[文書名] 特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定
特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定
日本国政府及びアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会(以下「合衆国委員会」という。)は、千九百五十五年十一月十四日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(将来改正され又はこれに代るものを含む。)に基く特殊核物質の賃貸借に関し、同協定に含まれるすべての条件、規定及び保証に従つて、次のとおり協定する。
第一条
合衆国委員会は、日本国茨城県那珂郡東海村日本原子力研究所に設置されるノース・アメリカン航空会社製の溶液型研究用原子炉の操作における使用のため、同位元素U-二三五を十九・五パーセントから二十パーセントまでの間に濃縮した約十キログラムのウラン、すなわち、二キログラムのU-二三五を含むウランであつて原子炉用物質を製造するため日本国政府が雇用する契約者がアメリカ合衆国において製造する同物質に含まれるものを同政府に賃貸することにここに同意する。合衆国委員会は、さらに、たまたま喪失され又は破壊された相当の量の原子炉用物質の代替に必要な追加量の同位元素U-二三五を十九・五パーセントから二十パーセントまでの間に濃縮したウランを日本国政府の要請に基き同政府に賃貸することにここに同意する。
第二条
A 合衆国委員会は、前記の原子炉のための原子炉用物質をアメリカ合衆国において製造するため日本国政府が雇用した契約者から同政府が確認した要請を受理した日の後百二十日以内に、同物質を製造するために必要な量の同位元素U-二三五を十九・五パーセントから二十パーセントまでの間に濃縮したウランを、六弗化ウランの形状で、同委員会の施設において同契約者に引き渡すものとする。契約者に対する引渡は、合衆国委員会が同契約者について要求する料金及び条件(原子炉用物質を受領し、かつ、アメリカ合衆国において製造作業を行うために必要な許可を含む。)に従わなければならない。
B 日本国政府及び合衆国委員会は、同政府が雇用する契約者が原子炉用物質を製造する過程において、同政府及び同委員会が選定する分析者によるアメリカ合衆国における分析のため試料を取り出す時点について合意するものとする。その製造された物質の濃縮度は、その分析の結果によつて定められる。分析の費用は、日本国政府及び合衆国委員会が均等に分担するものとする。その原子炉用物質の量については、同物質を製造した契約者が日本国政府及び合衆国委員会に証明するものとする。
C 日本国政府が雇用した契約者が前記の原子炉のための原子炉用物質の製造を完了したときは、同契約者は、同政府及び合衆国委員会に対する三十日の予告の後、同物質を同委員会が同政府と協議の上指定するアメリカ合衆国内の積出港に送付しなければならない。その場合、合衆国委員会は、指定港におけるその原子炉用物質の日本国政府への引渡のため及び輸出の実施のため必要な措置を執るものとする。合衆国委員会は、その原子炉用物質をその契約者から日本国へ積み出す費用については、責任を負わない。
D 前記の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの輸出地における日本国政府による受領は、適当な受領証によつて証明されるものとする。日本国政府は、その後は、前記の協力のための協定の規定に基くその濃縮ウランの保全並びに同濃縮ウランのあらゆる喪失及び破壊(原因のいかんを問わない。)について並びに健康及び安全の危険に対する保護措置について全責任を負うものとする。
E 日本国政府は、千九百六十年九月三十日までに(別段の合意がある場合を除く。)、かつ、いかなる場合にもこの協定が終了した時に、この協定に基いて同政府が賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を、適当な放射能的冷却の後、合衆国委員会が受諾する健康及び安全の危険に対する適当な保護措置に従つて、同委員会が同政府と協議の上指定するアメリカ合衆国内の到着港に同政府の負担において送付するものとする。その場合、合衆国委員会は、その原子炉用物質を再処理するため受領することに同意しないときは(同意したときは、日本国政府は、合衆国委員会に対しその原子炉用物質を同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状に再処理するための料金を支払い、かつ、同物質を再処理する同委員会の施設への同物質の輸送の費用を支払うことに同意する。)、同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状にアメリカ合衆国において再処理するため日本国政府が雇用する契約者への指定港における同物質の輸入及び引渡に必要な措置を執るものとする。契約者に対する引渡は、合衆国委員会が同契約者について要求する料金及び条件(原子炉用物質を受領し、かつ、アメリカ合衆国において再処理作業を行うために必要な許可を含む。)に従わなければならない。合衆国委員会は、その原子炉用物質を日本国からその契約者へ積み出す費用については、責任を負わない。
