[文書名] 中華民国に対する円借款の供与に関する日本国政府と中華民国政府との間の交換公文(略称)中華民国との円借款取極
昭和四十六年八月九日 台北で
昭和四十六年八月九日 効力発生
昭和四十六年九月八日 告示
(外務省告示第一六七号)
(中華民国に対する円借款の供与に関する交換公文)
(日本側書簡)
(訳文)
書簡をもつて啓上いたします。本使は、中華民国の経済発展と民生の向上に寄与するため中華民国に対して供与される日本の資金援助に関し日本国政府の代表者と中華民国政府の代表者との間で最近到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1 八十億八千二百万円(八、〇八二、○○○、○○○円)の額までの円貨による借款(以下「借款」という。)が、日本輸出入銀行及び民間銀行(以下「銀行」という。)により、日本国の関係法令に従つて次の事業計画に対する融資のため中華民国政府に供与されることになる。
(a) 電信電話施設拡充計画
(五、四〇〇、○○○、○○○円以内)
(b) ボイラー改修及び砂糖きび粕運搬設備計画
(八八二、○○○、○○○円以内)
(c) イオン交換膜製塩工場建設計画
(一、八〇〇、○○○、○○○円以内)
2 借款は、中華民国政府と銀行との間に締結される借款契約に基づいて使用に供され、その条件及び手続は、なかんずく次の原則を含むことになる同契約によつて規制される。
(a) 償還期間は、三年の据置期間を含む十五年とする。
(b) 利子率は、年五・五パーセントとする。
(c) 借款の使用期限は、1(a)の事業計画については千九百七十六年十二月三十一日とし、1(b)及び1(c)の事業計画については千九百七十三年十二月三十一日とする。
3 借款は、中華民国の輸入者が日本の輸出者に対して行なう支払であつて、前記の事業計画の実施に必要な日本国の生産物及びこれに関連する日本国民の役務の購入のために両者の間で円貨建てで締結される契約に基づいて行なわれるものを対象として使用に供される。
4 中華民国政府は、借款に基づいて購入される物資の海上輸送及び海上保険について、両国の海運会社及び海上保険会社の公正かつ自由な競争を妨げるようないかなる制限をも課さない。
5 中華民国政府は、銀行につき、借款及びそれから生ずる利子に関し、又はそれに関連して同国の財政課徴金又は租税を免除する。
6 両国政府は、前記の了解から、又はそれに関連して生ずることがあるいかなる事項についても相互に協議する。
本使は、閣下が前記の了解を中華民国政府に代わつて確認されれば幸いであります。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年八月九日に台北で
日本国大使 板垣修
中華民国国際経済合作発展委員会
副主任委員 費●{馬ヘンに華}閣下
(訳文)
書簡をもつて啓上いたします。本官は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本官は、さらに、前記の了解を中華民国政府に代わつて確認する光栄を有します。
本官は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年八月九日に台北で
中華民国国際経済合作発展委員会
副主任委員 費●{馬ヘンに華}
日本国大使 板垣修閣下