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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書(日・インドネシア経済連携協定改正議定書)

[場所] ジャカルタ
[年月日] 2024年8月8日
[出典] 外務省
[備考] テレビ会議方式で署名
[全文] 

経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書


   前文

 日本国及びインドネシア共和国(以下「両締約国」という。)は、

 二千七年八月二十日にジャカルタで作成された経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定(以下「協定」という。)第百五十一条の規定に従って協定の一般的な見直しを行い、

 協定が、現在の進展に対応するに当たり事業にとって引き続き妥当であることを確保するために、特に、物品の貿易、サービスの貿易、自然人の移動、知的財産及び政府調達の分野において協定を改善する必要があることを認識し、

 変化する国際的な事業慣行及び貿易慣行並びに両締約国間の電子商取引の一層の重要性を考慮に入れて協定の近代化を図ることを希望し、

 協定第百五十二条の規定に従って協定を改正するための議定書を締結することを希望して、

 次のとおり協定した。

   第一条

協定の目次をこの議定書の附属書Aに掲げる新たな目次に改める。

   第二条

 協定第二条1中(g)を(i)とし、(f)の次に次の(g)及び(h)を加える。

 (g) 「議定書」とは、二千二十四年八月八日に東京及びジャカルタで作成された経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書をいう。

 (h) 「貿易関連知的所有権協定」とは、千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定をいう。

   第三条

 協定第十一条1から4までを次のように改める。

1 次章から第五章まで、第七章のA及び第八章の規定の適用上、千九百九十四年のガット第二十条の規定は、必要な変更を加えた上で、この協定に組み込まれ、この協定の一部を成す。

注釈 両締約国は、千九百九十四年のガット第二十条(b)に規定する措置には人、動物又は植物の生命又は健康の保護のために必要な環境に関する措置が含まれること及び同条(g)の規定が有限天然資源(生物資源であるかどうかを問わない。)の保存に関する措置について適用されることを了解する。

2 第五章から第七章のAまでの規定の適用上、サービス貿易一般協定第十四条(その注を含む。)の規定は、必要な変更を加えた上で、この協定に組み込まれ、この協定の一部を成す。

  注釈 両締約国は、サービス貿易一般協定第十四条(b)に規定する措置には人、動物又は植物の生命又は健康の保護のために必要な環境に関する措置が含まれることを了解する。

3 この協定のいかなる規定も、次のいずれかの事項を定めるものと解してはならない。

 (a) 締約国に対し、その開示が自国の安全保障上の重大な利益に反すると当該締約国が認める情報の提供を要求すること。

 (b) 締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める次のいずれかの措置をとることを妨げること。

  (i) 核分裂性物質若しくは核融合性物質又はこれらの生産原料である物質に関する措置

  (ii) 武器、弾薬及び軍需品の取引並びに軍事施設に供給するため直接若しくは間接に行われるその他の貨物及び原料の取引に関する措置又は軍事施設のため直接若しくは間接に行われるサービスの提供に関する措置

  (iii) 通信、電力及び水道の基盤を含む中枢的な公共基盤を防護するためにとる措置

    注釈 中枢的な公共基盤は、公有のものであるか私有のものであるかを問わない。

  (iv) 国家の緊急時又は戦時その他の国際関係の緊急時にとる措置

 (c) 締約国が国際の平和及び安全の維持のため国際連合憲章に基づく義務に従って措置をとることを妨げること。

4 一方の締約国は、1から3までのいずれかの規定に従って、第五章の規定に基づく義務に適合しない措置をとる場合には、当該措置をとる前に、又はその後できる限り速やかに、他方の締約国に対し当該措置の概要を通報するよう妥当な努力を払う。

   第四条

 協定第二十六条(b)を次のように改める。

 (b) この章の規定に関連する問題(統一システムの改正を反映するために各締約国の関税率表を更新する措置を含む。)について討議すること。

  注釈 両締約国は、各締約国が統一システムの改正の後に附属書一の表に定める関税の譲許を実質的に変更することなく自国の関税率表の更新を行うこと及び当該更新が第百五十二条に定める改正を構成するものでないことを了解する。

