[文書名] 改訂版「東京戦略2012」の実現のための日メコン行動計画
第4回日本・メコン地域諸国首脳会議において採択された「東京戦略2012」に従って第5回日メコン外相会議において採択された具体的な行動及び措置を定める行動計画を以下のとおり改訂した。
1.第1の柱 メコン連結性を強化する
1.1 経済回廊に関し、物理的、制度的及び人的連結性強化に関する案件を実施するための行動及び措置
・日本及びカンボジアは、「カンボジア国道5号線改修事業」について北区間に関しては、調査が2013年4月に終了したことを受け、事業を着実に実施し、南区間に関しては準備を進める。中央区間に関しては調査を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「国道1号線改修計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「ネアックルン橋梁建設計画」について事業を2015年の完成に向けて着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「シアヌークビル港多目的ターミナル整備計画」について、事業を着実に実施するとともに、ターミナル運営に係る能力強化を支援する。
・日本及びカンボジアは、「メコン地域通信基幹ネットワーク整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びラオスは、「国道9号線整備計画」(メコン地域東西経済回廊)について、事業を着実に実施する。
・日本及びラオスは、ラオスにおける「ビエンチャン国際空港拡張計画」(駐機場の拡張、航空機誘導路の新設、照明設備および保安機材整備支援)について事業を実施した。加えて、「ビエンチャン国際空港ターミナル拡張計画」(旅客ターミナルビルの拡張等)について事業を着実に実施する。
・日本及びラオスは、「次世代航空保安システムへの移行のための機材整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本とラオスは、2013年9月に道路分野における協力覚書に署名されたことを歓迎し、セミナーの開催等を通じて道路分野の技術やノウハウに関する情報交換をはじめとした協力を推進する。
・日本は、ラオスにおける「ビエンチャン・ロジスティクスパーク開発事業」について実施中の調査を、引き続き着実に進める。
・日本は、ラオスの「国道16B号線セコン橋建設計画」について、事業を着実に実施する。
・日本とミャンマーは、2013年2月に道路分野における協力覚書に署名されたことを歓迎し、セミナーの開催等を通じて道路分野の技術やノウハウに関する情報交換をはじめとした協力を推進する。
・日本及びミャンマーは、2013年12月に日本から協力を表明した「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本は、ミャンマーのミヤワディ・モーラミャイン間の東西経済回廊区間整備について、調査を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「カイメップ・チーバイ国際港開発計画」の適切な運営管理に向けて準備を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文に署名された「第二期国道改修計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ノイバイ国際空港第二旅客ターミナルビル建設計画」について2015年開業に向けて事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、引き続き、以下の案件の実施可能性に関する議論を行う。
○ホーチミン東西高速道路からホーチミン・チュンルオン間高速道路までの2.7キロの連結道路の建設
○国道19号線及び国道1A号線との間の17キロの連結道路の改修
○ソクチャン地方及びチャヴィン地方を接続するダイガイ橋建設
・日本及びベトナムは、引き続き、以下の案件の開発可能性に関する議論を行う。
○ダナン港改善(フェーズ2)
○脆弱な橋の補修(フェーズ3)
・日本とベトナムは、セミナーの開催等を通じて道路分野の技術やノウハウに関する情報交換をはじめとした協力を推進する。
・日本は、ベトナムにおける「ロンタイン国際空港建設事業」について実施中の調査を、引き続き着実に進めるとともに、官民パートナーシップでの事業実施について、支援を検討する。
・日本及びメコン地域諸国は、他のドナー及び国際機関により実施されている協力、特に、経済回廊のためのインフラ案件について本分野での国際協力を強化するため、情報を共有する。
・日本は、JETROが実施したバンコク・ハノイ間輸送調査報告書に基づき、当該ルートを用いた物流のF/Sを実施する。
・日本は、セミナーの開催等を通じ、メコン地域の内陸水運活性化を促進する。
・日本と日アセアン統合基金の支援により整備が進められているベトナム国メコン地域物流訓練センターに対して人材育成支援事業を実施した。日本は、今後も引き続き、メコン地域の物流分野における人材育成支援事業を実施する。
・日本は、都市鉄道建設「タイ・バンコク大量輸送網(The Bangkok Mass Transit Network in Thailand)」プロジェクトへの協力を着実に実施する。
・日本は、ミャンマーにおける「メコン国際幹線道路連結強化事業」の事業化調査を着実に実施する。