第三条
日本国政府は、同政府が原子炉用物質を製造するため雇用する契約者が製造する同物質に含まれる同位元素U-二三五を十九・五パーセントから二十パーセントまでの間に濃縮したウランの賃借に対し、次に定める料金の合計金額を次に定める時に合衆国通貨で合衆国委員会に支払うものとする。
(a) この協定に基いて賃借される濃縮ウランであつて日本国政府が雇用する契約者が製造した原子炉用物質に含まれるものにつき、同物質に最初に含まれている濃縮ウランの価額の年率四パーセントの使用料。その使用料は、その原子炉用物質が日本国政府に引き渡された日から、
(1) 同物質が、アメリカ合衆国に返還され、かつ、合衆国委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状への同物質の再処理及び再処理された同物質の同委員会への送付のため同政府が雇用する契約者に引き渡される日又は
(2) 同委員会がアメリカ合衆国に返還された同物質を再処理のため受領することに同意した場合は、その再処理が完了した時若しくは同委員会がその再処理のため妥当であると決定する期間が満了した時のいずれか早い時までのものとする。
(b) (1)原子炉用物質に最初に含まれ、かつ、この協定に基いて賃借される濃縮ウランの量及び濃縮度から決定される価額と(2)アメリカ合衆国に返還される同物質に含まれるウランの量及び濃縮度から決定される価額との差に等しい消耗及び濃縮度低下補償の料金。返還される原子炉用物質に含まれるウランの量及び濃縮度は、同物質がアメリカ合衆国に返還された後妥当な期間内に、日本国政府及び合衆国委員会が選定する分析者がアメリカ合衆国において行う同物質の証明された分析の結果又は合意される他の方法によつて決定される。その分析の費用は、日本国政府及び合衆国委員会が均等に分担するものとする。
(c) この条の規定の適用上、日本国政府に引き渡されるそれぞれの量の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの価額は、合衆国委員会が設定した各種の濃縮度の同位元素U-二三五を含むウランの価額の表であつて当該物質が同政府に引き渡された時に実施されているものに従つて決定されるものとする。アメリカ合衆国に返還されるそれぞれの量の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの価額は、当該物質が日本国政府に引き渡された時に同物質に含まれる濃縮ウランに適用された価額の表に従つて決定されるものとする。引き渡され又は返還された原子炉用物質に含まれるウランの濃縮度が価額の表中の二の連続した濃縮度の間にあるときは、当該濃縮度に対する価額は、それらの二の濃縮度の間の直線内挿法によつて決定されるものとする。
(d) 使用料は、年払いとする。消耗料及び濃縮度低下補償料は、日本国政府が前記の証明された分析の結果を受領した日から三十日以内に支払われるものとする。合衆国委員会が返還された原子炉用物質を同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状に再処理することに同意したときは、同委員会の再処理料及び同物質の到着港から再処理施設への輸送のため生じた同委員会の費用は、同委員会からそれらの料金及び費用の請求書を日本国政府が受領した日の後三十日以内に支払われるものとする。
第四条
日本国政府は、この協定に基いて賃借する原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの生産若しくは製造、所有、賃借又は占有及び使用から生ずる原因のいかんを問わないすべての責任(第三者に対する責任を含む。)について、その濃縮ウランが合衆国委員会から同政府に引き渡された後は、アメリカ合衆国政府及び同委員会に対しその責任を免かれさせ、かつ、損害を与えないようにするものとする。
第五条
アメリカ合衆国議会の議員若しくは準州代表又は同国の属領代表は、同国の法律に従い、この協定のいかなる部分にも、また、それから生ずるいかなる利益にも関与し又は参加することができないものと了解される。
第六条
この協定は、日本国がその国内法上の手続に従つてこの協定を承認したことを通知する日本国政府の公文を合衆国委員会が受領した日に効力を生じ、千九百五十五年十一月十四日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(将来改正され又はこれに代るものを含む。)の期間が満了し、又は同協定が廃棄されるまで効力を存続する。
