データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日比賠償協定,日比共同声明

[場所] 
[年月日] 1956年5月9日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),752頁.外務省発表集3,101−127頁.
[備考] 
[全文]

 日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の署名に当り、両国の全権委員は、それぞれの政府に代つて次の共同声明を行つた。

 両国の全権委員は、同協定の締結及び一九五一年九月八日にサン・フランシスコで署名された日本国との平和条約について行われるべきフィリピン共和国による批准が、両国間の正常なる関係を回復し、その関係を友好、互敬及び共通の理解に基いて促進する途を開くものであると期待する。

 正常なる国交関係の回復に伴い、両国は、均衡のとれた貿易の如き共通の利益の問題に注意を注ぎ得ることになり、この目的のために、両国は現在の貿易金融協定の必要な改訂とともに、友好通商航海条約のための交渉を早期に開始することを期待するものである。

 両国の全権委員は、両国が国交の正常化により、世界のこの地域における平和の増進及び維持に対し、より効果的に貢献し得ることを信ずる。