   第五条

 協定第九十五条3の次に次の4から7までを加える。

4 一方の締約国は、入国の許可及び一時的な滞在の許可又は一時的な滞在に係る期間の更新の許可についての不備のない申請であって、第九十二条の規定の対象となる他方の締約国の自然人である申請者又は当該申請者の雇用者から受理したものの処理を、不当に遅滞することなく行う。

5 締約国の権限のある当局は、入国の許可及び一時的な滞在の許可についての申請を処理するために追加の情報を得る必要がある場合において、適当なときは、不当に遅滞することなく申請者に通知するよう努める。

6 各締約国は、要請があった場合には、入国の許可及び一時的な滞在の許可又は一時的な滞在に係る期間の更新の許可についての不備のない申請を受理した後合理的な期間内に、申請者に対して次の事項を通知する。

 (a) 申請の受理

 (b) 申請の処理状況

 (c) 申請に関する決定(当該申請を承認する場合には、滞在の期間その他の条件を含む。)

7 各締約国は、入国及び一時的な滞在又は一時的な滞在に係る期間の更新に関し、自国の法令に従い、要件(必要とされる書類を含む。)を簡素化し、並びに手続を円滑化し、及び迅速化するよう努める。

   第六条

 協定第七章の次に次の一章を加える。

   第七章のA 電子商取引

    第九十六条のA 適用範囲

1 この章の規定は、電子商取引に影響を及ぼす締約国による措置について適用する。

2 この章の規定は、政府調達については、適用しない。

3 この章の規定とこの協定の他の章の規定とが抵触する場合には、その抵触の限度において、当該他の章の規定が優先する。

    第九十六条のB 定義

この章の規定の適用上、

 (a) 「コンピュータ関連設備」とは、商業上の利用のために情報を処理し、又は保存するためのコンピュータ・サーバー及び記憶装置をいう。

 (b) 「対象者」とは、次のいずれかのものをいう。ただし、対象者には、附属書七第一節2(a)(ii)及び(iii)に定義する「金融サービス提供者」及び「公的機関」を含まず、また、金融機関を含まない。

  (i) 一方の締約国の区域内にある他方の締約国の投資家の第五十八条(f)に定義する「投資財産」

  (ii) 第五十八条(h)に定義する「他方の締約国の投資家」

  (ii) いずれかの締約国の第七十七条(q)に定義する「サービス提供者」

 (c) 「措置」とは、あらゆる措置(法令、規則、手続、決定、行政上の行為その他のいずれの形式であるかを問わない。)をいう。

 (d) 「個人情報」とは、特定された又は特定し得る自然人に関する情報(データを含む。)をいう。

    第九十六条のC オンラインの消費者の保護

1 両締約国は、消費者が電子商取引を行うに当たり、当該消費者を詐欺的な又は誤認させる行為から保護するための透明性のある、かつ、効果的な措置を採用し、及び維持することの重要性を認識する。

2 この条の規定の適用上、詐欺的な又は誤認させる行為とは、消費者に実害をもたらす詐欺的な若しくは誤認させる行為又は防止されない場合にはこのような実害をもたらす急迫したおそれがある詐欺的な若しくは誤認させる行為をいい、次の行為を含む。

 (a) 重要な事実に関して誤った表示(その暗示を含む。)を行う行為であって、誤認した消費者の経済的利益に重大な損失をもたらすもの

 (b) 消費者による代金の支払の後、当該消費者に商品を引き渡さず、又はサービスを提供しない行為

 (c) 消費者の金融口座、電話料金のための口座その他の口座に許可なく請求を行い、又はこれらの口座から許可なく引落としを行う行為

3 各締約国は、電子商取引を利用する消費者に損害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある詐欺的な又は誤認させる行為から当該消費者を保護することを定める国内法令を採用し、又は維持する。

