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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約に関する合意された議事録

[場所] 東京
[年月日] 1960年12月9日
[出典] 外交青書5号,273頁.
[備考] 訳文
[全文]

 日本国及びフィリピン共和国の全権委員は、本日署名された日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約(以下「条約」という。)の交渉において到達した次の了解を記録する。

1 いずれの一方の締約国の国民及び会社も、条約の第二条1の規定に基づき、会社の組織並びに支店、代理店その他の事務所の設置及び維持に関して、第三国の国民及び会社に与えられる待遇よりも不利でない待遇を亭受する権利を有することが確認される。

2 条約の第三条1の規定は、いずれか一方の締約国が、すべての外国人及び外国会社に同様に適用される関係法令を採用し、及び施行することを妨げるものではないと了解される。

3 第三条3の規定に関しては、同規定に基づいて課することができる輸入の制限又は禁止は、国内の生産者を保護するため、原産国と関係なく製品そのものに対して課する制限又は禁止をも含むことが確認される。

4 条約の第五条の規定に関し、各締約国の権限のある当局は、いかなる資本又は技術の自国の領域内への導入が、自立を基礎とした自国経済の健全なかつ均衡のとれた発展をもたらすことに役だつかどうかを無差別の原則に従って決定するものと了解される。

5 条約において「商船」とは、漁船、娯楽用ヨット及び運動競技用舟艇を含まないことが確認される。

千九百六十年十二月九日に東京で

日本国のために

湯川盛夫

フィリピン共和国のために

J・B・ラウレル