データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 総合労働布令に関する米国政府に対する意見の提示

[場所] 
[年月日] 1969年2月13日
[出典] 外交青書13号,84−85頁.
[備考] 参考資料
[全文]

1,政府は,1月11日に公布された沖繩の総合労働布令につき,米国政府の説明を求めつつ,同政府とともにその内容を協議検討してきたが,その結果,第10条(非合法活動)については,他の条文と異なり,同布令上の労働関係と無関係の一般人に対しても,軍または重要産業の活動を阻害するピケット,集会,示威運動等の行為,被用者の職場への立ち入りに対する妨害および基地,重要産業,あるいは米国政府管理下の土地で行なわれる仕事を阻害するその他の活動等を禁止する規定を含み,通常の労働法の規制範囲を越えているものとの結論に達した。

 よって,2月13日,外務省より在京米国大使館に対し,総合労働布令第1条に規定する同布令の目的にかんがみ,同布令の中にかかる規定を設けることは不適当であって,第10条のこれらの規定は削除等再検討すべきであるとの日本政府の見解を伝え,米側も協議検討方同意した。

2,政府としては,とりあえずこの点についての見解を米側に伝えた次第であるが,その他の点についても,追って米側に通報する考えであり,その旨米側にも伝えておいた。

3,なお,今回の意見提示の際,米側に対し,日本政府としては,琉球政府を含め,沖繩の関係者が,沖繩の米国民政府に対し,総合労働布令に関する建設的意見を提出することを期待している旨述べるとともに,米国政府が,これらの意見を十分検討し,できる限りそれをとり入れるよう努力することを要望した。