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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 外交部:釣魚台の主権は中華民国にあり、米国による日本への行政権引き渡しにも厳正なる反対声明を表明している

[場所] 台北
[年月日] 2010年10月21日
[出典] 台北駐日経済文化代表処
[備考] 台北駐日経済文化代表処仮訳
[全文]

外交部:釣魚台の主権は中華民国にあり、米国による日本への行政権引き渡しにも厳正なる反対声明を表明している

外交部は10月21日、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)の主権および行政権に関して、以下のプレスリリースを発表した。

一、楊進添・外交部長(外相)は10月14日、立法院外交・国防委員会において、張顕耀・立法委員からの釣魚台問題に関する質問に対し、以下のように答弁した。

(一)米国は1972年に沖縄諸島および釣魚台列島の行政管轄権を日本に引き渡したが、主権問題には触れておらず、米国側はこれまで釣魚台の主権帰属問題に対していかなる立場も採っていない。

(二)外交部はそれ以前に、すでに1971年6月の時点で米国側の上述の方針に対して厳正なる反対を表明しており、わが国政府が釣魚台の主権を有すると主張する一貫した立場は、これまでに何ら変わりはない。

(三)1960年に米国は日本と日米安全保障条約に調印した。同条約の適用範囲は日本の行政管轄下の地域であり、米国側は日本の行政管轄権が釣魚台に及んでいると認識している。したがって、日米安保条約の範囲に釣魚台が含まれるとの主張は、米国側の立場である。

二、以上の答弁から、楊部長の説明は包括的な論述でしかも一貫性があり、「日本が釣魚台の行政権を有する」と主張したものではないということがわかる。しかも楊部長が過去何回も指摘しているように、わが国は釣魚台の主権がわが国に帰属することを厳正に重ねて表明しており、米国が釣魚台の行政権を日本に引き渡したことに対しても以前から厳正なる反対声明を表明している。

【外交部 2010年10月21日】