データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] わが国とヴィエトナム民主共和国との間の外交関係設定に関する外務大臣談話

[場所] 
[年月日] 1973年9月21日
[出典] 外交青書18号,114頁.
[備考] 
[全文]

1 わが国はヴィエトナム民主共和国との間に外交関係を設定するための交渉をパリにおける双方の大使館を通じて行なつて来たが,この程両政府間の合意が成立し本日より両国間に外交関係が設定されることとなつたことは誠によろこばしい。

2 本年1月のパリ協定及びそれにつづく2月のラオス和平協定の成立に伴い,インドシナをめぐる国際情勢は大きく変化しつつある。わが国は,かかる新情勢を踏まえ,かつまた,政治社会体制の如何を問わず,いかなる国とも友好関係を維持するとのわが国外交の基本方針に基づき,今般,北ヴィエトナムとの間に外交関係を設定したものである。

3 わが国としては,インドシナ地域の平和と安定の確保のためには,何よりも先ずパリ協定の署名当事者がこれを厳格に遵守するとともに関係諸国が同協定を尊重することが必要であるとの基本的な認識を有しているが,今後,わが国がヴィエトナム民主共和国との関係を改善発展させていくことは,インドシナ地域の平和と安全に寄与するものであると信ずる。