4 両締約国は、消費者の保護を強化するため、電子商取引に関連する活動に関し、消費者の保護について責任を有するそれぞれの権限のある当局の間で協力を行うことの重要性を認識する。

    第九十六条のD 個人情報の保護

1 両締約国は、電子商取引の利用者の個人情報を保護することの経済的及び社会的な利益並びに当該個人情報を保護することの電子商取引における消費者の信頼の向上に対する貢献を認める。

2 各締約国は、電子商取引の利用者の個人情報の保護を確保する法令を採用し、又は維持する。各締約国は、個人情報の保護のための法令を制定するに当たり、関係する国際的な機関又は団体の国際的な基準、原則、指針及び規準を考慮する。

3 各締約国は、その管轄内で生ずる個人情報の保護の違反から電子商取引の利用者を保護するに当たり、差別的でない慣行を採用するよう努める。

4 各締約国は、自国が電子商取引の利用者に提供する個人情報の保護に関する情報を公表すべきである。当該個人情報の保護に関する情報には、次の方法に関するものを含める。

 (a) 個人が救済を得ることができる方法

 (b) 事業者が法的な要件を満たすことができる方法

5 各締約国は、個人情報を保護するために両締約国が異なる法的な取組方法をとることができることを認識し、このような異なる制度の間の一貫性を促進する協力の発展を奨励すべきである。当該協力には、規制の結果の承認(一方的に与えるものか相互の取決めによるものかを問わない。)又はより広範な国際的な枠組みを含めることができる。このため、両締約国は、その区域内における当該協力に関する情報を交換するよう努め、及び当該協力又は両締約国間で一貫性を促進する他の適当な取決めを拡大するための方法を探求する。

    第九十六条のE 国内規制の枠組み

各締約国は、千九百九十六年の電子商取引に関する国際連合国際商取引法委員会モデル法、二千五年十一月二十三日にニューヨークで作成された国際的な契約における電子的な通信の利用に関する国際連合条約その他の電子商取引に関連する適用可能な国際条約及び国際的なモデル法を考慮して、電子的な取引を規律する法的枠組みを採用し、又は維持する。


    第九十六条のF 国境を越える情報の流通

1 両締約国は、各締約国が情報の電子的手段による移転に関する自国の規制上の要件を課することができることを認識する。

2 いずれの締約国も、情報(個人情報を含む。)の電子的手段による国境を越える移転が対象者の事業の実施のために行われる場合には、当該移転を妨げてはならない。

  注釈 この2の規定の適用上、インドネシアは、電子的なシステム及び取引の運用に関する政令(二千十九年政令第七十一号)又は当該政令の改正及び当該政令に代わるものに従って、政府機関又は電子的なシステムの運用の業務を行うために政府機関が委任する機関のために及びこれらの機関に代わって事業が行われる場合に、自国の区域内において一定の情報を保存し、及び処理することを要求する措置を採用し、又は維持することができる。

3 この条のいかなる規定も、2の規定に適合しない措置であって、締約国が次のことのために必要であると認めるものを当該締約国が採用し、又は維持することを妨げるものではない。

 (a) 公共政策の正当な目的を達成すること。ただし、当該措置については、恣意的若しくは不当な差別の手段又は貿易に対する偽装した制限となることとなる態様で適用しないこと及び目的の達成のために必要である以上に情報の移転に制限を課するものでないことを条件とする。

 (b) 自国の安全保障上の重大な利益を保護すること。

4 2の規定は、締約国により若しくは締約国のために保有され、若しくは処理される情報又は当該情報に関連する措置(当該情報の収集に関連する措置を含む。)については、適用しない。

    第九十六条のG コンピュータ関連設備の設置

1 両締約国は、各締約国がコンピュータ関連設備の利用に関する自国の規制上の要件(通信の安全及び秘密を確保することを追求する旨の要件を含む。)を課することができることを認識する。

2 いずれの締約国も、自国の区域内において事業を実施するための条件として、対象者に対し、当該区域内においてコンピュータ関連設備を利用し、又は設置することを要求してはならない。