以上の証拠として、この協定の当事者は、正当な権限によりこの協定に署名させた。
千九百五十六年十一月二十三日にワシントンで、日本語及び英語により本書二通を作成した。
日本国政府のために
谷正之
アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会のために
ハロルド・S・ヴァンス
交換公文
昭和三一年一一月二三日ワシントンで
日本国大使から合衆国委員会委員長代理にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に言及し、同協定を締結するための交渉において到達された次の了解を述べる光栄を有します。
1 合衆国原子力委員会(以下合衆国委員会という。)は、同委員会が前記の協定第二条Aの規定に従つて六弗化ウランを日本国政府が雇用した契約者に引き渡す時に、引き渡す六弗化ウランの濃縮度及び純度を同契約者に通告し、かつ、その通告の写を日本国政府に送付するものとする。その契約者に引き渡された六弗化ウランの量、濃縮度及び純度が同契約者と合衆国委員会との間の契約に掲げる仕様に合致しなかつたときは、アメリカ合衆国政府の責任及び補償義務は、同委員会が、その六弗化ウランの返還に対し、同委員会の施設において同仕様に合致する六弗化ウランを引き渡すため合理的な努力を払い、かつ、同仕様に合致しない六弗化ウランの同委員会への返還のため生じた荷造及び輸送のための同契約者の合理的な費用を払いもどすことのみに限定されるものとする。
2 日本国政府は、溶液型研究用原子炉における使用のため賃借する濃縮ウランを含む原子炉用物質の中に生ずるプルトニウム又は副産物が少量であるので、それらの物質についてクレディット又は支払を認められないことが了解され、かつ、合意される。ただし、その了解は、前記の協定の場合についてのみ日本国政府が同意するものであり、将来締結されることがある賃貸借に関する協定におけるこの問題に関する同政府の立場を害するものではない。
3 前記の協定第二条B及び第三条(b)は、両政府が溶液型研究用原子炉における使用のため日本国政府が賃借する濃縮ウランの分析を行う分析者を選定することを定めている。同協定の両当事者は、必要な分析を行うことができる商業的分析者の利用の可否を確認する十分な時間がなかつたので、事前に特定の分析者について合意することなく、分析者の選定に関する規定を設けた。分析が必要となつたときに、その業務を行う商業的分析者を利用することができないかもしれないことが認められる。
したがつて、分析が行われるべきときに、満足な商業的分析者を利用することができない場合には、両当事者は、合衆国の民間の機関が操作する合衆国委員会の施設であつて適当な設備を有するものにおいて必要な分析を行わせるため、その施設を操作するそれらの機関の一を選定することに同意すべきことが、了解され、かつ、合意される。現在におけるそれらの機関の例は、次のとおりである。
(1) テネシー州オーク・リッヂのオーク・リッヂ国立研究所及びケンタッキー州パドゥカの施設を操作するユニオン・カーバイド原子核会社
(2) オハイオ州ポーツマスの施設を操作するグッドイヤー原子力会社
(3) ワシントン州ハンフォードの施設を操作するジェネラル・エレクトリック会社
(4) イリノイ州レモントのアルゴンヌ国立研究所を操作するシカゴ大学
4 前記の協定第五条の規定に関し、同条は、日本国政府がその同意なしでアメリカ合衆国の裁判所の管轄に服することを意味することを目的とするものではないことが了解される。
貴下が前記の了解を確認されれば幸いであります。
千九百五十六年十一月二十三日
日本国大使
谷正之
合衆国原子力委員会委員長代理
ハロルド・S・ヴァンス貴下
合衆国委員会委員長代理から日本国大使にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本職は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関するアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の協定に関する本日付の閣下の書簡に言及いたします。その書簡において、閣下は、ある事項に関する閣下の次の了解を述ベられました。
1 合衆国原子力委員会(以下合衆国委員会という。)は、同委員会が前記の協定第二条Aの規定に従つて六弗化ウランを日本国政府が雇用した契約者に引き渡す時に、引き渡す六弗化ウランの濃縮度及び純度を同契約者に通告し、かつ、その通告の写を日本国政府に送付するものとする。その契約者に引き渡された六弗化ウランの量、濃縮度及び純度が同契約者と合衆国委員会との間の契約に掲げる仕様に合致しなかつたときは、アメリカ合衆国政府の責任及び補償義務は、同委員会が、その六弗化ウランの返還に対し、同委員会の施設において同仕様に合致する六弗化ウランを引き渡すため合理的な努力を払い、かつ、同仕様に合致しない六弗化ウランの同委員会への返還のため生じた荷造及び輸送のための同契約者の合理的な費用を払いもどすことのみに限定されるものとする。
