[文書名] 日ラオス外交関係樹立70周年に際しての包括的・戦略的パートナーシップへの格上げに関する共同声明
ソーンサイ・シーパンドン・ラオス人民民主共和国首相、ワンダラー・シーパンドン夫人及び代表団は、日ラオス外交関係樹立70周年を記念して、2025年1月21日から23日までの間、実務訪問賓客として日本を訪問した。石破茂日本国内閣総理大臣及びソーンサイ首相は、過去70年にわたる二国間関係のあらゆる分野における協力の進展並びに両国民の具体的な利益及び、地域そして世界全体における平和・安定・開発協力のための両国関係の今後の展望を踏まえ、2025年1月21日の日ラオス首脳会談において、日ラオス関係を包括的・戦略的パートナーシップに格上げすることに関する本共同声明を発出した。
両首脳は、1955年の外交関係樹立以来70年の長きにわたり、相互の信頼と理解に基づき築かれてきた二国間の友好協力関係を高く評価した。両首脳は、2015年に両国関係を戦略的パートナーシップに格上げして以来、多くの分野において二国間関係が顕著な発展を遂げてきたことを強調した。両首脳は、あらゆる分野で開花している両国関係を、今後更に発展させ、両国民の利益及び地域・国際社会の発展のために豊かに結実させていくことで一致した。
両首脳は、2024年10月のラオス・ビエンチャンにおける第44・45回ASEAN首脳会議及び関連首脳会議の際の石破総理大臣によるラオス公式訪問を始めとする両国首脳の相互訪問を含め、両国で過去10年間に政府ハイレベル間の緊密な往来が行われたことを評価した。また、両首脳は、政治・安全保障、経済協力、貿易・投資、地域・国際場裡及び人的・文化交流を含む様々な協力分野で着実に成果を挙げていることを評価した。加えて、引き続き重層的な交流を深化・拡大させていくことで一致した。
両首脳は、ラオスの後発開発途上国(LDC)からの卒業及び将来の中高所得国入りに向けた協力を推進することで一致した。そのため、石破総理大臣は、域内における連結性及び強じん性の強化、ラオスの財政安定化、並びにビジネス環境の改善等を通じ、自律的で質の高い経済発展に向けたラオス自身の努力を一層後押ししていく意向を表明した。
また、両首脳は、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)と日本の自由で開かれたインド太平洋(FOIP)が地域の平和、安定及び繁栄を促進する上で、関連する本質的な原則を共有していることを認識し、両国は日・メコン協力及び日・ASEAN対話関係の強化、並びにAOIPで示された4つの優先分野における実践的な協力と相乗効果の強化を通じた日・ASEAN包括的戦略的パートナーシップの更なる強化において重要なパートナーであるとの共通認識を強調した。この点で、ラオスは、日本がASEAN中心性・一体性及びAOIPの主流化を促進するASEANの取組を揺るぎなく支持していることを評価した。
以上を踏まえて、外交関係樹立70周年及び戦略的パートナーシップ10周年という記念すべき節目に際し、二国間関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げし、政治・安全保障、経済協力、貿易・投資、人的往来、地域・国際社会におけるあらゆる分野の協力関係を更なる高みに引き上げることで一致した。
各分野の協力の詳細は付属文書にて記載する。
2025年1月21日東京にて署名
石破茂
日本国内閣総理大臣
ソーンサイ・シーパンドン
ラオス人民民主共和国首相