  注釈 この2の規定の適用上、インドネシアは、電子的なシステム及び取引の運用に関する政令(二千十九年政令第七十一号)又は当該政令の改正及び当該政令に代わるものに従って、政府機関又は電子的なシステムの運用の業務を行うために政府機関が委任する機関のために及びこれらの機関に代わって事業が行われる場合に、自国の区域内において一定の情報を保存し、及び処理することを要求する措置を採用し、又は維持することができる。

3 この条のいかなる規定も、2の規定に適合しない措置であって、締約国が次のことのために必要であると認めるものを当該締約国が採用し、又は維持することを妨げるものではない。

 (a) 公共政策の正当な目的を達成すること。ただし、当該措置については、恣意的若しくは不当な差別の手段又は貿易に対する偽装した制限となることとなる態様で適用しないこと及び目的の達成のために必要である以上にコンピュータ関連設備の利用又は設置に制限を課するものでないことを条件とする。

 (b) 自国の安全保障上の重大な利益を保護すること。

4 2の規定は、締約国により若しくは締約国のために保有され、若しくは処理される情報又は当該情報に関連する措置(当該情報の収集に関連する措置を含む。)については、適用しない。

    第九十六条のH ソース・コード

1 いずれの一方の締約国も、他方の締約国の者が所有するソフトウェア又は当該ソフトウェアを含む製品の自国の区域内における輸入、頒布、販売又は利用の条件として、当該ソフトウェアのソース・コードの移転又は当該ソース・コードへのアクセスを要求してはならない。

2 この条のいかなる規定も、1の規定に適合しない措置であって、一方の締約国が次のことのために必要であると認めるものを当該一方の締約国が採用し、又は維持することを妨げるものではない。

 (a) 公共政策の正当な目的を達成すること。ただし、当該措置については、恣意的若しくは不当な差別の手段又は貿易に対する偽装した制限となることとなる態様で適用しないこと及び目的の達成のために必要である以上に他方の締約国の者が所有するソフトウェアのソース・コードの移転又は当該ソース・コードへのアクセスに制限を課するものでないことを条件とする。

 (b) 自国の安全保障上の重大な利益を保護すること。

3 この条のいかなる規定も、次のことを妨げるものではない。

 (a) 商業的に交渉された契約においてソース・コードの提供に関する条件を含めること又は当該条件を履行すること。

 (b) 締約国が、ソフトウェアをこの協定の規定に反しない法令に適合させるために必要とされる当該ソフトウェアのソース・コードの修正を要求すること。

4 2(b)の規定に該当する措置は、第十四章の規定による紛争解決の対象とならない。

    第九十六条のI 協力

1 両締約国は、適当な場合には、次のことのために協力する。

 (a) 中小企業が電子商取引の利用に対する障害を克服するよう支援すること。

 (b) 両締約国が自国の電子商取引のための法的枠組みを実施し、又は強化することに資する両締約国間の対象を特定した協力のための分野(研究活動及び訓練活動、能力開発、技術援助の供与等)を特定すること。

 (c) 電子商取引の発展及び利用に関連する課題に対処するに当たり、情報、経験及び最良の慣行を共有すること。

 (d) 産業界に対し、電子商取引の利用を促進するために説明責任及び消費者の信頼を向上させる手法又は慣行を生み出すよう奨励すること。

 (e) 電子商取引の発展を促進するために地域的な及び多数国間の場に積極的に参加すること。

2 両締約国は、国際的な場において追求される協力に係る既存の自発的活動を基礎とし、かつ、これと重複しない形態の協力を行うよう努める。

   第七条

 協定第百六条3(c)の次に次の(d) を加える。

(d) 千九百九十九年七月二日の意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定第八条

 協定第百十二条7の次に次の8を加える。

8 各締約国は、特許出願が自国の国語に翻訳される場合には、特許出願人又は特許権者が、自国の法令に従って特許を十分かつ効果的に取得し、及び行使することを確保するため、審査の決定前及び特許の付与後の合理的な期間、当該特許出願の翻訳文における誤りを訂正することができることを定める。