2 日本国政府は、溶液型研究用原子炉における使用のため賃借する濃縮ウランを含む原子炉用物質の中に生ずるプルトニウム又は副産物が少量であるので、それらの物質についてクレディット又は支払を認められないことが了解され、かつ、合意される。ただし、その了解は、前記の協定の場合についてのみ日本国政府が同意するものであり、将来締結されることがある賃貸借に関する協定におけるこの問題に関する同政府の立場を害するものではない。
3 前記の協定第二条B及び第三条(b)は、両政府が溶液型研究用原子炉における使用のため日本国政府が賃借する濃縮ウランの分析を行う分析者を選定することを定めている。同協定の両当事者は、必要な分析を行うことができる商業的分析者の利用の可否を確認する十分な時間がなかつたので、事前に特定の分析者について合意することなく、分析者の選定に関する規定を設けた。分析が必要となつたときに、その業務を行う商業的分析者を利用することができないかもしれないことが認められる。
したがつて、分析が行われるべきときに、満足な商業的分析者を利用することができない場合には、両当事者は、合衆国の民間の機関が操作する合衆国委員会の施設であつて適当な設備を有するものにおいて必要な分析を行わせるため、その施設を操作するそれらの機関の一を選定することに同意すべきことが、了解され、かつ、合意される。現在におけるそれらの機関の例は、次のとおりである。
(1) テネシー州オーク・リッヂのオーク・リッヂ国立研究所及びケンタッキー州パドゥカの施設を操作するユニオン・カーバイド原子核会社
(2) オハイオ州ポーツマスの施設を操作するグッドイヤー原子力会社
(3) ワシントン州ハンフォードの施設を操作するジェネラル・エレクトリック会社
(4) イリノイ州レモントのアルゴンヌ国立研究所を操作するシカゴ大学
4 前記の協定第五条の規定に関し、同条は、日本国政府がその同意なしでアメリカ合衆国の裁判所の管轄に服することを意味することを目的とするものではないことが了解される。
本職は、前記の事項に関するわれわれの了解を確認いたします。
千九百五十六年十一月二十三日
委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス
日本国大使 谷正之閣下
日本国大使から合衆国委員会委員長代理にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に言及し、同協定を締結するための交渉において到達された次の了解を述ベる光栄を有します。
前記の協定第二条Eによれば、日本国政府は、同協定に基いて同政府の賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を千九百六十年九月三十日より前のいかなる時にも返還することができ、また、同物質がそのようにして返還されなかつたときは、いかなる場合にも千九百六十年九月三十日又は同協定の終了の時のいずれか早い方の時に同物質を返還すべきこととなつている。さらに、そのすべての原子炉用物質は、別段の合意がある場合を除くほか、同時に返還されるべきことが了解される。
貴下が前記の了解を確認されれば幸であります。
千九百五十六年十一月二十三日
日本国大使 谷正之
合衆国原子力委員会委員長代理
ハロルド・S・ヴァンス貴下
合衆国委員会委員長代理から日本国大使にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本職は、本日署名された特殊核物質の賃貸借に関するアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の協定に関する本日付の閣下の書簡に言及いたします。その書簡において、閣下は、同協定に関する次の了解を述べられました。
前記の協定第二条Eによれば、日本国政府は、同協定に基いて同政府が賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を千九百六十年九月三十日より前のいかなる時にも返還することができ、また、同物質がそのようにして返還されなかつたときは、いかなる場合にも千九百六十年九月三十日又は同協定の終了の時のいずれか早い方の時に同物質を返還すべきこととなつている。さらに、そのすべての原子炉用物質は、別段の合意がある場合を除くほか、同時に返還されるべきことが了解される。
本職は、前記の事項に関するわれわれの了解を確認いたします。
千九百五十六年十一月二十三日
委員長代理 ハロルド・S・ヴァンス
日本国大使 谷正之閣下
書簡をもつて啓上いたします。本使は、千九百五十六年十一月二十三日に署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に関し、次のとおり申し述べる光栄を有します。
