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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 小笠原返還協定に関する日米共同新聞発表

[場所] 
[年月日] 1968年4月5日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),782頁.外務省情報文化局「外務省公表集」,昭和43年上半期, 31−2頁.
[備考] 
[全文]

 三木外務大臣とジョンソン大使は,本日東京において,対日平和条約第三条の規定に基づき米国が施政を行なってきた南方諸島(小笠原群島,西之島および火山列島を含む)ならびに沖ノ鳥島および南鳥島を日本の施政の下に返還するための協定に署名した。協定発効のために必要な日本の国内法上の手続を完了してから三十日間の経過期間を経た後,施政権の返還が実現する。

 佐藤総理大臣とジョンソン大統領は,一九六七年十一月ワシントンにおいて,両国政府がこれら諸島の日本への早期復帰をこの地域の安全をそこなうことなく達成するための具体的な取決めに関し,直ちに協議に入ることに合意したが,本日署名の運びとなったこの協定は,この総理大臣と大統領との間の了解の枠内で行なわれた交渉が結実したものである。

 本日署名の協定が発効した後も,米国は硫黄島と南鳥島にあるロラン局(長距離航法用無線標識局)を日米地位協定の規定に基づいて引き続き使用することとなるが,その他の設備および用地は一切日本に引き渡される。

 日本政府は,現在父島に居住している二◯◯余名の日本国民を日本の社会へ再び受け入れることおよび戦時中本土に引揚げた旧島民が帰島することを容易にするための措置を検討中である。