・ラオスは、日本が実施する調査を踏まえ、第3メコン橋からブン・アン港に接続するラオス・ベトナム国境に至る、国道12号線の整備を着実に実施する。
・タイ及びミャンマーは、ダウェイ深海港開発及びタイへの接続道路整備の支援を行う。この関係で、日本、タイ及びミャンマーは、日本の協力の可能性を検討するため、民間部門への信頼を強化する見地から、ダウェイ深海港開発、及び、タイからの接続道路、経済特区、貿易及び交通の円滑化等につき、三カ国間の対話を2013年9月及び11月に開催した。
・タイ及びミャンマーは、三ヶ国間高速道路計画(タイ-ミャンマー-インド)の一部である東西経済回廊に沿ったミヤワディからコーカレイへの道路の建設と整備を迅速に進める。
・タイ、ラオス及びベトナムは、ラオスのサバナケートで開催された第2回次官級会合において国道8号線及び同12号線を東西経済回廊の一部として含めることに合意しており、また、その実施の加速化に更に取り組む。
・タイは、高速鉄道プロジェクトへの日本の関心を歓迎した。
・ベトナムは、ハノイからハイフォン港に至る高速道路の建設を着実に実施するとともに、日本とも協力して南北高速道路の整備を推進し、国道1号線の整備を着実に実施する。
・ベトナムは、「多様な交通網によるメコン地域の経済回廊の連結性強化イニシアティブ」を促進する。
・メコン地域諸国は、大メコン圏経済協力プログラム(GMS)越境交通協定(CBTA)の完全な実施の促進を行う。
1.2 日メコン経済産業協力イニシアティブ(MJ-CI)の更なる実施のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、2012年の第4回日メコン経済大臣会合において採択された「メコン開発ロードマップ」について、着実に実施する。メコン地域諸国及び日本からの強いビジネスニーズのある優先的な案件の着実な実施のため、日本及びメコン地域諸国は、民間企業の関与が確保されるよう、日メコン産業政府対話を毎年開催する。また、日本及びメコン地域諸国は、メコン地域における関係政府機関及び民間部門との間で小規模な対話セッションを開催する。日本とメコン地域諸国は、「メコン開発ロードマップ」の実施、評価及び改訂のため、日・ASEAN経済産業協力委員会・東西回廊開発ワーキンググループ(AMEICC WEC-WG)を主要な調整機関として活用する。
1.3 メコン地域における税関近代化を通じた貿易円滑化、特に2020年までのアジアにおける切れ目ない物流を実現するための「アジア・カーゴ・ハイウェイ」構想という日本及びASEAN加盟国で共有された構想の実施のための行動及び措置
・ベトナム及びミャンマーへのNACCS型システムの導入並びに右に関連した人材育成に係る支援を含め、日本税関とメコン諸国税関との間で、税関行政の近代化及び税関職員の能力向上を通じた、貿易円滑化のための措置・支援を着実に実施する。
1.4 「ASEANスマートネットワーク構想」の実施を通じたメコン地域における情報通信技術(ICT)インフラの整備及び利活用のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、メコン地域におけるICTインフラの整備及び利活用による社会的諸課題の解決のため、「ASEANスマートネットワーク構想」を実現するべく、2013年11月に実施した日・ASEAN情報通信大臣級会合において、「ASEANスマートネットワーク構想」の具体的内容について議論を行った。これを踏まえて、日本及びメコン諸国は、同構想の実現を加速させていく。
・また、日本は、メコン地域におけるICTインフラ整備やその利活用の促進のため、メコン地域においてF/S及び実証実験を実施するとともに、ICT人材の育成の重要性に鑑み、ワークショップ等の開催を通じて交流の強化及び人材の質の向上を目指す。
2.第2の柱 共に発展する
2.1 健全なマクロ経済のための行動及び措置
・日本及びラオスは、ラオス政府が進める制度改革(公共財政管理・社会セクター開発)を支援する「第9次貧困削減支援オペレーション」について事業を着実に実施する。
・日本は、ミャンマーの金融・資本市場育成支援を実施する。これに関し、日本とミャンマーは、2013年10月に交換公文の署名を行った「中央銀行業務ICTシステム整備計画」について、事業を確実に実施する。日本はミャンマー証券取引法令策定支援を実施し、2013年7月に証券取引法が大統領の署名を得て成立、翌月に施行した。引き続き、下位法令の策定支援を実施している。また、両国は、ミャンマーの証券当局の能力向上、金融規制・監督能力向上に向けても緊密に協力する。
・日本及びベトナムは、ベトナムの「工業化戦略及び2020年に向けた行動計画」の作成に向けて協力する。
2.2 産業発展の強化のための措置
・日本及びメコン地域諸国の経済閣僚は、第6回日メコン産業政策対話において、今後の企業のメコン大でのバリューチェーンの構築の促進や、その実効性を担保するための貿易円滑化措置の強化、産業人材育成・中小企業育成などを通じたビジネス・コネクティビティ向上の必要性が示されたことにかんがみ、メコン大の産業の拡がりを支えるため、中長期のメコン地域開発ビジョン策定を行う。
・日本及びメコン地域諸国は、アジア開発銀行(ADB)等関係機関と密接に協力し、域内の安定的な電力供給を実現するため、送電網の向上のための支援を検討する。また両者は、日メコン行動計画の実現のため新しい協力プログラムの提案を継続する。
・日本及びメコン地域諸国は、JETROが実施する以下の取組を歓迎する。
○ベトナムにおいて産業支援の強化のために実施する部品調達展示商談会の開催
