[文書名] 総統府:釣魚台に関する声明
わが政府がすでに何度も表明しているように、中華民国は釣魚台列島の主権を有しており、わが方の主権を守る決意および立場に何ら変化はなく、今後も全力で釣魚台の主権を守り、わが国の漁民の安全を保護していく。
釣魚台列島は古来より台湾の属島であり、中華民国固有の領域に属しており、当然ながら中華民国の領土である。釣魚台列島は明朝時代(1403年)に中国人によって発見、命名され、明朝、清朝の数百年間にわたり使用され、海防に組み込まれていたのであり、当初から無人島などではなかった。この歴史的事実は、諸々の文献に掲載されており、十分な証拠がある。日本が1895年1月に釣魚台列島を無人島であるとして日本の領土に編入したのは、1894年の中日甲午戦争(日清戦争)で清が敗戦した後に乗じた併合である。したがって、日本が1945年に第二次世界大戦に敗れ、中華民国に投降し、台湾を中華民国に返還したのであるから、釣魚台列島も同様に返還すべきものである。
毎回、釣魚台の海域で発生する衝突は、ほとんどが日本の艦船が釣魚台の海域に進入して台湾または中国大陸の漁船を排除したことによるものである。したがって、釣魚台の海域における衝突は、現段階においては台湾と日本の間および中国大陸と日本の間でのみ存在するものであり、台湾と中国大陸の間には対立点は存在していない。目下、台湾と中国大陸は各々が日本に対して抗議するのみであり、台湾と中国大陸が互いに抗議するような問題はない。
但し、中国大陸の漁船が台湾の水域に進入して違法操業した場合は、台湾の海岸巡防署(海巡署)が必ず排除または勾留・処罰を行う。実際に、今年1月から8月までに、海巡署は計4,789隻を強制排除し、2,195隻を立件処分した。他国または他地区の漁船による不法操業についても、同様に取り締まっている。
台湾海峡両岸がいずれも釣魚台の主権を主張しているが、今回日本に向けた抗議行動は、いずれも各自日本と交渉しており、連携はしていない。
このほか、釣魚台の主権紛争が短期的に円満解決できるものではないことをかんがみ、わが政府はこの紛争を武力で解決するのではなく平和的な方法で処理すべきであると主張するものである。
【外交部 2010年10月5日】