  注釈 この8の規定は、当該特許出願が、自国の国語以外の言語で行われ、かつ、その後自国の国語に翻訳された場合又は当該特許出願が、自国の国語以外の言語で記載された一若しくは二以上の先の出願であって優先権の主張の基礎となるものに基づき自国の国語に翻訳され、かつ、自国の国語で行われた場合について適用する。第九条

 協定第百十三条を次のように改める。

1 同条1に第三段として次のように加える。

 各締約国は、主として技術的又は機能的な考慮により特定される意匠については、その保護が及んではならないことを定める。

2 同条5の次に次の6及び7を加える。

 6 各締約国は、意匠登録出願人が、意匠に関する行政当局に対し当該意匠登録出願人が指定する期間(自国の法令に定める期間を超えないものとする。)中に当該意匠を公開しないよう請求することができることを定める。

 7 各締約国は、1及び3の規定に基づいて構成部品(構成部品が複合製品の元の外観を回復するための修理を目的として使用されるか否かを問わない。)に意匠の保護を与えることを確保する。ただし、当該構成部品の意匠が登録されている場合に限る。

   第十条

 協定第百十四条の次に次の一条を加える。

    第百十四条のA 地理的表示

1 各締約国は、自国の法令に従って地理的表示を保護するために十分かつ効果的な手段を確保する。

2 この章の規定の適用上、「地理的表示」とは、ある商品について、その確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地に主として帰せられる場合に、当該商品が締約国の区域又はその区域内の地域若しくは地方を原産地とするものであることを特定する表示をいう。

3 両締約国は、地理的表示に関し、貿易関連知的所有権協定第二十三条の規定の適用を妨げることなく、利害関係を有する者に対し、次の行為を防止するための法的手段を確保する。

(a) 商品の特定又は提示において、商品の地理的原産地について公衆を誤認させるような方法で、問題となっている商品が真正の原産地以外の地理的区域を原産地とするものであることを表示し、又は示唆する手段を使用すること。

(b) 千八百八十三年三月二十日にパリで署名された工業所有権の保護に関するパリ条約(その改正を含む。)第十条の二に規定する不正競争行為を構成する形で使用すること。

4 各締約国は、真正の原産地が表示される場合又は地理的表示が翻訳された上で使用される場合若しくは「種類」、「型」、「様式」、「模造品」等の表現を伴う場合においても、利害関係を有する者に対し、少なくともぶどう酒、蒸留酒その他のアルコール飲料及び農産品を特定する地理的表示が当該地理的表示によって表示されている場所を原産地としない同一又は同種の商品に使用されることを自国の区域内において防止するための法的手段を確保する。

  注釈1 各締約国は、この4に規定する義務に関し、第百二十条の規定にかかわらず、民事上の司法手続に代えて行政上の措置による実施を確保することができる。

  注釈2 この条の規定の適用上、日本国における地理的表示の保護に関し、「アルコール飲料」とは、一パーセント以上のアルコールを含有する飲料をいう。

  注釈3 この条の規定の適用上、日本国における地理的表示の保護に関し、「農産品」とは、農林水産品及び食料品(アルコール飲料を除く。)をいう。

  注釈4 この4の規定の適用上、「同種の商品」とは、締約国の制度において保護されている地理的表示に係る商品に関連して、当該締約国において登録されている地理的表示に係る商品と同一の分類の商品に該当する商品をいう。

5 両締約国は、地理的表示の相互承認に関する協定を締結するよう努める。

6 両締約国は、自国の地理的表示の保護に関する情報(対象となる制度、手続及び商品に関する情報を含む。)を交換することができる。

   第十一条

 協定第百十七条を次のように改める。

1 同条3(d)の次に次の(e)を加える。

 (e) 不正な利益を得る意図又は他の者に損害を与える意図で、当該他の者の商品若しくはサービスについての特定の表示と同一のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為

