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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の附表の修正に関する交換公文(略称−米国との航空協定附表修正取極)

[場所] 東京
[年月日] 1969年11月12日
[出典] 外交青書14号,409−411頁.
[備考] 
[全文]

(日本側書簡)

 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は,1952年8月11日に署名され,1959年1月日及び1965年12月28日に修正された日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定に従つて,1969年6月23日から7月9日までワシントンで,及び1969年9月16日から10月2日まで東京で行なわれた民間航空に関する協議に言及する光栄を有します。両国代表団は,前記の協定の附表(附属書を含む。)を削除し,かつ,この書簡に同封する新たな附表をそう入するよう各自の政府に勧告することを合意しました。

 本大臣は,さらに,日本国政府が前記の新たな附表を受諾する旨を閣下に通報するとともに,この書簡及びアメリカ合衆国政府が新たな附表を受諾する旨を述べられる閣下の返簡が,修正された民間航空運送協定をさらに修正する両国政府間の合意を構成し,その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生ずることを提案する光栄を有します。

 本大臣は,以上を申し進めるに際し,ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

  1969年11月12日

    日本国外務大臣 愛知揆一

  附表

(A)日本国政府によつて指定された一又は二以上の航空企業は,この(A)に定める各航空路線において,両方向に航空業務を運営し,及びこの(A)に定めるアメリカ合衆国内の地点に定期の着陸を行なう権利を与えられる。

 (1)日本国からホノルル,サン・フランシスコへ,並びに

  (a)ニュー・ヨーク及びニュー・ヨーク以遠ヨーロッパ(連合王国を含む。)へ,並びに以遠(注1)

  (b)以遠メキシコ及び中米へ(注2)

 (2)日本国からホノルル及びロス・アンゼルスへ,並びに以遠南米へ(注2)

 (3)日本国から沖繩へ,及び以遠(注3)

 (4)日本国からアンカレッジを経てニュー・ヨークへ

 (5)日本国からサイパン島を経てグァム島へ

(B)アメリカ合衆国政府によつて指定された一又は二以上の航空企業は,この(B)に定める各航空路線において,両方向に航空業務を運営し,及びこの(B)に定める日本国内の地点に定期の着陸を行なう権利を与えられる。

 (1)合衆国から北太平洋を経て東京及び大阪へ,並びに以遠

 (2)合衆国から中部太平洋を経て東京及び大阪へ,並びに以遠

 (3)沖繩から大阪及び東京へ(注3)

(C)特定路線上の地点は,別段の定めがある場合を除くほか,いずれかの又はすべての飛行にあたつて,指定航空企業の選択により省略することができる。

 注1 日本国から東に向かつて運航される飛行でニュー・ヨークの定期の着陸を行なうもの及び日本国に向かつて西へ運航される飛行でニュー・ヨークから定期の離陸を行なうものは,サン・フランシスコに定期の着陸を行なわなければならない。

 注2 これらの路線上の合衆国の地点において,合衆国以遠の地点を目的地又は出発地とする旅客,貨物及び郵便物のストップ・オーヴァー又は積込み若しくは積卸しを行なうことはできない。

 注3 これらの路線を許与するにあたり,各締約国は,アメリカ合衆国が沖繩に対する行政,立法及び司法上の権力を行使している根拠たる1951年9月8日にサン・フランシスコで署名された日本国との平和条約第3条の規定を了知するものである。

(米国側書簡)

(訳文)

 書簡をもつて啓上いたします。本使は,閣下が次のように通報された1969年11月12日付けの書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(日本側書簡)

 本使は,アメリカ合衆国政府が閣下の書簡に含まれた提案を受諾する旨を閣下に通報する光栄を有します。閣下の前記の書簡及びこの返簡は,修正された民間航空運送協定をさらに修正する両国政府間の合意を構成し,その合意は,本日効力を生じます。

 本使は,以上を申し進めるに際し,ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

  1969年11月12日に東京で

                       アーミン・H・マイヤー

 日本国外務大臣 愛知揆一閣下

(参考)

 この取極は,日本側路線(4)及び(5)を追加するためのものである。