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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 重要鉱物安全保障に関する作業を支持する 2026 年国際エネルギー機関(IEA)閣僚宣言

[場所] 
[年月日] 2026年2月19日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

閣僚級で行われた国際エネルギー機関(IEA)理事会は、以下の閣僚宣言を採択した。

1. 我々IEA 加盟国の閣僚は、重要鉱物の戦略的重要性を認識する。我々は、重要鉱物へ のアクセスが世界のサプライチェーンに対する影響力及び支配力を行使する手段として 用いられていることを特に考慮し、IEA が自発的な重要鉱物安全保障プログラムの下で、 重要鉱物情報ダッシュボードのような顕著な進展を遂げたことを称賛する。我々は、これ らの取組の継続を求めるとともに、IEA 事務局に対し、輸出規制を含む潜在的な供給途 絶への備えを強化する各国の取組を支援し、既存の国際的な取組を考慮した多角化を 支援する戦略的プロジェクトの実現を加速させるよう指示する。世界のサプライチェーン の複数の要素がエネルギー安全保障に寄与していることを認識し、我々は重要鉱物に関 する迅速かつ重点的な行動の必要性を強調する。

2. 我々IEA 加盟国の閣僚は、以下の重要性を強調する。

 ・ 国レベルで、かつ関連する場合は地域レベルで決定された適切な措置を通じて、短期的な鉱物の供給途絶に対応するための国内の備えを強化すること。

 ・ 資源豊富な新興国及び開発途上国との連携の下、実現を可能にする政策、投資促 進、イノベーション及びリサイクルへの支援を通じて、特に精製及び加工分野におい て、多様化され、強靭で、信頼性が高く、責任あるサプライチェーンの発展を支援する

こと。

 ・ IEA 重要鉱物安全保障プログラムに自発的に参加・貢献し、同プログラムを活用して情報を交換し、透明性を高め、協力によって新たな課題に対処するための国内措置 を調整すること。

3. 我々IEA 加盟国の閣僚は、IEA 事務局に対し、以下の分野において重要鉱物安全保障プログラムを強化するよう指示する。

 ・ エネルギーに関連する戦略的鉱物の広範な分野における確実なデータ収集及び市場監視の取組における IEA 事務局の役割を強化し、信頼が高く、尊重される市場情報源としての IEA の地位を再確認すること。

 ・ 主要な供給途絶発生時における、市場動向とその影響に関する迅速な評価を継続的に提供すること。

 ・ 同プログラムの下での確実な情報共有メカニズムを活用し、IEA 加盟国が供給途絶及び輸出規制に対応するための調整を支援すること。

 ・ 重要鉱物の備蓄システムの構築・拡充を選択する IEA 加盟国に対し、技術的及び運用上の考慮事項に関する指針を含む支援を提供すること。

 ・ 輸出規制を含む供給途絶に対応するための加盟国の備えを強化するため、定期的な緊急時対応訓練(机上演習)を開催すること。

 ・ 重要鉱物情報ダッシュボードを拡充し、より広範な戦略的鉱物を網羅することで、確実なプラットフォームを通じて IEA 加盟国が多様化の機会を特定できるようにすること。

 ・ プロジェクト開発の加速を支援し、戦略的パートナーシップを促進し、投資障壁を低減する政策手段の評価を支援するため、定期的な多様化ワークショップを招集すること。

 ・ 新たに設立された重要鉱物及び材料回収に関する技術協力プログラムの活用を含 め、回収、リサイクル、代替技術におけるイノベーションを加速し、循環型経済の強化に向けた取組を促進すること。

 ・ 投資の動員、透明性の向上及び重要鉱物の責任ある採掘、加工及び取引の真のコストを反映した基準に基づく市場を発展させるため、政府、産業界、金融機関及び経 済協力開発機構(OECD)を含む他の国際フォーラムとの連携を強化すること。