データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 馬英九総統が安倍晋三・元首相ら一行と会見

[場所] 台北
[年月日] 2010年10月31日
[出典] 台北駐日経済文化代表処
[備考] 台北駐日経済文化代表処仮訳
[全文]

10月31日夕、馬英九総統は総統府において、安倍晋三・元首相ら一行と会見し、台北・松山空港―東京・羽田空港間の直行便、第1便に搭乗し、台湾を訪問したことに対して歓迎の意を示し、「台湾の政府はこの2年間、台日関係の改善に尽力しており、松山空港―羽田空港間の開通は、きわめて重要な一環であり、各界からも強い関心が寄せられていた。開港後、台北から東京まで飛行時間を2時間短縮でき、これにより『台北―東京の一日生活圏』が形成され、旅行客が朝出国し夜帰国することの利便性が図られ、さらには二国間のビジネス交流にもプラスになる。また、今年上半期において、台湾の国民による日本への旅行客数は30%増加し、来台した日本人観光客数も7%増加した。台北・松山空港―東京・羽田空港間の直行便就航後、台湾人旅行客は羽田空港から日本のその他の48都市または空港へ移動することができるようになる。日本人旅行客も松山空港から花蓮、台東や離島などの空港5・6カ所に行くことができるようになり、二国間の観光は、これにより継続的な成長が望める」と期待の意を示した。

また、台日関係が引続き前に向かって邁進していくことについて、馬総統は「安倍晋三・元首相およびそのご一族は、台湾に対して一貫して友好的であり、このたびの代表団を伴った台湾訪問は、私が今年会見した23番目の代表団であり、私が総統就任以来、75番目の日本からの訪問団でもあり、台日のトップレベルでの相互連動の密接さが十分に見られるものである。また同時に、台湾の政府は文化および観光交流など各レベル面においても、引続き二国間関係の改善を図っていくものである。たとえば、台日双方は2009年6月に『青年ワーキングホリデー協定』に調印し、18歳〜30歳の若者が相手国に1年間の期間で滞在し、同国の文化を理解することができるようになった。また、2009年12月には台北駐日経済文化代表処の札幌分処も開設され、北海道を観光で訪れる年間28万人の台湾からの旅行客をサポートをすることができるようになった。そのほか、私は『国立故宮博物院』収蔵の国宝が、日本の国会における関連法令(日本が海外から借り受けた美術品に対し、第三国からの差し押さえ請求の禁止)の完備後、日本で展示を行い、双方の文化交流が深化するよう願っている」との考えを示した