データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日比賠償協定,第三条に関する交換公文.

[場所] マニラ
[年月日] 1956年5月9日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),747−748頁.
[備考] 
[全文]

 書簡をもつて啓上いたします、本全権委員は、本日署名された日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定に言及する光栄を有します。同協定の附属書は、千九百五十五年に日本国政府とフィリピン共和国政府のと間で行われた賠償に関する専門家会議において検討された計画からなるものであります。よつて、本国政府は、同会議の検討及び調査の結果(これらの計画の実施のため必要な項目の供与に関する諸条件を含む。)は、同協定第四条1の年度実施計画の作成に際して参考とされるべきものであることを了解いたします。

 本国政府は、また、日本国に通常輸入されていない外国の生産物又はもし賠償として供与されるならば特例的な性質を有する追加のかつ特定の外国為替割当を必要とするような外国の生産物は、年度実施計画に原則として含まれないものであると了解いたします。

 閣下が前記の了解を貴国政府に代つて確認されれば幸であります。

 本全権委員は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。

千九百五十六年五月九日にマニラで

日本国全権委員

高碕達之助

フィリピン共和国全権委員

フェリノ・ネリ閣下

 書簡をもつて啓上いたします。本全権委員は、本日付の閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

 (日本側公文省略)

 本全権委員は、閣下の書簡がこの事項に関する本国政府の了解を正確に表明したものであることを確認する光栄を有します。

 本全権委員は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向つて敬意を表します。

千九百五十六年五月九日にマニラで

フィリピン共和国全権委員

フェリノ・ネリ

日本国全権委員 高碕達之助閣下