○加工食品産業の競争力強化のために実施する食品の安全性及び食料安全保障に向けた専門家派遣
○タイにおける地場企業の日本進出支援のためのセミナー開催
○事実に基づくミャンマーの経済改革及び開発のための政策アドバイスの提供のためのJETRO調査「ASEAN経済統合及びミャンマー経済」の開始
・日本及びメコン地域諸国は、地元の中小企業による、より容易な融資へのアクセスのための、中小企業の融資に関する知識共有の機会の拡大を行う。
・日本は、メコン地域における裾野産業育成のため、専門家派遣や研修の実施を通じて中小企業育成の支援を行う。
・日本は、ODAまたは他のスキームを通じ、日本企業がメコン地域の市場に参入することを促すため、主要な鉱物埋蔵地に関連するインフラ改善を環境に配慮した形で支援する。
・日本及びメコン地域諸国は、メコン・インスティテュート(MI)がJICA及びタイ国家経済社会開発庁(NESDB)とともに「工業団地標準化プログラム」を実施することを歓迎する。
・日本及びカンボジアは、電力の供給の向上のため、2013年12月に日本から協力を表明した「プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業」の準備を進める。
・日本及びカンボジアは、2013年3月に交換公文が署名された「カンボジア工科大学施設機材整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「シェムリアップ上水道拡張計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「コンポンチャム・バッタンバン上水道拡張計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、「第二次地雷除去活動計画」について事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジアは、物流高度化に協力するため、カンボジアにおける「プノンペンとベトナム南部国境を結ぶ高速道路整備」に関する対話を行う。
・日本及びカンボジアは、「プノンペン都総合交通計画プロジェクト」を着実に実施する。
・日本は、カンボジアでの不法電波の取り締まり体制の強化に貢献するため、電波監視システムの導入に向けた支援を行う。
・日本は、カンボジアにおける安全かつ環境に優しいクルマ社会実現のために、自動車検査・登録制度の近代化に関する協力を行う。
・日本は、CLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)諸国における既存の日本センターのネットワークを通じたメコン地域における起業家育成のための共通研修プログラムを継続する。
・日本とラオスの間で、電力の供給の向上のため、ラオスにおける「ナムグム第一水力発電所拡張計画」の検討を進めた結果、日本とラオスの間で2013年5月に本件につき交換公文が署名された。これを受けて、両国は同計画を着実に実施する。
・日本及びラオスは、電力の供給の向上のため、「南部地域電力系統整備事業」について、事業を着実に実施する。
・日本及びラオスは、電力の供給の向上のため、「小水力発電計画」について、事業を着実に実施する。
・日本は、ラオスにおける「セカタム水力発電事業」について実施中の調査を、引き続き着実に進める。
・日本及びラオスは「ナムニアップ水力発電案件」に関して、電力供給を促進するために、着実に実施する。
・日本は、ラオス、カンボジアの地雷・不発弾除去のための支援や能力向上支援を実施する。
・日本及びミャンマーは、電力の供給の向上のため、2013年3月に交換公文が署名された「バルーチャン第2水力発電所補修計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、2013年5月に交換公文の署名を行った火力発電所のリハビリのための「インフラ緊急復旧計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、ミャンマーの社会・経済開発に関わる行政官の育成のため、2013年5月に交換公文の署名を行った「人材育成奨学計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、2013年5月に交換公文の署名を行った「ヤンゴン市上水道施設緊急整備計画」について、事業を着実に実施する。また、日本及びミャンマーは、2013年12月に日本から協力を表明した「ヤンゴン都市圏上水整備計画」について、事業を着実に実施するとともに、ミャンマーの水道事業の近代化に向けて緊密に協力する。
・日本及びミャンマーは、産業人材育成のため、我が国教育機関の知見を活かしつつ、工学教育の拡充に向けて緊密に協力する。
・日本とミャンマーは、交通分野における協力覚書に署名されたことを歓迎し、セミナー等会合の開催や人的交流等を通じて交通分野の技術や関連インフラの開発、管理及び運営をはじめとした協力を推進する。
・日本とミャンマーは、陸上輸送分野(鉄道・自動車)における協力覚書に署名したことを歓迎し、陸上輸送の改良に関する政策及び技術、鉄道輸送関連のインフラの開発、管理及び運営をはじめとした協力を促進する。
・日本及びミャンマーは、2013年3月に交換公文に署名された「全国空港保安設備整備計画」について、事業を着実に実施するとともに、ヤンゴン飛行情報区内における更なる航空管制機能の強化について協力を推進する。
