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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とラオスとの間の經済及び技術協力協定

[場所] 東京
[年月日] 1958年10月15日
[出典] 外交青書3号,216−217頁.
[備考] 
[全文]

 日本国政府及びラオス王国政府は、

 ラオスが日本国に対するすべての賠償請求権を放棄した事実を考慮し、かつ、ラオスが同国の経済開発のための経済及び技術援助を日本国がラオスに与えることを希望する旨を表明した事実を考慮して、この経済及び技術協力協定を締結することを合意し、次の諸条を協定した。

第一条

1 日本国は、ラオスの経済開発を援助することを目的として、日本国の生産物並びに日本国の国民及び法人の役務の供与からなる十億円の援助を、無償で、かつ、この協定の規定に従い、ラオスに与えることを約束する。この援助は、両政府が合意により決定する事業の実施に充てられるものとする。

2 この協定の規定に基いて日本国が与える援助の期間は、両政府間で別段の合意をした場合を除くほか、この協定の効力発生の日から二年とする。

第二条

 ラオス王国政府は、日本国政府との合意により、第一条1の事業の実施計画(以下「実施計画」という。)を確定するものとする。実施計画は、日本国が各年度に供与する生産物及び役務を定めなければならない。

第三条

1 ラオス王国政府が指定するラオスの当局は、第一条1に定める生産物及び役務の供与が行われるため、日本国民又はその支配する日本国の法人と直接に契約を締結するものとする。

2 1の契約(その変更を含む。)は、(a)この協定の規定、(b)この協定の実施のための両政府間の取極の規定及び(c)実施計画に合致するものでなければならない。その契約は、認証を得るため、両政府に提出されなければならない。この項の規定に基いて認証された契約は、以下「契約」という。

3 1の規定にかかわらず、第一条1に定める生産物及び役務の供与は、総額一千万円の範囲内で、契約を締結することなく行うことができる。ただし、各場面について両政府間の合意によらなければならない。

第四条

1 日本国政府は、第三条1のラオスの当局が契約により負う債務に充てるため、並びに第三条3に定める場合には同項の規定に基いて行われる生産物及び役務の供与の費用に充てるため必要な支払を、第七条の規定に基いて定められる手続によつて行うものとする。その支払は、日本円で行うものとする。

2 1の支払に係る生産物及び役務はその支払により、かつ、その支払が行われた時に、日本国がラオスに供与したものとみなされる。

第五条

 両政府は、この協定の円滑なかつ効果的な実施のため必要な措置を執るものとする。

第六条

 実施計画及び契約の実施を管理し、かつ、両政府に対しこの協定の実施に関する勧告を行う責任を有する両政府の代表者で構成される合同委員会を設置する。

第七条

 この協定の実施に関する細目は、両政府が合意により定めるものとする。

第八条

 この協定は、批准されなければならない。この協定は、批准書の交換の日に効力を生ずる。批准書は、できる限りすみやかにヴィエンチァンで交換されるものとする。

 以上の証拠として、下名は、各自の政府によりこのために正当に委任を受け、この協定に署名した。

千九百五十八年十月十五日に東京で、本書二通を作成した。

日本国のために  藤山愛一郎

ラオスのために  チァオ・カマオ