の年次首脳会談以来の進展を確認し、日印特別戦略的グローバル・パートナーシップを一層強化するための幅広い協力分野について議論した。両首脳は、両国間のこのような戦略的かつグローバルな協力を強化することが双方にとり有益であり、強靱で繁栄したインド太平洋及びそれを越えた地域に寄与することを認識した。
3 一層不安定で不確実性の高まる地政学的環境において、日印パートナーシップが持つ戦略的な重要性を認識し、両首脳は、相互補完的な関係を発展させるとのコミットメントを再確認した。第15回日印年次首脳会談の成功を踏まえて、両首脳は、三つの優先分野、即ち1防衛・安全保障協力、2経済安全保障、エネルギー強靱性、科学技術及びイノベーションを含む経済連携、3人的交流に基づき、協力を前進させることで一致した。両首脳は、日本とインドが、それぞれの国益を実現するための取組において自然で不可欠なパートナーであるとの認識で一致した。
4 両首脳は、主要な民主主義国及び主要経済国として、両国には自由で開かれた、法の支配に基づく国際秩序を形作り、維持する責務があることを改めて強調した。この目的のため、モディ首相は、進化版「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を歓迎し、それがインド太平洋海洋イニシアティブ(IPOI)及び諸地域間の相互的かつ包括的推進による安全保障と成長(MAHASAGAR)と緊密に整合している旨共有した。両首脳は、共通の戦略的展望に基づく具体的協力を更に深化させるとのコミットメントを再確認した。
5 両首脳は、両国の防衛・安全保障協力が上昇軌道に乗っていることにつき深い満足の意を表明し、前回の年次首脳会談において発表された日本国とインド
との間の安全保障協力に関する共同宣言に基づき、協力を深化させることへのコミットメントを再確認した。両首脳は、本年中に東京で第4回日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を開催するよう両国の閣僚に指示した。両首脳は、日本側では二軍種の支援を得て成功裏に行われた日印共同訓練「JAIMEX25」を含む、各軍種間の協力において達成された進展を歓迎した。インドは、ヴィシャカパトナムで開催されたインド海軍主催国際観艦式「IFR2026」への日本の参加を歓迎した。両首脳は、訓練の強化、衛星能力を活用した海洋状況把握、海軍艦艇の整備・修理・オーバーホール(MRO)協力、「メイク・イン・インディア」の枠組みの下での防衛装備・技術協力を通じて、海洋安全保障協力を深化させることで一致した。
6 モディ首相は、日本による防衛装備移転三原則の見直しを歓迎し、それが両国間の防衛パートナーシップを更に深化させることへの期待を示した。両首脳は、艦艇搭載用複合通信空中線(UNICORN)プロジェクトに関して、残る技術的詳細部分につき大枠合意に達したことに満足の意を示した。両首脳は、プロジェクトの早期完了への期待を表明し、防衛装備・技術分野における他のプロジェクトの具体化のための方法を探ることで一致した。
7 両首脳は、現下の国際情勢において、両国が経済安全保障の分野における実質的な協力の更なる促進を求められていることを認識した。両首脳は、経済安全保障に関する協力を深化させ、強靱で繁栄した地域を支えるための重要なイニシアティブを発展させることにコミットした。両首脳は、サプライチェーンの混乱につながるおそれのある、特に重要鉱物及び重要産業部門に対する恣意的な輸出制限及び価格操作を含む、経済的威圧及び非市場的政策・慣行(NMPPs)の使用への深刻な懸念を改めて表明した。両首脳は、多様化された、強靱で信頼性のあるグローバル・サプライチェーン及び公正で競争的なグローバル環境の重要性、並びにいかなる単一の国への依存も回避する必要性を強調した。両首脳は、規制及び関連するルールを尊重しつつ、重要技術の促進と保護に取り組むとのコミットメントを再確認した。