・日本とミャンマーは、2013年3月に交換公文に署名した「ヤンゴン市フェリー整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本とミャンマーは、日ミャンマー建設次官級会合を通じ、建設分野における協力を行う。
・日本及びミャンマーは、2012年9月、2013年9月に開催した日ミャンマー農林水産業協力対話を今後も継続し、対ミャンマー農林水産業協力の促進を図る。
・日本及びミャンマーは、2012年12月に交換公文の署名を行った「貧困農民支援」、2013年3月に交換公文の署名を行った「農業人材育成機関強化計画」、2013年12月に日本から協力を表明した「バゴー地域西部灌漑開発事業」について、事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、「通信網緊急改善計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、「ミャンマーラジオテレビ局番組ソフト及び放送編集機材整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本は、2013年2月に笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表を任命した。また引き続き学校・病院・道路建設、農業開発等の支援等を通じ、ミャンマー少数民族への支援を強化する。日本及びミャンマーは、2013年3月に交換公文の署名を行った「カレン州道路建設機材整備計画」、2013年5月に交換公文の署名を行った「貧困削減地方開発計画」について、事業を着実に実施し、地方部の開発・貧困削減に寄与する。
・日本は、タイの内航タンカー代替建造や、ミャンマーへの内航旅客船に関する支援などを含む、内航海運/水運による交通及び物流強化にかかる支援を行う。
・日本は、ミャンマーにおける郵便・郵便局の近代化と改善に向けた協力を検討する。
・日本は、ミャンマーにおける情報通信インフラ整備に関する取組を支援する。
・日本は、アジア太平洋電気通信共同体(APT)と連携して、ミャンマーにおいて「情報セキュリティ(公開鍵のマルチ利用)プロジェクト」を実施した。
・日本は、アジア太平洋電気通信共同体(APT)を通じて、ミャンマーにおいて「マルウェア感染ホスト検出のためのDNSトラフィック分析人材の育成」を実施する。
・日本は、タイの経済社会の発展に貢献するため、ICTを用いた社会基盤整備の協力を行う。
・タイは、日本のJICAとともにメコン地域における製造業分野における人材育成について、可能性を検討する。
・日本及びベトナムは、ハノイ国家大学、カントー大学及び日越大学を含むベトナムにおける質の高い大学の開発のための協力の可能性につき、引き続き議論を継続する。
・日本及びベトナムは、「メコン地域物流訓練センター」についてのプロポーザル策定を受けて、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ハノイ市都市鉄道建設計画1号線」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ハノイ市都市鉄道建設計画2号線」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ホーチミン市都市鉄道1号線」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ホアラック科学技術都市振興事業」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文が署名された「南北鉄道橋梁安全性向上計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文が署名された「オモン3コンバインドサイクル発電所建設計画(第一期)」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文が署名された「オモン火力発電所二号機建設計画(第二期)」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2010年10月及び2011年10月の日越共同声明で言及のあった「ニントゥアン省第2原子力発電所建設計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「ファンリー・ファンティエット灌漑事業」、「ゲアン省北部灌漑システム改善事業」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文が署名された「ニャッタン橋(日越友好橋)建設計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、ハノイ市及びホーチミン市における都市鉄道網の整備や運営組織設立支援、開業に向けた法整備に係る協力〔ICカード乗車券システム導入の支援〕を継続する。
・日本及びベトナムは、「ベトナムテレビ番組ソフト整備計画」について、調査を終了したことを受け、事業を着実に実施する。
・日本は、「ハノイ市都市鉄道5号線」について、調査を終了した。
・日本は、ベトナムの行政分野の効率化・透明性の向上に貢献するため、電子政府の導入に向けた支援を行う。
・日本は、食品加工業、縫製業、機械工業、観光産業等のメコン地域諸国における有望産業の育成及び新産業・サービス分野創出のため、JETRO等関係機関と協力し、個別産業向けワークショップ開催、専門家派遣を実施する。