この協定の第一条は、合衆国委員会が、溶液型研究用原子炉の操作における使用のため、原子炉用物質に含まれるべき同位元素U-二三五を十九・五パーセントから二十パーセントまでの間に濃縮したウランを日本国政府に賃貸することに同意することを定めている。
しかしながら、前記の濃縮度についての規格は、原子炉のためのフィッション・チェンバーにおける使用のため日本国政府に賃貸されるウランの濃縮度には必ずしも適用されるものでないこと、このウランの濃縮度は、二十パーセントをこえてはならないこと及び両当事者は、このウランの同位元素U-二三五の濃縮度について随時合意することができることが了解される。
本使は、さらに、この書簡が、前記の了解を確認する貴官の返簡とともに、この問題についての合意を構成するものとみなされ、この合意が、その実施のため必要な法律上の手続が日本国において完了した旨を日本国政府が合衆国委員会に通報する日に効力を生ずべきことを提案する光栄を有します。
千九百五十七年五月八日
臨時代理大使 下田武三
合衆国原子力委員会 ジョン・A・ホール殿
書簡をもつて啓上いたします。本官は、千九百五十六年十一月二十三日に署名された特殊核物質の賃貸借に関するアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の協定に関する本日付の貴下の次の書簡を受領したことを確認いたします。
本使は、千九百五十六年十一月二十三日に署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定に関し、次のとおり申し述べる光栄を有します。
この協定の第一条は、合衆国委員会が、溶液型研究用原子炉の操作における使用のため、原子炉用物質に含まれるべき同位元素U-二三五を十九・五パ-セントから二十パーセントまでの間に濃縮したウランを日本国政府に賃貸することに同意することを定めている。
しかしながら、前記の濃縮度についての規格は、原子炉のためのフィッション・チェンバーにおける使用のため日本国政府に賃貸されるウランの濃縮度には必ずしも適用されるものでないこと、このウランの濃縮度は、二十パーセントをこえてはならないこと及び両当事者は、このウランの同位元素U-二三五の濃縮度について随時合意することができることが了解される。
本使は、さらに、この書簡が、前記の了解を確認する貴官の返簡とともに、この問題についての合意を構成するものとみなされ、この合意が、その実施のため必要な法律上の手続が日本国において完了した旨を日本国政府が合衆国委員会に通報する日に効力を生ずべきことを提案する光栄を有します。
本官は、合衆国原子力委員会に代つて前記の了解を確認いたします。したがつて、貴下の書簡及びこの返簡は、この間題についての合意を構成するものとみなされるものとし、その合意は、その実施のため必要な法律上の手続が日本国において完了した旨を日本国政府が合衆国委員会に通報する日に効力を生ずるものといたします。
千九百五十七年五月八日
合衆国原子力委員会 ジョン・A・ホール
日本国臨時代理大使 下田武三殿
日本国大使館参事官から合衆国原子力委員会国際局長代理にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本官は、千九百五十五年十一月十四日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定に基づき千九百五十七年五月八日に署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定に言及する光栄を有します。千九百五十五年の協力協定は、千九百五十八年六月十六日に署名されて、千九百五十八年十月九日に署名された議定書により改正された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定により、千九百五十八年十二月五日に全部代替されました。
賃貸借協定第一条Bの規定によれば、日本国政府及び合衆国原子力委員会は、賃貸される濃縮ウランの引渡しの日及び返還の日について合意することができることとなつています。
賃貸借協定の両当事者は、千九百五十七年五月八日に交換された書簡により、引渡し及び返還の日程を確定する場合に、日本国政府は、その合意された日程にかかわらず、賃借した物質を千九百六十年九月三十日前のいかなる時にも返還することができること及びいかなる場合にも千九百六十年九月三十日に又は同協定がそれより前に終了したときはその終了の時に返還すべきこととすることを合意しました。第八条は、賃貸借協定は、千九百五十五年十一月十四日に署名された協力協定(将来改正され又はこれに代わるものを含む。)の期間が満了し、又は同協定が廃棄されるまで効力を存続すると規定しています。千九百五十五年の協定は、前記のとおり、千九百五十八年の協定により代替されました。同協定の期限は、十年であります。