双方は、輸出管理上の課題に相互に対処しつつ、高度技術貿易を更に保護すべく取り組むことにつき同意した。さらに、両首脳は、この関連で両国の関係省庁間の協議を行っていくことを決定した。両首脳は、前回の年次首脳会談で立ち上げられた経済安全保障イニシアティブに基づき、今年開催された第1回日印民間経済安全保障対話及び第2回日印経済安全保障対話を含む、両国が成し遂げた前進を評価した。両首脳は、半導体、重要鉱物、情報通信技術、クリーンエネルギー、医薬品の主要分野におけるプロジェクトベースの連携を更に推進するため、経済安全保障協力に関する日印共同宣言を発表した。
8 世界のエネルギー市場の変動によって影響を受ける主要なエネルギー消費国としての共通の立場を認識し、両首脳はエネルギー安全保障に関する日印協力を深化させる緊急性を強調した。両首脳は、ホルムズ海峡におけるものを含む、妨げられない航行の自由及びグローバルな通商の流れを確保すること、並びに商船の流れを妨げるいかなる制限的措置にも反対することの重要性を改めて強調した。両首脳は、エネルギーのバリューチェーン全体にわたる協力拡大の見通しを歓迎した。両首脳は、エネルギーのサプライチェーンの強靱性を高め、世界のエネルギー市場の安定を促進するために、二国間及び多国間のプラットフォームを通じて協力するコミットメントを再確認した。
9 両首脳は、海洋エネルギー輸送バリューチェーン全体にわたり、共同投資を含め連携する機会を模索することで一致した。両首脳は、日本のアジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(パワーアジア)、インドによる南アジアのエネルギー安全保障への支援、インド太平洋エネルギー安全保障に関する日米豪印イニシアティブ等、エネルギー強靱性を強化するための地域イニシアティブの重要性を強調した。両首脳は、エネルギー強靱性の協力文書の発表を歓迎した。両首脳は、また、戦略備蓄エコシステムに関するベストプラクティスの交換及び技術連携を通じたものを含む、戦略石油備蓄に関する協力の強化につき一致した。これを背景に、高市総理は、インドの国際エネルギー機関(IEA)への参加を支持することを確認した。
10 両首脳は、クリーンエネルギー分野におけるパートナーシップを前進させることで一致し、インドにおける1,000基のバイオガスプラント及び有機肥料プラントの設置というインドの目標に照らしてバイオガス生産を拡大するための、日印成長のための協力バイオガス(CBG)イニシアティブの立上げを、日印協力の新たなプロジェクトとして評価した。両首脳は、経済産業省とインド協同組合省及び水産、畜産・酪農省畜産酪農局との間で協力覚書(MoC)が署名されたことを歓迎した。両首脳は、水素とアンモニアが脱炭素のみならずエネルギー安全保障の強化にとっても重要であることを認識した。両首脳は、両政府の継続的な支援の下、オディシャ州における画期的なクリーンアンモニア・プロジェクトを推進することを確認した。また、クリーンアンモニア、グリーン水素、太陽光発電(PV)技術、原子力エネルギー等の分野でクリーンエネルギー・プロジェクトを推進することの重要性を認識した。
11 両首脳は、AIを含む新技術におけるイノベーションの促進が、協力の基盤を更に広げる上で極めて重要であるとの点で一致した。両首脳は、AIにおける国家の能力を強化し、信頼性の高い強靭なデジタルインフラ整備に関する協力を強化する必要性につき一致した。両首脳は、広島AIプロセス及びAIインパクト・サミットのニューデリー宣言の精神に則り、機会を活用しつつも、関連するリスクを適切に低減し、強靱で機動的で多様性があり信頼できるAIサプライチェーンを確保しつつ、ハードインフラの分野を含め、AI技術の活用及び応用を通じて、AIの持続可能で包摂的な発展のためにイノベーションを促進する必要性を確認した。こうした文脈から、両首脳は第1回日印AI戦略対話の開催を歓迎し、日印AI協力イニシアティブの下での進展を更に積み上げるため、AI分野における協力に関する共同声明を発表した。
