データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定

[場所] 東京
[年月日] 1954年3月8日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),639−640頁.外務省条約局「条約集」第32集第8巻.
[備考] 
[全文]

 日本国政府及びアメリカ合衆国政府は,

アメリカ合衆国による改正後の千九百五十一年の相互安全保障法第五百五十条の規定に基く同国の余剰農産物の販売及び日本国によるその購入から生ずる相互の利益を考慮し,

 そのために必要な取極を行うことを希望して,

次のとおり協定した。

第一条

両政府は,改正後の千九百五十一年の相互安全保障法第五百五十条に従つて,千九百五十四年六月三十日に終るアメリカ合衆国の現会計年度において総額五千万合衆国ドル(五0,000,000ドル)の取引を行うよう努力する。

第二条

購入される個個の品目及び個個の取引の条件は,アメリカ合衆国政府のために対外活動庁が定める手続に従つて,随時両政府の間で合意されるものとする。

第三条

この協定に従つて取得されるべき商品の購入及び利用は,アメリカ合衆国又は他の友好国の通常の市場取引を排除し,又はこれに代替してはならないものと了解される。

第四条

アメリカ合衆国政府は,第二条にいう個個の購入のため必要な合衆国ドルを支出するものとし,日本国政府は,その合衆国ドルの支出の通告があつたときは,日本銀行に設けられるアメリカ合衆国政府の特別勘定に日本円による等価額を積み立てるものとする。

   第五条

積み立てられる日本円に対する合衆国ドルの為替相場は,公定の複数基準為替相場が設けられない限り,合衆国ドルに関して日本国政府が定める公定平価で,第四条に定める通告を受領した時に実施されているものでなければならない。

第六条

この協定の実施のため必要な細目取極は,両政府の間で合意されるものとする。

第七条

この協定は,日本国がその国内法上の手続に従つてこの協定を承認したことを通知する日本国政府の公文を,アメリカ合衆国政府が受領した日に効力を生ずる。

以上の証拠として,署名のために正当に委任された両政府の代表者は,この協定に署した。

千九百五十四年三月八日に東京で,ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。

日本国のために

岡崎勝男(署名)

アメリカ合衆国のために

ジョン・M・アリソン(署名)