データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米安保委員会設置に関する日米共同発表

[場所] 
[年月日] 1957年8月6日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),816−817頁,外務省情報文化局「外務省発表集」第6号,8−9頁.
[備考] 
[全文]

 さきの日米会談に関する六月二十一日の共同声明において総理及ぴ米国大統領は政府間委員会を設置することを明かにしたが,本日日米両政府は右委員会に関し左の通り合意した。

 委員会は「安全保障に関する日米委貝会」と呼称される。

 日本政府側の委員は藤山外務大臣及び津島防衛庁長官とし,必要に応じ関係大臣も委員として出席する。日本側においては外務大臣が主宰する。

 米国政府側の委員は,米国側首席たるマックアーサー駐日米国大使及ぴ軍事及ぴ防衛事項に関する同大使の主たる顧間たるべきスタンプ太平洋地区総司令官とする。スミス在日米軍司令官はスタンプ大将の代理を務める。

 委員会は日米何れかの側の要請があつたときは何時でも会合する。委員会の会合は東京において行われ,所要の準備は外務省及び在京米国大使館がこれを行う。

 委員会において審査すべき事項は,日米共同声明に言及された左の三点を含むものとする。

(イ)米国によるその軍隊の日本における配備及び使用について実行可能なときはいつでも協議することを含めて,安全保障条約に関して生ずる問題を検討すること。

(ロ)安全保障条約に基いて執られるすべての措置が国際連合憲章の原則に合致することを確保するため協議すること。

(ハ)これらの分野における日米両国の関係を両国の国民の必要及び願望に適合するように今後調整することを考慮すること。

 委員会は広く日米間の安全保障問題の背景を成し又これに関連する諸事項を審議し,もつて両政府間に相互の理解を深め,安全保障の分野における日米協力体制の強化に資するものとする。

 委員会は協議的性格のものとする。委員会審議の結果,何等かの措置を執ることとなつた場合は,両国は夫々通常の手続により之を行うこととする。

 委員会は近く初会合を行う。