12 両首脳は、日本からインドへの民間投資の増加を歓迎し、インドの国家目標であるヴィクシット・バーラトへのその貢献を認識した。両首脳は、前回の年次首脳会談で設定された10兆円目標の実現に向けた進展を評価した。両首脳は、日印産業競争力パートナーシップ(IJICP)の下でのファスト・トラック・メカニズムを活用することで投資環境の強化に向けて取り組むことにつき一致した。日印が包括的経済連携協定(CEPA)に署名してから15年以上が経過していることに留意し、二国間貿易を強化し、多様化する必要性を認識しつつ、双方は、CEPAについて、より将来を見据えたものにすべく、その実施及び完全かつ効果的な活用に関する検討を加速化することにつき一致した。日本側は、適用可能な法律及び規制に従って、インドの銀行及び非銀行金融セクターにおけるプレゼンスを強化するために、日本の主要金融機関及び銀行に対して提供された円滑化措置を認識した。両首脳は、日印産業競争力パートナーシップ(IJICP)の下で、物流、繊維、食品加工、農業、自動車、産業用資本財における協力を強化する二国間の取組を支持した。また、両首脳は、現地通貨取引を含む二国間の金融協力及び決済システムに関する連携の強化の重要性を再確認した。さらに、両首脳は、医薬品サプライチェーンを含むヘルスケア分野における協力強化の重要性を認識した。
13 両首脳は日印中小企業フォーラムの立上げと、日本からインドへの航空分野の中小企業ミッションの訪問を歓迎した。両首脳は、ビジネス環境の改善及び日印の企業、特に中小企業やスタートアップのためのネットワーク強化に向けた様々な取組が着実に進展していることを歓迎した。日印スタートアップ支援イニシアティブ(JISSI)を土台として、両首脳は、様々な大学と連携して、日本の中小企業及びスタートアップのインド市場への参入を更に促すとの意向を表明した。両首脳はまた、零細・中小企業のより大きな参画と、日本企業とインドのティア2及びティア3のサプライヤー・エコシステムとの連携の重要性を強調した。こうした文脈で、両首脳は、より大きな投資の流入、産業協力、技術パートナーシップを支援するとのコミットメントを再確認した。
14 両首脳は、日本の開発協力支援がインドの社会経済発展に大きく貢献していることに満足の意をもって留意した。両首脳は、ムンバイメトロ(11号線)、ベンガルール・メトロ(フェーズ3)、マハラシュトラ州の医療及び教育、パンジャブ州の持続可能な園芸農業の4つの案件にかかる最近の進展を歓迎した。これらは、連結性強化及びクリーンで持続可能な社会経済発展の促進に寄与する。両首脳は、経済成長の共創に資する形で開発協力を推進する意向で一致した。
15 両首脳は、ムンバイ・アーメダバード高速鉄道事業の日印間の旗艦プロジェクトとしての重要性を再確認した。高市総理は、日本が、優先区間における2027年の商業運行開始というインドの目標を十分に理解し、必要な協力を行うことに引き続きコミットしていると述べた。両首脳は、E10の導入という目標を確認した。両首脳は、インド全国7,000キロもの高速鉄道網のインドのビジョンを実現するため、将来の高速鉄道路線における協力の可能性を探る意思を表明した。モディ首相は、将来の高速鉄道路線開発への日本企業の参加を招請し、またそうした参入を促進する意思を表明し、日本側はこれを歓迎した。両首脳は、また、日本の先進的モビリティ技術とインドの優れた人材・市場潜在力を結びつけることを目指し、高速鉄道及び包括的モビリティにおける民間主導の協力及び投資を加速する点で一致した。この目的に向けて、両首脳は両国間で次世代モビリティ・パートナーシップに関する協力覚書が署名されたことを歓迎した。両首脳は、また、人材連携を含む造船分野における協力の重要性を認識した。