・日本は、生産から消費に至るまでの食品バリューチェーン構築のための官民連携の取組みを進める。特に、ASEAN諸国の大学と連携して、食品加工・流通等の分野における人材育成に貢献する。
・日本は、メコン・インスティテュート(MI)による東西経済回廊における民間部門開発の拡大及び南部経済回廊における中小企業の競争力強化のための活動への支援の可能性を検討する。
2.3 外国投資のための経済環境の向上のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、メコン地域諸国における経済特区の開発のための協力を行う。
・日本及びメコン地域諸国は、JETROが、自由貿易協定の理解の向上のため、メコン地域諸国の政府関係機関と協力し、日本及び地元企業のためのワークショップを開催することを歓迎する。
・日本は、CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)諸国の各国における経済特区(SEZ)に関する研修プログラムを実施する。
・日本及びメコン地域諸国は、JETROラオス事務所の開設が決定されたことを歓迎する。
・日本及びメコン地域諸国は、JETROによる、サービス産業も含む日本からの投資促進、裾野産業育成支援、輸出産業育成支援、一村一品展示会などの日本と.メコン地域諸国間の貿易・投資の拡大に向けた様々な活動を歓迎する。
・日本及びメコン地域諸国は、日ASEANセンターにより実施される投資及び貿易促進のための取組を奨励する。
・日本は、メコン地域の市場への民間企業の進出を促進するため、日本の円借款とともに、アジアにおけるインフラ整備のため日本貿易保険(NEXI)の特別支援枠を活用する。
・日本及びミャンマーは、2013年5月に交換公文の署名を行った「ティラワ地区インフラ開発計画」について、ティラワ経済特別区の2015年創業に向けて事業を着実に実施する
・日本及びミャンマーは、ティラワ経済特別区の2015年操業開始に向けて官民を挙げて協力を行う。これに関し、2013年10月に日ミャンマー共同事業体が設立されたことを歓迎した。
・日本及びミャンマーは、2013年5月に交換公文の署名を行った「ティラワ地区インフラ開発計画」について、ティラワ経済特別区の2015年の操業開始に向けて事業を着実に実施する。
・日本及びミャンマーは、2013年5月に交換公文の署名を行った「ティラワ地区インフラ開発計画」について、ティラワ地区の港湾の2015年の運営開始に向けて事業を着実に実施する。
・日本とミャンマーは、投資協定が間もなく署名されることを歓迎し、その早期発効に努める。
・日本とミャンマーは、2013年3月に立ち上げた「日本ミャンマー共同イニシアティブ」を通じ、ミャンマーにおける投資環境の整備に向けて協力する。
・日本とミャンマーは、ビジネス関連法を始めとした法制度整備、「ミャンマー日本人材開発センター」を通じたビジネス人材育成の分野で協力する。
・日本は、ミャンマーにおける港湾関連手続の電子化(港湾EDIの導入)について、支援を検討する。
・メコン地域諸国は、ASEAN包括的投資協定(ACIA)及びASEANサービス枠組み協定(AFASs)の実施を促進し、投資法や関連法規及び政策について議論するための投資に関するセミナーを開催することにより、緊密に協力する。
2.4 官民協力のための行動及び措置
・日本とメコン地域諸国は、官民協力のための枠組みの強化のため、官民協力・連携促進フォーラムを引き続き定期的に開催する。また、当該フォーラムと日メコン産業政府対話との連携強化を図る。
・日本とメコン地域諸国は、引き続き、貿易及び投資の促進のため、官民合同対話を実施する。
・日本は、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー及びベトナム)に対する「日・アセアン人材養成協力事業」を引き続き実施する。
・日本は、ラオスにおけるビエンチャン工業団地の開発について、支援を検討する。
・日本及びベトナムは、「ラックフェン国際港建設計画」について、適切な運営管理に向けて事業を着実に実施する。
・日本は、「ベトナム・ロンアン省環境配慮型工業団地関連事業」について、[民間事業者への融資を通じて事業を支援する。
・日本は、「ベトナム・ダナン市上水事業」「ビンズオン省上水事業」について、調査を踏まえ、支援を検討する。
2.5 グローバル市場経済へメコン地域諸国を組み込むための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、ASEAN首脳会議の議長声明を受けて2013年5月に開始された東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を、「基本指針」を踏まえ、2015年末までの交渉完了を目指し、更に進展させるために協力する。
・日本、カンボジア、ミャンマー、タイ及びベトナムは、2013年2月のラオスのWTO加盟を歓迎し、多角的貿易体制の維持・強化に取り組む。
2.6 文化交流・観光促進のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、日本と他のアジアの国で学び合う未来を創るため、互いの多様性を尊重しつつ、メコン地域を含むASEAN域内における芸術・文化・スポーツの双方向の交流と日本語学習支援を推進し、アジア域内の文化交流を抜本的に強化する。
・日本及びメコン地域諸国は、ミャンマーに文化ミッションを派遣した結果等を踏まえ、メコン地域の多様性に着目しながら、有形無形の文化遺産の保護等の分野において、各国との交流・協力を強化する。