日本国政府は、賃貸借協定に基づき移転される濃縮ウランを千九百六十年九月三十日まで及びその後の期間賃借することを希望するので、千九百五十七年五月八日に交換された書簡の1を次のとおり改正することを提案いたします。
1 前記の協定第一条Bによれば、日本国政府(以下賃借者という。)及び合衆国原子力委員会(以下賃貸者という。)は、賃借者に賃貸される物質の引渡しの日及び返還の日について合意することができることとなつている。引渡し及び返還の日程を確定する場合に、賃借者はその合意された日程にかかわらず、その物質を千九百六十八年九月三十日前のいかなる時にも返還することができることが了解される。賃借者は、いかなる場合にも、千九百六十八年九月三十日又は同協定の終了のいずれか早い方の時に同物質を返還するものとする。
アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会が前記の提案を受諾されるときは、本官は、この書簡及び受諾を表明される貴下の返簡を、日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間のこの問題に関する合意を構成するものとみなすことを提案いたします。
千九百六十年八月二十四日
参事官 安川壮
合衆国原子力委員会国際局長代理
M・B・クラッツァー殿
合衆国原子力委員会国際局長代理から日本国大使館参事官にあてた書簡
書簡をもつて啓上いたします。本官は、本日付けの次のとおりの貴下の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
本官は、千九百五十五年十一月十四日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定に基づき千九百五十七年五月八日に署名された特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定に言及する光栄を有します。千九百五十五年の協力協定は、千九百五十八年六月十六日に署名されて、千九百五十八年十月九日に署名された議定書により改正された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定により、千九百五十八年十二月五日に全部代替されました。
賃貸借協定第一条Bの規定によれば、日本国政府及び合衆国原子力委員会は、賃貸される濃縮ウランの引渡しの日及び返還の日について合意することができることとなつています。
賃貸借協定の両当事者は、千九百五十七年五月八日に交換された書簡により、引渡し及び返還の日程を確定する場合に、日本国政府は、その合意された日程にかかわらず、賃借した物質を千九百六十年九月三十日前のいかなる時にも返還することができること及びいかなる場合にも千九百六十年九月三十日に又は同協定がそれより前に終了したときはその終了の時に返還すべきこととすることを合意しました。第八条は、賃貸借協定は、千九百五十五年十一月十四日に署名された協力協定(将来改正され又はこれに代わるものを含む。)の期間が満了し、又は同協定が廃棄されるまで効力を存続すると規定しています。千九百五十五年の協定は、前記のとおり、千九百五十八年の協定により代替されました。同協定の期限は、十年であります。
日本国政府は、賃貸借協定に基づき移転される濃縮ウランを千九百六十年九月三十日まで及びその後の期間賃借することを希望するので、千九百五十七年五月八日に交換された書簡のIを次のとおり改正することを提案いたします。
1 前記の協定第一条Bによれば、日本国政府(以下賃借者という。)及び合衆国原子力委員会(以下賃貸者という。)は、賃借者に賃貸される物質の引渡しの日及び返還の日について合意することができることとなつている。引渡し及び返還の日程を確定する場合に、賃借者はその合意された日程にかかわらず、その物質を千九百六十八年九月三十日前のいかなる時にも返還することができることが了解される。賃借者は、いかなる場合にも、千九百六十八年九月三十日又は同協定の終了のいずれか早い方の時に同物質を返還するものとする。
アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会が前記の提案を受諾されるときは、本官は、この書簡及び受諾を表明される貴下の返簡を、日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間のこの問題に関する合意を構成するものとみなすことを提案いたします。
本官は、前記の提案に同意することを貴下に通報するとともに、貴下の書簡及びこの返簡を、アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会と日本国政府との間の合意を構成するものとみなすことを確認することを喜びとするものであります。
千九百六十年八月二十四日
国際局長代理 M・B・クラッツァー
日本国大使館参事官
安川壮殿