16 両首脳は、先端科学技術分野における協力と交流が二国間関係の主要な柱であることを強調した。この関連で、両首脳は、学術機関間の共同研究の進行、両国の科学者・研究者の相互訪問、日本企業でのインターンシップ機会を通じた産学連携に満足の意をもって留意した。両首脳は、科学技術振興機構(JST)が実施するLOTUSプログラム及びさくらサイエンスプログラムの下で受け入れられる優秀なインド人材の増加、並びにインド科学技術庁(DST)による日本の高校生招へいについて留意した。両首脳はまた、インド科学技術庁(DST)と日本学術振興会(JSPS)との日印共同科学プログラム(IJCSP)、国費外国人留学生制度及び大学の世界展開力強化事業等のプログラムを通じて、学生及び大学間交流を更に促進していくことの重要性を強調した。両首脳は、インド宇宙研究機関(ISRO)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の間で進行中の月極域探査機(LUPEX)プロジェクトの進捗を満足の意をもって確認した。両首脳は、インド科学技術庁(DST)と日本の内閣府の間で最近署名された量子技術に関する協力趣意書(LoI)の署名を歓迎した。
17 両首脳は、両国間の頭脳循環が双方の課題に対処する相互補完的な関係を構成していることを想起し、人的交流を更に促進するコミットメントを再確認した。両首脳は、日本語パートナーズ派遣事業を通じたものを含む、インドにおける日本語教育のこれまでの進展を評価し、インドにおける日本語教育の更なる促進を確認した。両首脳は、両国間の訪問者が2025年に54万人に達したことを歓迎し、双方向の観光を促進するとのコミットメントを確認した。両首脳は、継続中の組織的及び人的つながりを深めることを目的とした両国間の知的・文化交流が継続していることを評価した。両首脳は、特に若者の間で、アニメ、漫画、ゲーム、映画といったコンテンツ産業が果たす重要な役割を強調した。観光を含め、人的交流が増加していることを認識し、双方は関係当局間で領事分野における対話を促進することの重要性を確認した。
18 両首脳は、両国間の経済的・人的つながりの深化において、インドの州と日本の都道府県及び市町村が果たす重要な役割を認識した。両首脳は、日印友好交流促進知事ネットワークの設立、山梨県とウッタル・プラデーシュ州、富山県とアンドラ・プラデーシュ州、静岡県とグジャラート州、浜松市とアーメダバード市、和歌山県とマハラシュトラ州、山陰地域とケーララ州、愛媛県とタミル・ナドゥ州、福岡県とデリー準州、北九州市とテランガナ州の間の最近のハイレベル協力を含む、地域レベルでの交流の拡大を歓迎した。
地域の課題及び地球規模課題
19 進化したFOIP及び「アクト・イースト政策」を踏まえ、強靱で繁栄するインド太平洋を実現するため、両首脳はインド北東部(NER)の戦略的重要性を強調した。モディ首相は、道路網、橋梁、ヘルスケアにおける社会インフラ、森林管理、災害リスク軽減分野における、この地域のハード、ソフト、人的連結性の強化に対する日本の強力な支援を評価した。両首脳は、半導体及びバイオ燃料分野、並びに技能開発、日本語教育及び人材交流における日印企業による活発な経済活動を歓迎した。両首脳は、関係するパートナーやBIMSTECを含む地域機関と緊密に連携し、NERとベンガル湾地域を結ぶ「産業バリューチェーン」の発展に取り組むという共通のコミットメントを再確認した。両首脳はまた、2026年2月にメガラヤ州シロンで第6回「北東州知的対話」が成功裏に開催されたことを認識した。両首脳は、アクト・イースト・フォーラム(AEF)の次回会合を早期に開催することの重要性につき一致した。