・日本及びメコン地域諸国は、日本旅行業協会(JATA)が、同協会メコン地域観光促進委員会の策定する「活動計画」に沿い、観光促進を実施することを歓迎する。
・日本及びメコン地域諸国は、日ASEANセンターによる観光促進事業を奨励する。
・日本及びカンボジアは、「アンコール・ワット西参道修復機材整備計画」について、調査を終了したことを受け、事業を着実に実施する。
・日本及びカンボジア、ラオスは、日本とそれぞれの国との二国間航空協定交渉を開始し、交渉を着実に進めていく。また、日本及びミャンマーは航空協定の改正について、実質合意を歓迎し、その早期発効に努める。
・メコン地域諸国は、日本が本年全てのメコン諸国に対し査証緩和を決定したことを歓迎し、また、日本とメコン地域諸国は、人的交流の促進のため、更なる努力を行う。
・日本及びメコン地域諸国は、日本とメコン地域諸国を含むASEAN域内との航空協定についての検討を開始する。
2.7 CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)開発及びCLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)開発の三角地帯への支援を強化するための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、ASEAN統合基金(JAIF)を用いたCLV開発の三角地帯のための案件の実施を引き続き加速化する。
・日本とカンボジアは、2013年3月に交換公文に署名した「ラタナキリ州小水力発電所建設・改修計画」を着実に実施する。
・日本とラオスは、2013年3月に交換公文に署名した「南部地域保健サービスネットワーク強化計画(チャンパサック県、セコン県、サラワン県及びアッタプー県」を着実に実施する。
・日本及びタイは、ASEAN統合基金(JAIF)を用いたタイ・カンボジア国境地域の地雷処理を促進する。
・日本及びベトナムは、ベトナム・カンボジア間及びベトナム・ラオス間の国境市場のネットワーク構築に対する日本の支援の可能性について検討を行う。
・カンボジア、ラオス、ミャンマー及びベトナムは、CLMV経済大臣会合にて採択されたCLMV行動計画を実施する。
3.第3の柱 人間の安全保障及び環境の持続可能性を維持する
3.1 防災協力のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、2015年3月に仙台で開催される第3回国連防災世界会議及び災害に強い強靱な社会の構築のためのポスト兵庫行動枠組の策定に向け協力する。
・日本は、「ASEAN防災ネットワーク構築構想」の実現に寄与するASEAN防災人道支援調整(AHA)センターや防災機関とのネットワークの構築を推進する。
・日本は、AHAセンターへの協力及びその実施を強化する。
・日本は、ラオスにおける「気象水文システム整備計画」について、実施を検討する。
・日本及びラオスは、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)災害救援・人道支援(HADR)分野における専門家会合(EWG)の次期共同議長国(2014年4月〜)として、HADR活動における調整と協力、能力向上の強化を推進する。
・日本及びミャンマーは、両国間の防災協力を深めるため、「防災協働対話」の枠組みの構築を目指す。
・日本及びミャンマーは、2012年4月に交換公文の署名を行った「沿岸部防災機能強化のためのマングローブ植林計画」、2012年7月に交換公文の署名を行った「エーヤーワディ・デルタ輪中堤復旧機材整備計画」、2013年3月に交換公文の署名を行った「気象観測装置整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本とタイは、人材育成等の措置を通じ、神戸のアジア防災センター(ADRC)及びバンコクのアジア災害予防センター(ADPC)との間の連携を強化するための取組を促進する。
・日本は、アジア太平洋電気通信共同体(APT)と連携して、タイにおいて「行政管理のための移動型災害監視・早期警戒ユニットシステムの研究」を実施する。
・日本及びタイは2013年9月に「防災協働対話」実施の覚書に署名されたことを歓迎し、着実に実施する。
・日本とベトナムは2013年9月に「防災協働対話」実施の覚書に署名されたことを歓迎し、着実に実施する。
・日本及びベトナムは、「衛星情報の活用による災害、気候変動対策計画」を着実に実施する。
・日本は、メコン地域に対し、ハードインフラとソフトインフラ対策を組み合わせた総合的な防災力向上の支援を行う。
・日本とベトナムは、都市の浸水対策等の下水道分野における協力を推進する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文が署名された「ハノイ市エンサ下水道整備事業」について、事業を着実に実施する。
3.2 環境及び気候変動課題のための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、2010年に策定したグリーンメコンに向けた10年イニシアティブに関する行動計画を着実にかつ迅速に進展させる。日本及びメコン地域諸国は、2013年10月に第2回グリーン・メコン・フォーラムがバンコクにて開催されたことを歓迎した。
・日本及びメコン地域諸国は、水力発電案件による影響を含む、メコン河の持続可能な管理と開発に関する調査についての協力を行う。
