データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ハーグにおけるNATO首脳会合の際のNATO事務総長及びインド太平洋パートナー4か国による声明

[場所] ハーグ
[年月日] 2025年6月25日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

我々、ルッテNATO事務総長及びNATOのインド太平洋パートナーは、NATOとインド太平洋パートナーの関係の重要性を再確認する。我々は、共有する戦略的利益及び共通の価値並びに欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が相互に連関しているとの認識に基づき、対話及び協力の強化にコミットしている。ルッテ事務総長は、インド太平洋パートナーに対し、NATOを通じたものを含む揺るぎないウクライナ支援に関するNATOの感謝を表明する。我々の協力は、旗艦事業を通じても深化している。

より危険で予測不可能なグローバルな安全保障環境を踏まえ、我々は、NATO加盟国が防衛力を一層強化し、防衛イノベーションを一層進めているという現在起きている驚くべき変化を認識する。

市民を守り、ルールに基づく国際秩序を堅持し、安全で、安定し、繁栄した世界を支えるため、我々は皆透明性を持ってそれぞれの国防費を増額しており、防衛産業協力の強化を目指す。我々は、各自の強みと関心に基づき、様々な方法によってこれを達成することにコミットする。

この観点から、我々は、サプライチェーン・セキュリティ、開発、生産及び調達プロセスを含む重要なテーマについて引き続き互いに学ぶために、対話を進める。我々は、宇宙・海洋領域及び弾薬の分野を含め、関心あるNATO加盟国及びパートナーと共に能力を提供するため、多国間プロジェクトにおける連携を模索する。我々は、新興破壊技術に関する平素からの協力を引き続き強化し、デュアルユースのスタートアップを含む関連の主体を通じたイノベーションに関する協力を促進するための機会を模索する。我々は、引き続き効果的に協力できるようにすべく、同一の標準を追求することが適切な場合に、その実施を通じて部隊の相互運用性を向上させる重要性を認識する。それはまた、防衛産業分野の更なる協力の機会を創出する。

NATOとインド太平洋パートナーの協力の高まりは、こうした予測不可能な安全保障環境下で重要である。我々は今日の我々自身の安全保障及び将来世代に対する責任を有している。