20 強靱で繁栄したインド太平洋という共通目標に向け、両首脳は同志国の間での協力を進めるというコミットメントを改めて表明した。両首脳は、日米豪印の枠組みの下での着実な進展を歓迎し、実践的な協力を強化するという共通のコミットメントを再確認した。両首脳は、海洋・越境安全保障、重要鉱物を含む経済的繁栄・経済安全保障、重要・新興技術及び人道支援・緊急対応という4つの柱における日米豪印の連携の重要性を強調した。両首脳は、これらの分野における二国間協力の高まりが日米豪印の取組を更に強化し補完することに留意した。両首脳は次回の日米豪印首脳会合の早期開催に向け協力するとのコミットメントを再確認した。両首脳はまた、地域の強靱性を強化し、平和、安定及び繁栄を促進するため、ASEAN加盟国との協力の重要性を強調した。この文脈で、両首脳はフィリピンとの間で第1回日印比トラック1.5政策対話の開催に向けた準備を開始することで一致した。両首脳はASEAN中心性及び一体性に対する強い支持、並びに「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」に対する揺るぎない支持を改めて表明した。さらに、両首脳は、世界銀行グループの強靱で包摂的なサプライチェーンの強化(RISE)パートナーシップやアジア開発銀行の重要鉱物から製造業への移行に向けたファイナンス・パートナーシップ・ファシリティ(CMM―FPF)イニシアティブといった国際開発金融機関を通じた取組を含め、同志国間における重要鉱物のサプライチェーンの強化に向けた協力の重要性を強調した。
21 両首脳は、東シナ海及び南シナ海の情勢に深刻な懸念を表明した。両首脳は、航行・上空飛行の自由及び安全を妨げるあらゆる一方的な行動、並びに力又は威圧による現状変更の試みに対する強い反対を改めて表明した。両首脳は、係争地形の軍事化が進んでいることに関して深刻な懸念を共有した。両首脳は、海洋に関する紛争は、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映されている国際法に従って平和的に解決されなければならないことを再確認した。
22両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル計画に対する深刻な懸念を共有した。両首脳は、関連する国連安全保障理事会決議(以下「国連安保理決議」という。)に従った北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認した。両首脳は、地域内外における北朝鮮への及び北朝鮮からの核・ミサイル技術の拡散に関する継続的な懸念に対処する重要性を強調した。両首脳は、全ての国連加盟国に対し、全ての武器及び関連物資の北朝鮮への移転又は北朝鮮からの調達の禁止を含め、制裁の履行という国連安保理決議の下での国際的な義務を遵守するよう強く求めた。両首脳は、拉致問題の即時解決の必要性を再確認した。
23 両首脳は、ミャンマー情勢及びその地域的影響につき引き続き懸念している。両首脳は、敵対行為の即時停止及びミャンマー主導・ミャンマー主体の平和的かつ持続的解決に向けた全ての関係者による包摂的な対話に適した環境の醸成を改めて要請した。
24 両首脳は、中東における持続的な和平と安定に対するコミットメントを改めて表明した。イランをめぐる情勢について、両首脳は、ホルムズ海峡の自由で安全な航行の確保、エネルギー及びその他の必需品の安定したサプライチェーンの維持、そして国際法、特にUNCLOSに反映された国際法の遵守の重要性を強調した。両首脳は、ガザ再建のための「包括的計画」を前進させること及び「二国家解決」を確実にするというコミットメントの必要性を強調した。両首脳は、地域において、可能な限り早期に安定を回復し、永続的な和平を実現するために、継続的な外交努力が不可欠であることを再確認した。
