データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ARF第2回会合における河野外務大臣発言の概要

[場所] バンダルスリーブガワン
[年月日] 1995年8月1日
[出典] 外交青書39号,195頁.
[備考] 
[全文]

1.開催国ブルネイの努力に感謝、ARFの過去一年間の成果を評価、カンボディアの参加を歓迎、ヴィエトナムのASEAN加盟とアメリカとの外交関係樹立に祝意を表明。

2.アジア太平洋地域は経済的な繁栄の上に安定を築いており、その安定がさらなるアジア太平洋地域の経済的発展を導く。しかし、仮に経済発展が軍事力の発展につながるようなことがあれば、平和と安定が脅かされ、経済的発展も損なわれよう。その意味でもARFは重要。昨年の第1回ARFは歴史的な対話の開始ということであったが、今回の会合は具体的な協力に合意してARFの質的前進を図る会合とすべし。

3.以上の観点から、ARFの活動について3点を指摘。

(1)ARFでは、全ての参加国が、その有する安全保障上の関心に従って自由な意見交換ができる場でなければならない。

(2)信頼醸成が当面最も重要な措置。信頼醸成措置に関する政府間会合を日本とインドネシアで共催することとなっているが、来年のSOMまでに2回開催したい。また信頼醸成を進める上でも、各国の国防政策についてのペーパーの提出が重要。日本は既にモデルを提出しているが、各国が各々の立場でペーパーの提出を前向きに検討するよう要請する。

(3)全ての参加国の主体的、全体的かつ平等な参加が必要。ARFを実現させたASEAN諸国の努力を高く評価すると同時に、ASEAN以外の国のARF運営への参加も重要。

4.我が国の関心事項として、次の3つの問題に言及

(1)南沙諸島問題については、ASEANと中国の間の話し合いの結果、平和的な方法での解決を図る旨確認されたと聞いており、これを歓迎。本件が平和的な方法で解決されることを希望。

(2)核保有国が行う核実験及び実験計画発表に懸念を表明。核実験は環境への影響を言う人もいるが、何よりも究極的核廃絶を求める努力に逆行するもの。核保有国に対しNPTの無期限延長の際に核保有国に委ねられた信頼を維持するよう努力を要請。

(3)北朝鮮の核開発問題については、米国の大変な努力により米朝間で合意が成立したが、まだやるべきことは残されている。南北対話の進展も重要。本件に関する参加各国の理解と協力を要請。