データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 連合国最高司令官の権限に関するマックアーサー元帥への通達

[場所] 
[年月日] 1945年9月6日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),80頁.外務省特別資料課編「日本占領及び管理重要文書集」,110頁.
[備考] 
[全文]

1 天皇及び日本政府の国家統治の権限は,連合国最高司令官としての貴官に従属する。貴官は,貴官の使命を実行するため貴官が適当と認めるところに従って貴官の権限を行使する。われわれと日本との関係は,契約的基礎の上に立つているのではなく,無条件降伏を基礎とするものである。貴官の権限は最高であるから,貴官は,その範囲に関しては日本側からのいかなる異論をも受け付けない。

2 日本の管理は,日本政府を通じて行われるが,これは,このような措置が満足な成果を挙げる限度内においてである。このことは,必要があれば直接に行動する貴官の権利を妨げるものではない。貴官は,実力の行使を含む貴官が必要と認めるような措置を執ることによって,貴官の発した命令を強制することができる。

3 ポツダム宣言に含まれている意向の声明は,完全に実行される。しかし,それは,われわれがその文書の結果として日本との契約的関係に拘束されていると考えるからではない。それは,ポツダム宣言が,日本に関して,又極東における平和及び安全に関して,誠意をもつて示されているわれわれの政策の一部をなすものであるから,尊重され且つ実行されるのである。