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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ミャンマーの延滞債務の解消について

[場所] 東京
[年月日] 2013年1月30日
[出典] 外務省国際協力局,財務省国際局,経済産業省貿易経済協力局
[備考] 別紙
[全文]

1 我が国政府は、ミャンマーの民主化・国民和解・経済改革を促進し、同国の国際社会への早期復帰を図る観点から、昨年10月にミャンマーに関する東京会合を開催するなど、これまで、国際社会の議論をリードしてきたところですが、本日、ミャンマーの我が国に対する円借款に係る延滞債務問題を解消するため、昨年4月に日・ミャンマー両国間で合意された措置を実施しました。

2 今回の措置の概要

(1) 2003年3月末以前に返済期日が到来したもの(元利合計1,989億円(元本1,598億円、利息391億円)

 (ア)ミャンマーは、超短期の商業ローンを「ブリッジローン」として活用し、この債務を解消するのに対して、日本は、長期・低利の円借款を「社会経済開発支援計画」(プログラム・ローン)として供与します。

 (イ)本件プログラム・ローンは、新政権発足以降のミャンマー政府が進める マクロ経済運営・開発政策や社会セクター(教育・保健)、ガバナンスな どの分野における各種改革に対する支援を行うことにより、ミャンマーの改革と包括的な経済成長の基盤強化を支援するものです。

 (ウ)本件プログラム・ローンの供与条件

  ・金利:年0.01%

  ・償還期間:40年(10年の据置期間を含む)

 (エ)また、日・ミャンマー両国は、ミャンマーが取り組む政策課題や各種改革について、共同でモニタリングを実施していきます。

(2) 2003年4月以降に返済期日が到来したもの(元利合計1,274億円(元本1,137億円、利息137億円)

 この債務について、我が国は、2002年にミャンマー側に対して伝達したとおり、免除の手続きを再開しました。

3 今回の措置は、近年のミャンマー政府の民主化・国民和解や社会経済改革努力を踏まえ、これまでに両国間で合意された道筋に従って行われたものです。我が国としては、引き続き、ミャンマー政府の改革努力を後押しすることが重要と考えており、そうした観点から、今後、同国の持続的な経済発展に必要な新規円借款を含め、幅広い支援を実施する考えです。また、ミャンマーに対する支援が効果的に行われるよう、引き続き、国際社会をリードしていきたいと考えています。