[文書名] 日カンボジア共同記者発表岸田総理御発言
フン・セン首相閣下、ご列席の皆様。私たちの親しい友人であるカンボジアの皆様との再会を嬉しく思います。温かい歓迎に感謝します。
本日の会談において私とフン・セン首相は、両国の協力の大きな進展を踏まえ、来年の外交関係樹立70周年の機会に、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることに合意しました。これを機に、カンボジアとの協力を一層推し進めていきます。
両国間の協力には大きな潜在力があります。その一つが、日カンボジア・デジタル製造業センター(CJDM)です。カンボジアの更なる成長には、産業の発展を支える技術と人材が必要です。
CJDMは、日本の協力の下、デジタル技術で金属部品を製作できる人材を養成し、今はまだカンボジアが輸入に頼っている部品をカンボジア国内で生産することを目指します。
私たちの協力は二国間にとどまりません。本日の会談でも、フン・セン首相と地域・国際情勢について議論しましたが、両国は、力による一方的な現状変更を認めないとの立場を共有し、共に発信してきました。特に、ロシアによるウクライナにおける核兵器の使用の威嚇は受け入れられず、ましてやその使用はあってはならないという断固たる決意を共に訴え続けなければなりません。
また、日本が長年協力してきた技術を用いて、カンボジア地雷対策センターがJICAと共にウクライナに対して地雷探知機の使用訓練を実施することは、国際社会への力強いメッセージです。
日本とカンボジアは来年、外交関係樹立70周年を迎えます。「包括的戦略的パートナーシップ」の下、一層幅広い分野へと両国間の協力が広がり、両国民間の交流が活発に行われることを期待します。
ソーム・オークン(カンボジア語でありがとう)
(了)