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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 貿易経済合同委員会設置に関する日米往復書簡

[場所] 
[年月日] 1961年6月23日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),350−351頁.外務省情報文化局「外務省公表集」,昭和36年上半期,176−8頁.
[備考] 
[全文]

 書簡をもつて啓上いたします。本長官は,アメリカ合衆国大統領と日本国総理大臣との間において,日米両国政府が相互に関心をもつ経済問題に関して協議するための取極を具体化することが望ましいことについて最近討議されたことに言及する光栄を有します。これに関連して,千九百六十年一月十九日にワシントンで署名されたアメリカ合衆国と日本国との間の相互協力および安全保障条約第二条において,「締約国は,その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め,また,両国の間の経済的協力を促進する。」と両締約国が合意したことが留意されました。この討議において,経済政策に関する主要な責任を有する両国の閣僚間に定期的な協議を行なうための委員会を設置することを両国政府が希望していることが明らかになりました。

 よつて,本長官は,両国政府が次のとおり合意することを提案する光栄を有します。

(a) 貿易および経済問題に関する日米合同委員会を設けること。

(b) 委員会は,

    アメリカ合衆国については,国務長官,財務長官,内務長官,農務長官,商務長官および労働長官

    日本国については,外務大臣,大蔵大臣,農林大臣,通商産業大臣,労働大臣および経済企画庁長官

    ならびにいずれか一方の政府が必要に応じて随時任命する閣僚級の他の政府職員から構成されること。

(c) 委員会の任務は,次のとおりとする。

  (1) 両国間の経済協力を促進する手段を検討すること。

  (2) 特に,相互に利益のある貿易の継続的な拡大に悪影響を及ぼすような問題および共同の検討を必要とする両国の経済援助計画に関する問題について情報および意見を交換すること。

  (3) 両国の国際経済政策におけるくい違いを除き,経済的協力を一層促進し,および,貿易を振興するため,適当かつ必要と思われる措置に考慮が払われるようにそれらの討議についてそれぞれの政府に報告すること。

(d) 委員会は,年一回または両国政府が必要と認めるときはより多く会合すること。

(e) 委員会は,合衆国および日本国で交互に会合し,合衆国で開かれるときは,合衆国国務長官または合衆国政府が指名する他の委員が議長となり,日本国で開かれるときは,日本国外務大臣および日本国政府が指名する他の委員が議長となること。

 本長官は,日本国政府が以上の提案に同意されるときは,この書簡およびそ

の旨の閣下の返簡が両国政府間の合意を構成することならびにこの合意は本日効力を生じ,いずれか一方の政府がこの合意を終了させる希望を書面により通告する時まで引き続き効力を有することを提案いたします。

 本長官は,以上を申し進めるに際し,ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表

します。

2.日本国外務大臣より国務長官あて書簡

 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は,貿易および経済問題に関する日米合同委員会の設置を提案された本日付けの閣下の書簡に言及する光栄を有します。

 本大臣は,日本国政府がこれらの提案に同意し,かつ,閣下の書簡およびこの返簡が両国政府間の合意を構成することならびにこの合意は本日効力を生じ,いずれか一方の政府がこの合意を終了させる希望を書面により通告する時まで引き続き効力を有することに同意することを閣下に通報する光栄を有します。

 本大臣は,以上を申し進めるに際し,ここに重ねて閣下に向つて敬意を表します。