データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日比賠償協定の実施終了についての記事資料

[場所] 
[年月日] 1976年7月22日
[出典] 日本外交主要文書・年表(3),865頁.外務省公表集・昭和51年,274−5頁.
[備考] 
[全文]

一、昭和三十一年五月九日マニラで署名された「日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定」に基づくフィリピンに対する賠償供与は、同協定が発効した昭和三十一年七月二十三日から二十年の期間にわたり実施されることになっていたが、本年七月二十二日にその二十年の期間が満了となり、同協定第一条に定められた五億五千万ドルの賠償供与が完了した。これにより、賠償協定に基づくわが国の賠償支払いは、すべて完了した。

二、対比賠償は、総額五億五千万ドルに等しい円の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務で供与されることとなっていたが、左記の各分野に関連する多種多様の資機材等が供与された。

         記

(賠償供与分野) (主な内容)                 (構成比)

(一)農業水産   かんがい用機材、農業機械、漁船等        六・八%

(二)電源開発   送電線、発電所用資機材等            ◯・八%

(三)鉱業     鉱山用機械、資材等               ◯・五%

(四)工業     各種工場用プラント、機械類、工業用資材等   一五・八%

(五)通信運輸   鉄道設備、内航船、外航船、通信用各種機材等  二六・一%

(六)公共事業   水道、プレハブ校舎、倉庫、空港、港湾、公共用建物、道路、橋梁関係等の各種設備、資機材等 三四・四%

(七)沈船引揚                           一・五%

(八)教育・衛生・病院、研究等

          教育、衛生、病院、研究関係各種資機材等     四・九%

(九)役務     賠償使節団経費、銀行手数料、その他の役務    三・◯%

(十)賠償担保借款 電気通信施設拡充改善計画及びマニラ鉄道延長計画 二・七%

(十一)消費財                           三・五%

 合計       五億五千万ドル               一◯◯・◯%