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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] カンボジアに対する無償経済協力供与完了について

[場所] 記事資料
[年月日] 1966年7月6日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),666頁.外務省公表集,昭和4l年下半期,112‐4頁.
[備考] 
[全文]

一、カンボジアに対する無償経済協力は、日本とカンボジア王国との経済技術協力協定に基づき、昭和三十四年七月六日から実施されてきたが、当初予定された三年間では援助総額を消化できなかつたので、その後二回(合計四年間)の延長を重ね、本年七月五日に総額十五億円の供与を完了した。

二、年度別支払額は次のとおりである。

  第一年度 四億七八七九万円

  第二年度 四〇九一万円

  第三年度 二億六二七二万円

  第四年度 二億五八九〇万円

  第五年度 一億二八二〇万円

  第六年度 二億六一三一万円

  第七年度 六九一七万円

三、協力の主力は農業技術・畜産及び医療センターの建設及び運営にあてられた。

 農業技術及び医療の両センターはプノンペン北西約三四〇kmのバッタンバン郊外に、畜産センターはプノンペン東方約一三〇kmのコンポンチャムに、それぞれ設けられることとなり、昭和三十九年三月に建設工事が完成し、これと前後して専門家も派遣され、技術指導及び保健診察を行なつてきた。

 昭和四十年七月及び八月には、三センタ一の開所式が行なわれ、シアヌーク国家主席からカンボジア・日本友好農業技術センター、カンボジア・日本友愛畜産センター及びカンボジア・日本友好医療センターとそれぞれに命名された。

 なお、三センターに派遣された専門家は、協定による供与完了後もコロンボ・プラン派遣専門家として、引続き業務に当ることとなつている。

四、センター関係の所要経費の内訳は次のとおりである。

   設計及び建設工事費 二億八一〇七万円

   設備資材費 一億九八八六万円

   専門家派遣費 一億〇五〇二万円

四、この他、協定により供与された主なものは次のとおりである。

   プノンペン上水道敷設用設備資材 四億七五二〇万円

   トンレサップ橋架橋用設備資材 三億〇五〇〇万円

   電気資材 九六一二万円