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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ブルネイ国王主催晩餐会における宮澤内閣総理大臣の挨拶

[場所] バンダル・ブガウン
[年月日] 1993年1月17日
[出典] 宮沢演説集,130−131頁.
[備考] 
[全文]

 国王陛下、殿下、大使閣下並びに御列席の皆様

 今夕は、週末の到着にもかかわらず、私共のために暖かいおもてなしを頂き、心から御礼申し上げます。私の今回のASEAN諸国訪問の締めくくりとして、美しい貴国を訪問することができましたことは、私にとってこの上ない喜びであります。

 ハサナル・ボルキア国王陛下におかれましては、最近国を挙げて御在位二十五周年をお祝いされたところでありますが、この席をお借りして、改めて心より御祝い申し上げます。それは、ブルネイ・ダルサラームが今日の平和と繁栄を享受するに至った二十五年間の陛下の卓越した施政に対する、誠にふさわしい祝賀行事であったと思われます。

 国王陛下

 日本とブルネイは、相互互恵の経済的結びつきを基礎に、緊密で親しい関係を培ってまいりました。ブルネイは我が国にとって、信頼できる石油及び天然ガス供給国として大変重要な国であります。まさに二十年前の先月、液化天然ガス(LNG)の日本向け積み荷の第一号が、ブルネイから輸出されました。両国が多大の恩恵に浴してきたこの契約を記念すべき時に当たり、私は、現在の両国の絆が今後とも維持されるだけでなく、一層強化され、幅が広げられ、また深められていくことを希望します。その意味で、私は、ブルネイが熱心に進められている人造り及び経済の多様化に我が国が協力してきていることを嬉しく思います。毎年約百人のブルネイの方々が、日本において国際協力事業団(JICA)の技術協力研修やプログラムに参加されており、地方、何人かの日本の専門家がこの地で、ブルネイの導門家と共に貴重な熱帯用雨林を保護し、また「エコ・ツーリズム」を発展させる方途を探るために、働いております。

 国王陛下

 昨日私がバンコックにおいて行った政策演説の中で述べましたように、日本がアジア・太平洋地域の平和と安定のために協力することは、ブルネイも若々しく積極的な一員であるASEANに対する我が国の協力の優先分野であります。親密な友人及びパートナーとして、私は、日本とブルネイがこの地域の内外の平和と繁栄のため、今後とも共に考え、共に行動していけるよう希望しています。

 国王陛下

 ブルネイには、「竹と岸辺の間柄のように」という意味の、「スプルティ・アウル・ドゥンガン・トゥビン」という表現があると聞いております。この表現は、まさに近隣同士の助け合いと友情の大切さを強調したものであります。私は、国王陛下の卓越したリーダーシップの下、両国間の緊密で温かい協力関係がこれからも竹のように伸び、繁茂し続け、この地域及び世界に貢献することを確信しております。

 国王陛下

 最後に、国王陛下をはじめブルネイ・ダルサラームの方々のご繁栄、ご幸福並びにご成功をお祈りして、私の挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。(英文スピーチ七二四ページ)