[文書名] 繁栄のためのインド太平洋経済枠組みに関する首脳声明
1年半前、我々、オーストラリア、ブルネイ、フィジー、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、大韓民国、タイ、アメリカ合衆国、ベトナムの首脳は、我々の経済の強靱性、持続可能性、包摂性、経済成長、公平性及び競争力を高めるため、繁栄のためのインド太平洋経済枠組み(IPEF)を立ち上げた。 我々は記録的な速さで目標を達成した。
我々は、ここカリフォルニア州サンフランシスコで、初の試みとなるサプライチェーン協定の署名に立ち会い、画期的なクリーン経済協定及び革新的な公正な経済協定の交渉を実質妥結させた。 これらの協定を通じた我々の継続的な協力は、労働者の権利を促進し、サプライチェーンの途絶の防止とこれに対応するための能力を高め、クリーンな経済への移行に関する我々の協力を強化し、腐敗と戦い、税務行政の効率性を改善させる。我々のうち13か国は、技術支援と経済協力を伴った形で、強力で強制力のある労働基準を通じて労働者の権利を向上させ、家族、畜産家及び農家並びに零細中小企業のビジネスの機会を改善させ、公正で開かれたルールに基づく貿易を促進させ、社会のあらゆる層に恩恵をもたらす、相互に有益な貿易の柱の成果に向けて、前進しており、引き続き取り組んでいく。
これらの取組や新しい取組を通じて、我々は、新たな課題に対処する地域協力及び共通のコミットメントを強化し、イノベーションの促進と、我々の市場全体の商取引、貿易及び投資のフローの増進を増長し続けていく。 そのため、本日、我々は、IPEF重要鉱物対話を立ち上げ、重要鉱物に関するIPEFサプライチェーンを強化し、地域の経済的な競争力を高めるためのより緊密な協力を促進する。 我々は、エネルギー安全保障及び技術等の相互に関心を有する分野における協力と対話を推進するための更なる取組を模索する意図を有する。また、我々は、人と人との結びつきを深めることの重要性を強調し、全ての人々の参加を促進し、全ての人々にとってプラスとなる成果を確保するため、ステークホルダー間でアイデア及び専門知識を共有するためのIPEFネットワークを促進する意図を有している。
我々は、適切な形で規模が拡大された、譲許的融資を含む高水準の公的及び民間の資金を動員することは、サプライチェーンの強靱性及びクリーン経済への移行に向けた投資を促進することを認識する。 我々は、持続可能な開発及びネット・ゼロ排出経済への移行を促進し、現在及び将来において働きがいのある人間らしい仕事の機会を拡大する投資環境を創出することにコミットする。
我々は、IPEFを、我々の共通の利益を促進し、現在及び将来の成長を促進する重要な経済課題に共に取り組み、地域の経済活動及び統合を推進するための、開かれた、包摂的で、柔軟で、永続的かつダイナミックなフォーラムとすべく立ち上げた。 本日の会合は、我々が、2024年から毎年開催される閣僚級のIPEF評議会の設立及び2年に1度の首脳会合を通じたものを含め、今後数か月、数年間にわたり前進し続けるための新たな基盤を築くものである。 我々の継続的な関与と協力を通じて、IPEFは、労働者の権利を促進し、環境を保護し、全ての人々のための平和、安定、発展及び繁栄の未来における働きがいのある人間らしい仕事、包摂的で持続可能な経済機会を創出するための我々の能力を高めることとなる。