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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本とインドネシアとの間の平和条約・賠償協定の解釈に関する交換公文

[場所] ジャカルタ
[年月日] 1958年1月20日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),844‐845頁.
[備考] 
[全文]

インドネシア共和国全権委員から日本国全権委員にあてた書簡

(訳文)

 書簡をもつて啓上いたします。本全権委員は、本日署名されたインドネシア共和国と日本国との間の賠償協定に言及する光栄を有します。

 次のことは、同協定の解釈に関するインドネシア共和国政府の了解であります。

1 第四条2(b)に関し、

 同項(b)にいう取極とは、賠償契約が認証された時に存在している取極をいう。取極は、その締結前に正当に認証された賠償契約についてそ及して適用されることはないものとする。

2 第七条4に関し、同項にいう日本国の法人は、インドネシア共和国において賠償計画の実施に当る日本国の法人又は賠償契約に基いて役務を供与する日本国の法人とする。

3 第八条に関し、

 インドネシア共和国政府及び日本国政府は、それぞれ、合同委員会のために代表一人及び代表代理数人を任命する。

 合同委員会は、一方の当事国の代表の要請によつて会合するものとする。

 合同委員会の任務は、次の事項に関する協議並びにインドネシア共和国政府及び日本国政府への勧告とする。

(a)協定第一条、第二条及び第四条にいう日本国の生産物及び日本人の役務のインドネシア共和国への供与に関するインドネシア共和国政府と日本国の国民又は法人との間の契約に関する手続

(b)協定第四条2にいう契約の日本国政府による認証の基準

(c)協定第五条にいう支払の手続

(d)協定第三条にいう年度実施計画の作成に関する問題

(e)賠償の実施の進行の再検討(随時の実施総額の算定を含む。)

(f)協定第十条に規定する仲裁に関する問題

(g)協定の実施に関するその他の問題で両当事国が合意により合同委員会に付託するもの

 本全権委員は、閣下が貴国政府に代つて前記の了解を確認されれば幸であります。

 本全権委員は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。

千九百五十八年一月二十日にジャカルタで

インドネシア共和国全権委員

スパンドリオ{前6文字ママ}

日本国全権委員 藤山愛一郎閣下

 日本国全権委員からインドネシア共和国全権委員にあてた書簡

(訳文)

 書簡をもつて啓上いたします。本全権委員は、賠償協定の解釈に関する本日付の閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

 (インドネシア側公文省略)

 本全権委員は、前記の書簡に盛られている了解を本国政府に代つて確認する光栄を有します。

 本全権委員は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。

千九百五十八年一月二十日にジャカルタで

日本国全権委員 藤山愛一郎

インドネシア共和国全権委員

スバンドリオ閣下