25 両首脳は、インド・アフリカ・フォーラム・サミット(IAFS)の枠組、日本のアフリカ開発会議(TICAD)及びインド洋・アフリカ経済圏イニシアティブで示された方向性を踏まえ、アフリカにおける協力を推進するというコミットメントを再確認した。このため、両首脳は、貿易と投資のための産業ハブを確立し「アフリカの持続可能な経済発展のための日印協力イニシアティブ」を前進させるための、「アフリカにおける日印協力拡大に向けた戦略的展望」の策定及びインドにおける産業の集積を歓迎した。両首脳は、これらのイニシアティブの相乗効果に基づく具体的協力を更に推進するというコミットメントを改めて表明した。
26 両首脳は、国連憲章を含む国際法に従った、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和を支持する旨表明した。両首脳はまた、様々な国による公正かつ永続的な平和の実現のために継続中の外交努力を歓迎した。
27 マルチの場において、両首脳は、現在の地政学的現実をより反映するため、多数の国連加盟国が支持する、常任及び非常任理事国カテゴリーの双方の拡大を含む、安保理改革の早期実現に向け、他のG4諸国と緊密に協力するというコミットメントを改めて表明した。両首脳は、特に政府間交渉の枠組みの下でテキストベース交渉開始を通して、特定の時間枠内で具体的な成果を達成することを全体の目標として、国連安保理改革を加速させる決意を表明した。両首脳は、改革された国連安保理における常任理事国議席の候補として互いの立候補を相互に支持する意向を表明した。両首脳はまた、2028-29年及び2033-34年の非常任理事国議席に関し、日本とインドがそれぞれの立候補に対する相互支持について了解に達したことに感謝の意をもって留意した。両首脳はまた、変化する世界におけるグローバル・ガバナンスに貢献する国連の効率性と実効性を高めるための国連改革の必要性を強調した。
28 モディ首相は、事前防災投資や、「より良い復興」等の仙台防災枠組2015-2030の精神及び原則を継承するとの意図を有して、2030年に第4回国連防災世界会議をインドで開催することに対する日本の支持を歓迎した。両首脳は、2027年に仙台で開催されるアジア太平洋防災閣僚級会議も通じた防災分野における協力を継続することにコミットした。両首脳は、アフリカ、アジア及び中東・西アジア等の地域情勢及び国連改革、宇宙、サイバーセキュリティ及び海洋分野、気候変動、テロ、北極を含むマルチのアジェンダ並びに政策企画に関する外務当局間の政策協議を更に強化することで一致した。
29 両首脳は、パキスタンからの国境を越えたテロを含む、あらゆる形態及び態様による全てのテロと暴力的過激主義を、断固として強力に非難した。両首脳は2025年4月22日にジャンム・カシミールのパハルガムにおけるテロ攻撃を、最も強い言葉で非難し、抵抗戦線(TRF)に言及している2025年7月29日の国連安保理モニタリング・チーム報告書に留意した。両首脳はまた、2025年11月10日にデリーで発生したテロ事件を最も強い言葉で非難した。両首脳は、この非道な行為の実行者、首謀者及び資金提供者が遅滞なく裁きにかけられることを求めた。また、アル・カーイダ、ISIL/ダーイシュ、ラシュカレ・タイバ(LeT)、ジャイシュ・エ・ムハンマド(JeM)を含む国連が指定する全てのテロ組織及びそれらの代理グループに対する協調行動を求め、テロリストの安全な逃避地を根絶し、テロ資金の経路や越境犯罪とのつながりを排除し、テロリストの国境を越えた移動を阻止するために毅然とした対応をとるよう呼びかけた。
30 両首脳は、様々な分野における日印協力を前進させる上で、年次首脳会談のメカニズムが重要であることを再確認した。両首脳は、来年を日印「共通の地平」の年として、両国の国交樹立75周年を記念し、特別戦略的グローバル・パートナーシップを更に強化し、人的つながりを深化させるとのコミットメントを新たにした。
31 高市総理は、今回の訪問に際するもてなしに対してモディ首相に感謝し、来年の第17回年次首脳会談のために日本を訪問するようモディ首相を招待し、モディ首相はこれを快く受け入れた。
ニューデリー
2026年7月2日