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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第11回核不拡散条約(NPT)運用検討会議 主要委員会I(核軍縮)軍縮不拡散教育の更なる推進に向けた実践的措置に関する共同ステートメント日本政府による読み上げ

[場所] 
[年月日] 2026年4月30日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

議長、

Albania, Andorra, Argentina, Armenia, Australia, Bangladesh, Belgium, Bosnia and Herzegovina, Botswana, Brazil, Bulgaria, Cambodia, Canada, Central African Republic, Chile, Colombia, Comoros, Côte D'Ivoire, Croatia, Cyprus, Czechia, Denmark, Djibouti, Dominican Republic, Ecuador, Egypt, El Salvador, Eritrea, Estonia, Fiji, Finland, Gabon, Ghana, Gambia (Republic of The), Georgia, Germany, Greece, Guatemala, Guinea Bissau, Honduras, Hungary, Iceland, Iraq, Italy, Jamaica, Jordan, Kenya, Kuwait, Lao People’s Democratic Republic, Latvia, Lebanon, Lithuania, Luxembourg, Madagascar, Malaysia, Maldives, Marshall Islands, Mauritania, Mexico, Micronesia (Federated States of), Mongolia, Montenegro, Morocco, Nepal, Kingdom of the Netherlands, Nicaragua, Nigeria, North Macedonia, Norway, Oman, Palau, Panama, Paraguay, Peru, Philippines, Poland, Portugal, Qatar, Republic of Korea, Republic of Moldova, Romania, Rwanda, Samoa, San Marino, Saudi Arabia, Senegal, Serbia, Seychelles, Sierra Leone, Singapore, Slovakia, Slovenia, Spain, Sri Lanka, State of Palestine, Sudan, Suriname, Sweden, Switzerland, Thailand, Timor-Leste, Tonga, Trinidad and Tobago, Türkiye, Tuvalu, Uganda, Ukraine, United Arab Emirates, United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland, United Republic of Tanzania, Uruguay, Vanuatu, Yemen, Zambia, 及び我が国である日本を含む、115か国のNPT締約国を代表して、核軍縮・不拡散教育に関する共同ステートメントを実施します。

議長、

広島および長崎への原爆投下から既に80年が経過しました。この80年以上の間、各国政府、地方自治体、教育・学術・研究機関、民間部門、メディア、そして市民社会は、核兵器の使用がもたらす壊滅的かつ多面的な影響とその帰結について、短期的及び長期的な観点の双方から、膨大な知見を蓄積してきました。その理解は、医学、公衆衛生、土木工学、社会科学、環境科学、文化研究など、多岐にわたる分野に及んでいます。この膨大な知見は、多国間の軍縮・不拡散外交及び教育に多大な貢献を果たしてきました。世界中の軍縮教育の取組の中において、核爆発による惨禍とその後の状況を経験し、目撃した方々の極めて貴重な証言は、欠かすことのできない役割を果たしてきました。これには、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の顕著な活動や、国籍や出自を問わず核兵器の使用に苦しんできた被爆者の方々による長年にわたる啓発活動が含まれます。この点において、軍縮・不拡散教育は、その性質上多面的である一方で、常に人間中心のものです。

しかしながら、そのような惨禍を経験し、目撃し、そしてその影響を受けた方々から直接話を伺う機会を得ることは、時間の経過とともにますます困難になっており、残された一つ一つの証言がより一層貴重なものとなっています。我々、このステートメントに参加した115か国の締約国は、政治指導者や政府高官、中堅・若手リーダー、そしてユースの代表団による影響を受けた場所への訪問とそこでの交流の取組を称賛するとともに、全てのNPT締約国に対し、そうした影響を受けた方々の物語と記憶が保存され、将来世代に確実に継承されるよう、こうした取組を推進することを奨励します。

議長、

軍縮・不拡散教育の価値自体は、国際社会の大多数によって長年認識されてきました。2010年NPT運用検討会議の最終文書では、教育が、条約の目標を前進させ、「核兵器のない世界」の実現に資する有用かつ効果的な手段であると強調されました。

さらに、2010年のNPT行動計画のアクション22では、全NPT締約国に対し、2002年の事務総長報告書「軍縮・不拡散教育に関する国連研究(A/57/124)」に含まれる34の勧告を実施することを奨励しました。メキシコが主導する国連研究に関する国連総会決議を始めとする、毎年多くの代表団が共同提案している関連する諸決議においても、この点は繰り返し再確認されています。我々は、全NPT締約国に対し、これらの勧告を実施するというコミットメントを新たにするよう呼びかけます。

議長、現代の「原子力の時代」における複雑な状況に対処していく上で、教育を授け、能力を強化し、一人一人がクリティカル・シンキングやその他の不可欠なスキルを身につけられるようにすることが極めて重要です。こうした取組は、核軍縮・不拡散の重要性に対する意識を高めていくのと同時に、政府の内外において、原子力がもたらすリスク、課題、そして機会に対処できる次世代の専門家を育成することをも目的とすべきです。

同時に、国際社会は急速に変化する技術環境に留意していかなければなりません。現在の国際情勢を反映し、これらのリスクや課題、そして機会がより多様化・複雑化し、かつ相互に関連し合う中にあって、軍縮・不拡散教育も絶えず進化し続けなければなりません。その際、科学的な理解と教育を促進することが特に不可欠です。また、人工知能(AI)を含む情報通信技術の進歩は、人々が情報にアクセスし、処理し、蓄積する方法を一変させました。こうした技術を使いこなし、日常的に利用している若い世代にとって、特にそう言えるでしょう。教育を提供する側は、こうした変化していく環境下において、自身が提供する教育が引き続き意義を持つように、その内容を適応させていかなければなりません。

この点で、我々は、政府、国際・地域機関、市民社会、学術界、教育機関など、多様なステークホルダー間の協力と連携を一層深めつつ、民間部門を始めとする新たなアクターとの関わりを拡大していく必要性を強調します。また、若者に関与し、投資していくことの重要性を強調します。こうしたアプローチは相乗効果を生み出し、教育的取組の効果を最大化していきます。

議長、

我々は、若者を、軍縮・不拡散体制の継承者であり、保護者であり、形成者として重要であると認識し、彼らがこれらの目標の達成に向けて声を上げ、意思決定に関与し、今日から平和な世界を確保していく上で、教育が果たす力を信じています。2026年NPT運用検討サイクルは、軍縮・不拡散教育が、条約の目的、さらには平和の維持において果たす本質的な貢献を、国際社会が再確認する貴重な機会を提供しています。我々は、核兵器国、非核兵器国を問わず、全てのNPT締約国に対し、運用検討プロセスの中で、軍縮・不拡散教育を積極的に推進し、進捗を共有し、専門知識を交換することを呼びかけます。この点における我々の共同のコミットメントを強化することで、国際社会は、これまでの取組を土台とし、「核兵器のない世界」に向けて前進し、そうした世界を維持していくことができるのです。

議長、ありがとうございます。