2 同条4(c)中「同一若しくは」を削る。

   第十二条

 協定第百十九条を次のように改める。

    第百十九条 国境措置に係る権利行使

1 各締約国は、不正商標商品又は著作権侵害物品が輸入され、又は輸出されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、行政上又は司法上の権限のある当局に対し、当該不正商標商品又は著作権侵害物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう申立てを提出することができる手続を採用する。各締約国は、当該申立てが二回以上の輸送に適用されることを定める。

  注釈 締約国は、権利者が自己の有効な商標権又は著作権を自国の税関当局に登録することができる記録制度を定めることにより、この1、3及び4に定める義務を履行することができる。

2 締約国は、プライバシー又は情報の秘密に関する自国の法令の適用を妨げることなく、自国の税関当局が、不正商標商品若しくは著作権侵害物品の疑いのある物品を留置し、又は当該物品の解放を停止した場合には、自国の税関当局が、権利者に対し、当該物品の荷送人、輸入者、輸出者又は荷受人の氏名又は名称及び住所、物品に関する記述、物品の数量並びに判明しているときは当該物品の原産国について通知する権限を有することを定める。

3 各締約国は、輸入貨物及び輸出貨物に関し、自国の税関当局が不正商標商品又は著作権侵害物品の疑いのある物品の解放を停止するために職権により行動することができる手続を採用し、又は維持する。

4 各締約国は、権利者が、自国の税関当局に対し、この条に定める国境措置の実施に資することのある情報を合理的な期間内に提供することができることを確保する。

5 各締約国は、1及び3に定める手続の開始の後合理的な期間内に、不正商標商品又は著作権侵害物品の疑いのある物品が知的財産権を侵害しているかどうかを自国の行政上又は司法上の権限のある当局が認定することができる手続を採用し、又は維持する。

6 各締約国は、自国の権限のある当局が不正商標商品又は著作権侵害物品であると認定した物品の廃棄を命ずる権限を有することを定める。各締約国は、当該物品が廃棄されない場合には、例外的なときを除くほか、権利者に損害を与えないような態様で当該物品を流通経路から排除することを確保する。不正商標商品に関し、例外的な場合を除くほか、違法に付された商標の単なる除去は、流通経路への商品の流入を許可するために十分ではないものとする。

  注釈 この6の規定の適用上、「権限のある当局」には、司法当局を含めることができる。

7 各締約国は、知的財産権の行使のための国境措置に関連して、申立てに係る手数料、商品保管料又は廃棄費用を決定する場合には、これらの料金が当該国境措置の利用を妨げる額に設定されてはならないことを定める。

   第十三条

 協定第百二十条を次のように改める。

1 同条中2を3とする。

2 同条中1を削り、同条に次の1及び2を加える。

 1 各締約国は、自国の司法当局が、知的財産権の行使に関する民事上の司法手続において、侵害活動を行っていることを知っていた又は知ることができる合理的な理由を有していた侵害者に対し、当該侵害者による権利者の知的財産権の侵害により当該権利者が被った損害を補償するために適当な損害賠償を当該権利者に支払うよう命ずる権限を有することを定める。

 2 締約国の司法当局は、1に規定する損害賠償の額を決定するに当たり、権利者が提示する合理的な価値の評価(侵害の対象となった物品又はサービスの価値であって市場価格によって評価されるものを含めることができる。)を考慮する権限を有する。

   第十四条

 協定第百二十一条を同条1とし、同条に次の2を加える。

2 各締約国は、1に定める犯罪に関し、自国の司法当局が不正商標商品及び著作権侵害物品並びに当該不正商標商品及び著作権侵害物品の生産において使用される材料及び道具の没収又は廃棄を命ずる権限を有することを定める。各締約国は、不正商標商品及び著作権侵害物品並びに当該不正商標商品及び著作権侵害物品の材料及び道具の没収又は廃棄が侵害者に対するいかなる補償もなく行われることを確保する。

