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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] エネルギーの研究開発の分野における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定

[場所] 
[年月日] 1974年7月15日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

エネルギーの研究開発の分野における協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府と間の協定


 日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、

 エネルギーの研究開発の分野における両政府間の協力が、急速に増加しつつある両国の国民の需要を満たすためにエネルギー資源の安定的な供給を確保することにつき相互の利益となることを信じ、

 この関連において環境上の配慮を行うことの重要性を認め、

 このような協力を一層強化し及びその重要性を明らかにすることを希望して、

 次のとおり協定した。

第一条

 両政府は、相互の利益に基づき、エネルギーの研究開発の分野における協力を維持し、かつ、強化する。

第二条

 協力は、次の形態により行うことができる。

(A) 一般的な又は特定の問題の科学的及び技術的側面に関する討議及び情報の交換を行うため並びに協力を基礎として有益に実施することができる研究開発に関する計画を識別するための専門家の会合のような各種の形態の会合

(B) エネルギーの研究開発に関する活動、政策、慣行及び法令に関連する情報の交換

(C) 一般的な又は特定の問題に関する科学者、技術者その他専門家の訪問及び交流

(D) 共同計画又は別個の計画であるが補完的なものの実施

第三条

 協力は、エネルギー資源、エネルギーの転換及び移送並びにエネルギーの保存に関連する相互に合意する次のような分野において行うことができる。

(A) 太陽エネルギーの応用

(B) 地熱エネルギーの応用

(C) エネルギー貯蔵装置

(D) 石炭のガス化及び液化

(E) 水素エネルギーの応用

(F) 電磁流体発電

(G) 燃料電池

(H) 超電導又はマイクロ波による送電

(I) 高性能推進方式

(J) エネルギーの保存

(K) 廃棄物及び廃熱の利用

(L) エネルギーの研究開発に関連する他の合意される分野

第四条

 第三条にいう分野における協力活動の細目及び手続を定める実施取極が両政府の適当な機関の間で行われる。

第五条

1 各政府は、この協定に基づく各種の協力活動に効果的に参加するために望ましいと認める国内の行政的措置を他方の政府に通報する。

2 両政府間で相互に合意するところに従い、この協定の実施に関連するエネルギーの研究開発のための主要な政策事項を討議し、かつ、この協定に基づく活動及び成果を検討するため、少なくとも年一回日本国及びアメリカ合衆国において交互に会合が開催される。

第六条

1 この協定に基づく協力活動から生ずる非所有権的性格の料学的及び技術的情報は、通常の経路を通じ、かつ、参加機関の一般的な手続に従い、双方の政府により、一般の利用に供することができる。

2 この協定に基づく協力活動から生ずる特許権、意匠権その他の工業所有権の処理は、第四条にいう実施取極に規定される。

第七条

 この協定のいかなる規定も、両政府間の協力に関する他の取極又は将来の取極に影響を及ぼすものと解してはならない。

第八条

 この協定に基づく活動は、各国の予算及び関係法令に従うことを条件とする。

第九条

 この協定の終了は、第四条にいう実施取極に従つて行われ、かつ、この協定の終了の日までに履行を完了していないいかなる計画の実施にも影響を及ぼすものではない。

第十条

1 この協定は、署名により効力を生じ、五年間効力を有する。

 もつとも、いずれの政府も、他方の政府に対し、いつでもこの協定を終了させる意思通告することができ、その場合には、この協定は、そのような通告が行われた後六箇月で終了する。

2 この協定は、相互の合意により更に特定の期間延長することができる。

 千九百七十四年七月十五日にワシントンで、ひとしく正文である日本語及び英語にり本書二通を作成した。


日本国政府のために
安川壮

アメリカ合衆国政府のために
ヘンリー・A・キッシンジャー