・日本は、メコン河委員会への専門家派遣を通じて、メコン河流域の水資源管理を引き続き支援する。
・日本及びメコン地域諸国は、低炭素成長の実現にむけて、ジョイント・クレディティング・メカニズム(JCM)を中心とした政策ツールを活用するための協議を加速化する。かかる観点から、ベトナム及びラオスとの間でJCMに関する二国間文書に署名したことを歓迎する。
・日本及びメコン地域諸国は、東アジア低炭素成長パートナーシップ対話の成果に沿って、協力を推進する。2013年5月に東京で開催された第2回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話について、日本は、共同議長を務めたカンボジアをはじめメコン諸国の参加と議論への貢献に謝意を表した。
・日本及びメコン地域諸国は、ヘイズ予防措置に関する協力の可能性について検討する。
・日本及びカンボジアは、カンボジアにおける「トンレサップ西部流域灌漑施設改修計画」について、事業を着実に実施する。
・日本は、カンボジアにおける「プノンペン南西部灌漑・排水施設改修計画」について、準備を進める。
・日本及びカンボジアは、「森林保全計画」について事業を着実に実施する。
・日本は、ラオスにおける廃棄物管理に係る事業の調査を着実に実施する。
・日本及びベトナムは、2013年10月にベトナムにおけるエコシティプロジェクトの実施促進に関する協定覚書に署名されたことを歓迎し、具体プロジェクトの早期実施に向けて協力する。
・日本及びベトナムは、下水道分野における協力覚書に基づき、水環境保全や再生水利用、下水汚泥の資源化・エネルギー利用等の下水道分野における協力を推進する。
・日本及びベトナムは、総合水資源管理に関するワークショップの開催等を通じ、水資源分野に関する両国の協力関係を強化する。
・日本及びベトナムは、環境・防災のためのセンサーネットワーク等を活用した情報通信基盤整備事業の実現に向けて、防災ICTワークショップを通じ、ベトナムにおける環境及び防災分野の諸課題の解決のために行動する。
・日本及びベトナムは、メコンデルタ沿岸地域の持続的な農業及び地方の発展のための気候変動対策の可能性について考慮する。
・日本及びベトナムは、2013年3月に交換公文に署名された「気候変動対策支援プログラム」について、事業を着実に実施する。
・ベトナムは、環境にやさしい産業分野における案件の発展の可能性を検討する。
3.3 様々な開発パートナーと協力し、メコン地域諸国横断的な目標を2015年までに達成するための行動及び措置
・日本及びメコン地域諸国は、(1)8万人新生児を含む約14万2千人の乳幼児の命を救う、(2)約1万2千人の妊産婦の命を救う、(3)エイズによる死亡者約2万名を削減する、(4)結核による死亡者約1万6千人の削減する、(5)マラリアによる死亡者約5万5千人を削減する、というメコン地域諸国横断的な人間の安全保障の目的達成に寄与するため、他の開発パートナーと共に、母子保健及び感染症に関する具体的な行動をとる。
・日本は、「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」の実施により、新興・再興感染症分野における研究の促進を通じた若手研究者の育成を行い、当該感染症の脅威の克服に貢献する。
・日本は、アジア太平洋電気通信共同体(APT)と連携して、ラオスにおいて「ルーラルエリアにおけるICTを利用した医療情報プロジェクト」を実施した。
3.4 メコン地域におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジに資するための行動及び措置
・日本は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを目指した保健システム強化のための研修等の実施を検討する。
・日本は、貧困地域における病院または診察所建設のための支援を行う。
・日本はメコン地域において、検診・健診を中心とする予防医療の普及を促進する。
・日本及びカンボジアは、2013年11月に保健医療分野における協力覚書に署名したことを歓迎し、本分野における協力を着実に促進する。また、両国は、日本の企業による救急救命センターの設立の決定を歓迎した。
・日本及びカンボジアは、2013年3月に交換公文が署名された「シハヌーク州病院整備計画」について、事業を着実に実施する。
・日本及びラオスは、2013年11月に保健医療分野における協力覚書に署名したことを歓迎し、本分野における協力を着実に促進する。
・日本とミャンマーは、今般、保健医療分野における協力覚書に署名されることを歓迎し、本分野における協力を着実に促進する。
・日本及びミャンマーは、2012年7月に交換公文の署名を行った「中部地域保健施設整備計画」、2013年3月に交換公文の署名を行った「病院医療機材整備計画」について、事業を着実に実施する。
・ベトナムは、薬剤、保健、疾病手当の分野での案件の発展の可能性を検討する。
・日本とベトナムは、ガンと生活習慣病予防に関する協力を強化する。
・日本とベトナムは、チョーライ病院(第2)の建設について、着実に実施する。
3.5 食料安全保障及び食品の安全性のための行動及び措置
・日本は、ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)の活動の下、メコン地域において自然災害等の緊急時に支援する米を備蓄し、食料安全保障の強化と貧困の撲滅を目指す取り組みを実施する。