   第十五条

 協定第十章中第百二十四条の前に次の三条を加える。

    第百二十三条のA 原則

1 各締約国は、両締約国の経済成長を増進させるためにビジネス環境を一層改善するに当たって政府調達が重要であることを認識して、次のことを行うよう努める。

 (a) 政府調達に関する措置の透明性を高めること。

 (b) 政府調達に関する措置を客観的かつ効果的な方法で実施すること。

2 調達機関は、次の(a)及び(b)の要件を満たす透明性のある、かつ、公平な方法により政府調達を実施する。

 (a) 利益相反を回避すること。

 (b) 腐敗した慣行を防止すること。

    第百二十三条のB 調達に関する情報

 各締約国は、法令、司法上の決定、一般に適用する行政上の決定及び行政上の手続であって自国の政府調達に係るもの並びにこれらの修正を、公衆に広く周知され、かつ、その後も容易に閲覧することができる公式に指定された電子的媒体又は紙面において、速やかに公表する。

    第百二十三条のC 新たな交渉

 一方の締約国は、議定書の効力発生の後に自国の政府調達市場へのアクセスに関する利益を第三国に与える場合には、他方の締約国の要請に基づき、当該他方の締約国との間で交渉するための機会を十分に与える。

   第十六条

 協定第百二十四条を次のように改める。

1 同条2を次のように改める。

 2 各締約国は、この章の規定に関する全ての事項について両締約国間の連絡、情報の交換、協力及び協議を円滑にするため、連絡部局を指定する。

2 同条2の次に次の3を加える。

 3 一方の締約国は、議定書の効力発生の日に、他方の締約国に対し、2に規定する自国の連絡部局を通報する。一方の締約国は、他方の締約国に対し、自国の連絡部局の変更を通報する。

   第十七条

 協定第百二十四条の次に次の一条を加える。

    第百二十四条のA 協力

 両締約国は、相互に合意する条件に従い、政府調達市場へのアクセスの機会を増大させることを目的として、それぞれの政府調達の制度に関する理解を高めるために協力する。

   第十八条

 協定第百二十五条2中「前条2に規定する自国の政府当局によって」を「第百二十四条2に規定する自国の連絡部局によって」に改める。

   第十九条

 協定第百五十条を次のように改める。

    第百五十条 附属書、付録及び注釈

この協定の附属書及び付録並びにこの協定中の注釈は、この協定の不可分の一部を成す。

   第二十条

 協定第百五十二条3を次のように改める。

3 2の規定にかかわらず、改正が次に掲げる附属書のみに関係する場合には、外交上の公文を両締約国政府が交換することにより当該改正を行うことができる。

 (a) 附属書一(改正が、統一システムの改正に伴う改正であって、同附属書の規定に従って一方の締約国により他方の締約国の原産品に適用される関税率の変更を伴わないものに限る。)

 (b) 附属書二

 (c) 附属書三

   第二十一条

協定附属書一をこの議定書の附属書B及びその付録に定めるところにより改める。

   第二十二条

協定附属書八をこの議定書の附属書Cに定めるところにより改める。

   第二十三条

協定附属書九をこの議定書の附属書Dに定めるところにより改める。

   第二十四条

協定附属書十をこの議定書の附属書Eに定めるところにより改める。

   第二十五条

この議定書の附属書及びその付録は、この議定書の不可分の一部を成す。

   第二十六条

1 この議定書は、この議定書の効力発生のために必要とされるそれぞれの国内法上の手続が完了した旨を相互に通告する外交上の公文を両締約国政府が交換する日の属する月の後二番目の月の初日に効力を生ずる。

2 この議定書は、協定が有効である限り効力を有する。

 以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの議定書に署名した。

 二千二十四年八月八日に東京及びジャカルタで、英語、日本語及びインドネシア語により本書二通を作成した。ただし、附属書B第三編及び附属書C第二編については、英語及びインドネシア語により本書二通を作成した。この議定書は、全ての言語の本文をひとしく正文とする。日本語及びインドネシア語の本文は、この議定書についての参考のために作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。

日本国のために
 上川陽子外務大臣

インドネシア共和国のために
 ズルキフリ・ハッサン商業大臣