[文書名] 米軍施設・区域調整計画討議の日米安保協議委員会に関する外務省情報文化局発表、日米安全保障協議委員会の第九回会合について
一,安全保障協議委員会の第9回会合は,十二月二十三日午前九時から外務省で開かれた。
日本側からは,愛知外務大臣と有田防衛庁長官,米国側からは,ジョンソン駐日大使とマッケイン太平洋軍司令官が出席し,また,補佐のため両国の関係者が列席した。
二,日本側は,安保条約や沖繩問題をめぐり,日米間に重要な問題を控えておる時期にさしかかっておることを指摘し,日本政府は国民の理解と支持の上に日米関係の安定した発展を期する考えであることを説明した。米側は,日本側の説明を多とし,米国政府も,日米安保条約は,そのような日本国民の理解と支持の上にのみ維持しうると考えていると述べた。
三,委員会は,極東の一般情勢について意見を交換した。米側から特に北爆停止以後の最近のベトナム情勢の説明があったほか,日本の周辺地域の情勢について意見を交換した。
四,在日米軍施設・区域に関する諸問題が主たる討議の対象となった。米側は,在日施設・区域について全面的な検討を行なった結果として,約五十の施設・区域に関し,返還,共同使用,移転に関する案を提示した。日本側は,米側の案を建設的なものとして歓迎した。討議の結果,委員会は,九月の事務レベル協議におけるこの問題に関する討議に留意し,また,前記の米側の検討の結果を考慮し,合同委員会をして個々の施設についての具体的措置をできるだけ早く進めるよう作業せしめ,今後適当な時期にその結果を検討することとした。委員会は,安保条約の目的に即して必要な機能を果しうるような施設・区域を維持すると同時に,施設・区域の存在から派生する諸問題が,日本国民の日常生活に与える影響を最少限にするよう配慮して行くべきことを確認した。
五,委員会は,日本の防衛並びに日本を含む極東の平和に関連ある事項について,日米双方の外交及び防衛当局者間において,随時意見及び情報を交換し,所要の検討を行なわしめることが必要であることを認めた。委員会は,また,施設・区域の機能面についての専門的検討が必要であると認め,自衛隊と在日米軍との間において,随時研究会合を行なわしめることに合意した。