・日本及びメコン地域諸国は、ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)に関し、2015年までを目途に、アセアン諸国の自立的な枠組みによる組織運営を確立し、(1)食料安全保障情報に係るデータベースの改善・更新、(2)農産物需給見通し及びアセアン食料安全保障分析レポートの作成、(3)早期警戒情報の作成、(4)人材育成、(5)その他の新たな活動を国際機関やドナーからの支援を得て実施する。日本は、中長期需給見通しの作成及びそのための畜産、飼料作物関連のデータ項目拡充に係る活動を引き続き支援する。
・日本は、検疫管理、検査、規制制度や実験分析等、地域の食料の安全性に関する能力向上の強化のためにメコン地域諸国と協力する。
・日本及びベトナムは、「食品安全確保のためのSPSセンター機材整備計画」の支援に向けた協議を継続する。
・日本とメコン地域諸国は、国際水田・水環境ネットワーク(INWEPF)における活動を通じて、食料安全保障や持続可能な水利用の実現に向け協力関係を強化する。
・日本は、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の、国境を超えて広がる家畜の伝染性疾病への対応能力の強化を支援する。
・日本は、SPS措置(食品安全、動物衛生、植物防疫)に関する国際基準の普及等を通じて、ASEAN地域における制度の調和を支援する。
3.6 社会保障のための行動及び措置
・日本は、メコン地域では経済の発展が期待されるとともに、人口構造の急速な高齢化が進むことに鑑み、高齢者をはじめとする社会的弱者に対する社会保障分野の取組に関する政策対話を目的とした定期的な会議の開催を通じ、メコン地域の社会保障政策の推進を引き続き支援する。
・日本は、JICA等による、専門家派遣、研修生受入等を通じた、メコン地域における社会保障分野の人材育成を引き続き支援する。
・日本は、国際労働機関(ILO)、世界保健機関(WHO)、地域協力機構(東南アジア諸国連合)との協力を通じた、社会セーフティネット(雇用、労働者の安全と健康等の分野)の構築・整備、また、労使団体の社会セーフティネットに関する政策決定への参加促進を引き続き支援する。
・日本は、国際労使ネットワーク等を通じたインフォーマルセクターの組織化を草の根レベルで支援し、メコン地域の社会保障水準の向上を支援する。
3.7 投資支援のための行動及び措置(コンプライアンスの遵守、ディーセントワーク、環境評価基準の尊重)
・日本は、投資促進機関の能力向上のための行動をとる。
4.分野横断的な行動及び措置
・日本は、第4回日本・メコン地域諸国首脳会議において日本が提示した主要インフラ案件を改訂し、これらの案件を実施するようメコン地域諸国と協力する。メコン地域諸国は、案件の実現に向け最大限努力する。
・日本及びタイは、2012年9月に第1回インフラ・ワーキング・グループが行われたことを歓迎し、これを引き続き実施する。
・日本は、インフラ開発を推進し、主要インフラ案件をフォローアップするため、ラオスにおいてインフラセクターワーキンググループの共同議長として引き続き貢献する。
・日本は、基礎生活分野などの社会基盤整備にあたって、円借款、無償資金協力、技術協力を活用し、2013年度から2015年度までの3年間で約6,000億円の支援を着実に実施する。
・日本及びメコン地域諸国は、環境・エネルギー、生物資源、感染症、防災などの地球規模課題の解決を目指し、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)を引き続き推進する。
・タイは、地域における開発ドナーとして、メコン地域におけるインフラ開発案件及び技術協力のため、約8.83億円のコミットメントを実現する。
・メコン地域諸国は、日本のODAを効率的かつ効果的に使用するために必要な措置をとる。
・日本及びメコン地域諸国は、アジア諸国が共通して抱える課題の解決を目指して、e-ASIA共同研究プログラムを実施する。
・日本及びメコン地域諸国は、首脳会議、外相会議、高級実務者会議等の会議で定期的に地域・国際情勢を議論する。
・日本は、未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い、相互理解を促進するため「JENESYS(21世紀東アジア青少年大交流計画)」を再び実施し、「JENESYS2.0」と名づけ、ASEANを含むアジア諸国との間の交流を実施する。
・日本は、日本の大学及び教育機関によるメコン地域諸国からの学生、及び、より多くの日本の学生のメコン地域諸国への派遣を歓迎する。また、日本は、我が国とメコン地域諸国との間での質の保証を伴う大学間交流を促進するため、「大学の世界展開力強化事業」において、メコン地域諸国を含めたASEAN諸国等との大学間交流形成を支援する。
・日本及びメコン地域諸国は、「国連持続可能な開発のための10年(DESD)」の最終年となる2014年に日本において開催される「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」を通じてESDを推進する。
5.フォローアップの仕組み
・日本及びメコン地域諸国は、行動計画の行動及び措置の実施の進捗について、日メコンの定例会議(首脳会議、外相会議、経済大臣会議、及び高級実務者会議)においてフォローアップを行う。
・日本及びメコン地域諸国は、行動計画は生きた文書であることを再確認し、定期的に見直され、かつ、必要な場合には更新されることを確認した。