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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米軍施設・区域調整計画討議の日米安保協議委員会に関する外務省情報文化局発表,米軍施設・区域調整計画概要

[場所] 
[年月日] 1968年12月23日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),828−831頁.外務省情報文化局「外務省公表集」,昭和43年下半期,64−70頁.
[備考] 外務省情報文化局発表
[全文]

一,日本政府に全面的又は部分的に返還が計画されている施設・区域(注,*印を付した施設・区域六箇所は,既に日本の自衛隊に移管され,かつ,自衛隊が使用しているものであって,米側としては,地位協定第二条四項(b)の規定に従って一時的に使用する権利のみを保有して来た。これら六施設・区域を日本政府に全面的に返還しようとするものである)。

施設・区域番号

*一○六三 名寄演習場

 三○四二 太田小泉飛行場

 三一○七 座間小銃射撃場

*五一一二 桜谷小銃射撃場

 三○二三 大島通信所

 三一三二 観音崎艦船監視所

 三一三三 イナンバ島対地射爆撃場

 三六六一 横浜兵員クラブ

 三六九七 横須賀海軍埠頭

 五○三八 向後崎艦船監視所

 四○八四 広弾薬庫

一部返還,但し日米合同委員会の場において交渉されるべき条件による。

 一○○二 キャンプ千歳補助施設

千歳I地区 一部不要区域は,即時返還,残余は,現存通信施設の移転後返還。

千歳II地区 現在陸上自衛隊使用区域は,即時返還,残余は,一九七一年までに返還。

 但し,キャンプ千歳I及びII地区に残る通信施設の運用維持のため通行権の確保並びにキャンプ千歳(施設・区域番号一○五四)支援に必要な施設(例えば,鉄道引込線,貯油地区,貯水池,牛乳工場,エアー・ターミナル)の継続使用及びそこへの通行権又は移転を条件とする。

 一○五七 支笏湖水上訓練場

*四一五三 長浜小銃射撃場

米軍の小銃射撃訓練の必要を充たすため,適当な自衛隊の小銃射撃訓練場を随時共同使用する権利を必要とする。

 三○一九 多摩弾薬庫

一部返還,但し日米合同委員会の場において交渉されるべき条件による。

*五一○九 早岐小銃射撃場

*五一一○ 日出生台・十文字原演習場

従来本施設を利用して行なってきた米側の演習については,将来は適当な自衛隊施設の共同使用によることとする。

 五○七二 鳥島対地射爆撃場

 三○四八 キャンプ朝霞内サウス・キャンプ地区(サウス・キャンプ・ドレーク)

一部又は全部返還,但し日米合同委員会の場において交渉されるべき条件による。

 三七○二 調布飛行場

関東村住宅地区施設のうち飛行場部分は,現在日米合同委員会の場において行なわれている交渉妥結後返還される。

 三六四二 根岸地区(ゴルフ場)

海軍住宅管理事務所の移転を条件とする。

二,米側の継続使用権又は他の適当な施設についての取り決めを条件として日本政府に返還が計画されている施設・区域

施設・区域番号

 四○八一 呉艀碇泊地区

本施設又は日本政府より提供される適当な同等施設の常時使用を必要とする。

 四一一○ 神戸第六突堤

神戸工業地帯において米軍貨物集配施設が必要につき,本施設又は適当な同等施設を今後共無償で使用する権利を必要とする。

 四一五二 呉第六突堤

本施設又は呉地域における適当な同等施設の継続的使用権を必要とする。

 三○三三 木更津飛行場

日本政府に返還後も,米軍の不可欠な任務のための本飛行場の継続使用権を必要とする。

 三一○四 長坂小銃射撃場

米側の訓練のため本射撃場を一時的に使用できるよう取り決めを要する。

 三一二三 北富士演習場

米側による訓練のための利用が保証されるよう富士演習場区域に合併する必要がある。

 三一五四 沼津海浜訓練場

米側の訓練上の必要を充たすため,今後共一時的に使用できる権利を保持する必要がある。

 五○一五 芦屋対地射爆撃場

予備の対地射爆撃場として一時的に使用できるよう必要な計器類の保守及び運用に関する規定を含む共同使用の取り決めを行う必要がある。

*二○五五 八戸LSTけい留施設

三沢飛行場支援のため,本施設又は同等施設の随時使用を条件として返還を予定している。

三,既存施設又は新規提供施設への移転が計画されているもの。

施設・区域番号

 三○○四 赤坂プレスセンター

(ヘリコプター離着陸場及びサービス・ステーションのみ)

ヘリコプター運用は自衛隊施設に移転。サービス・ステーションはプレスセンター内又は同センター庁舎敷地に移転。

 三一三九 新倉倉庫地区

現存米軍施設内に同等の倉庫が提供され次第返還。

 三○九三 久里浜倉庫地区

現存米軍施設内に同等の倉庫スペースの提供あり次第倉庫及び野積場を返還。

 三○六三 横浜海浜住宅地区

より適当な場所に同等の住宅及び支援施設の提供あり次第返還。

 三○六四 山手住宅地区

より適当な場所に同等の住宅の提供があり次第返還。

 三六四三 横浜ランドリー

現存米軍施設内に移転次第返還。

 三○二四 羽村学校地区

現存米軍施設内に移転次第返還。

 五○三一 名切谷住宅地区

代替住宅完成次第返還。

注一,上記のほか,キャンプ王子(施設・区域番号三○○五),水戸対地射爆撃場(施設・区域番号三○四六)及び板付飛行場(施設・区域番号五○○一)の移転案につき,既に検討中である。

二,その他の移転案(特に横浜の住宅地区の支援施設に関するもの)が現在検討されているが,現時点では個個の施設・区域名は本表に記載できない。